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第3話 三歳の誕生日会

お昼寝をしている間は、カレンも休憩をする。

交代で別の侍女が来る予定だが、まだ時間ではないのか来ていない。


三歳で覚醒したのだから、ステータスは両親に見せるのだろうか。

その辺りの事は確認していなかった。

そもそも、そんな時間はなかったし。

魔力・体力が無限なのは、たぶん普通じゃないよね。

いや、絶対にそうだ。

それから、全属性も普通じゃない気がしてきた。

なぜなら、カレンは一つしか属性が無いから。

これは、隠ぺいしたほうがいいのか。

でもなあ。魔力の適正な数値も分からないし。

教会に行かないと、女神様に連絡が出来ないなんて不便じゃないか。

こんな時には、メールやラインがあれば便利なのに。


そうだ。亜空間の無限収納に『植物図鑑』を女神様が入れてくれたのだから、無限収納を連絡の中継地点みたいに出来ないか。

早速、手紙を書いてみよう。

日本語でもこの世界の文字でも、どちらでも読めるよね。


レターセットを探すと、机の引き出しに入っていた。

侍女がくるまで、あまり時間がないはずだから簡単でいいか。


女神様

無事に三歳の誕生日に覚醒しました。

希望どおりの魔法・スキルをありがとうございます。


確認なんですが、今日、私のステータスを両親に見せる必要がありますか。

また、魔力・体力が無限なことは隠ぺいしなくても大丈夫でしょうか。

全属性も問題ないですか。


取り急ぎ、確認したく手紙を書きました。


お忙しいと思いますが、ご返事をいただけると幸いです。


アリシアより


これでよし。

宛名を女神マリー様にして、無限収納に入れる。


女神様も忙しいし、まさか、無限収納経由で連絡してくるとは思わないから気がつかないかも。

夕食後にステータスを聞かれたらどうしよう。

今更ながら心配になってきた。


トントン「アリシアお嬢様、失礼します」

「起きられていましたか」

「お着替えをしましょう」

「今、果実水をご用意いたします」

「ありがとう、キャサリン」

果実水とクッキーがテーブルに置かれる。

「お茶が終わりましたら、奥様のお部屋に行きます」

あれ、何か用事があったかな。

「なにかあるの」

「分かりませんが、奥様から呼ばれました」

「そうなんだ。分かった」


トントン「アリシアお嬢様をお連れ致しました」

「入ってちょうだい」

「アリシアちゃん、座ってちょうだい」

「お昼寝は済んだのかしら」

「はい、よく眠りました」

「そう、まだ小さいから昼寝は大事なのよ」

「はい」


「これから、敷地内にある礼拝堂に行きます」

「礼拝堂 ???」

「そうよ。本当ならば教会に行きたいけれど、まだ小さいから行けないの」

「だから、その代わりに敷地にある礼拝堂に行って、神様に三歳になった報告をするのよ」

「そうなんだ」

やったぁ。ラッキー。これでマリー様に連絡が取れるじゃないか。

「では、行きましょう」


歩いて行くのかと思えば、馬車で移動するらしい。

敷地内は広いので、歩くとそれなりに時間が掛かるんだって。

おお、これが馬車か。座り心地はあまり良くないか。

これは、サスペンションを付けるしかないな。


侍女のキャサリンとお母さまとお母さまの侍女と護衛が二人ついてきた。

礼拝堂の中に入ると、創造神様らしい神像があった。

他の神様や女神様の像は無い。


「椅子に座って、手を合わせて神様にお祈りをするの」

「お誕生日を迎えられたので、感謝を込めて、ありがとうございますと心の中で言うの」

「はい、分かりました」

椅子に座り手を合わせる。

『神様、女神マリー様、今日三歳になりました。無事に覚醒し魔法も確認しました。ありがとうございました』

『女神マリー様、亜空間の無限収納にお手紙を入れました。時間があったら読んでください。相談したいことがあります』

『アリシア、よく来てくれました。待っていましたよ。手紙のことは後で確認してみます』

『なにか聞きたいことはありますか』

『手紙にも書きましたが、今日両親にステータスを見せるのですか』

『いいえ、まだ見せなくていいです』

『本来は、五歳に開示されます』

『そうなんですか、ならばなぜ三歳の私に開示されたのですか』

『あなたは転生者だから、身体が馴染むように早めに開示したのです。三歳で覚醒して開示しても急成長する時期なので、少しくらいおかしな行動をしても不思議に思われません』

『気をつけることは、魔法やスキルを使っているところを見られないことです』

『万が一見られたときは、良く分らないが知らないうちに使えたと言ってください』

『偶にいるのです。五歳まえに魔法が使えてしまう子が。使いたいと思う気持ちから偶然起るのでしょう』

『バレなければ、魔法は使っても問題ないですか』

『あまり、大きな魔法は良くありません。たとえば、転移魔法で遠くまで行くとかです』

『分かりました。あとは、今日少し歩いただけで疲れた気がしたのですが、どうしてですか。体力も無限でしたよね』

『それは、筋肉があまり無いからです。身体も成長途中なので、そう感じるのだと思います』

『五歳くらいになれば、身体も落ち着くので大丈夫なはずです』

『植物を育て、開発もしたいのですが、目立つのは良くないですか』

『家の人に頼んで、植物を育てるのは大丈夫です。開発は五歳まで待ちましょう。それまでは、アイディアをまとめ資料作成をすればいいと思います』

『ありがとうございます。また質問があれば、無限収納にお手紙を入れます』

『待っていますよ。では、また会いに来てくださいね』


「アリシアちゃん、随分と長い時間お祈りをしていたのね」

「今日一日のことを話ししていたの」

「あとね。夕食はお祝いがあるから、楽しみなことも」

「そうなのね。今日はお誕生日だもの、楽しみよね」


礼拝堂には、神像が一体しかなかったけれど、あれは創造神だよね。

他の神様の像はなぜないのだろうか。

一般には知らせていないのか。

いや、そんなはずないよね。

だって、武術だの豊穣の神だのって、一番頼られそうじゃない。

礼拝堂だからかな。

これも女神マリー様に聞いてみよう。


お屋敷に戻って、サロンでお母さまとお話をした。

子供は五歳になるまで、お屋敷の外にはなるべく出ないらしい。

身体が出来上がっていないから、病気に掛かりやすく、誘拐されることがあるから。

なので、五歳になるまでは近親者ですら、知らせないことがあるそうだ。

医療が発展していないから、幼児の死亡率は高いのだろう。

日本でも80年から100年前くらいまでは、幼児の死亡は多かったはずだ。

それにしても、子供の誘拐か。物騒な世の中だ。

そういえば、女神様も子供の誘拐があるから、気配遮断は必要だって言っていたな。

女神様が知っているほど、頻繁にあるのか。

これは、尚更鍛えねば。


「アリシアちゃん、そろそろ夕食になるから着替えていらっしゃい」

「はーい」

幼児のふりをするのも大変なのだ。

侍女のキャサリンと部屋に戻り、また着替えだ。

今日一日で何回着替えたのか。貴族って疲れる。


「アリシアお嬢様、夕食のお時間です」

「はい」

食堂までキャサリンと手を繋いで歩いていく。

「アリシア、三歳の誕生日おめでとう」

「アリシアちゃん、おめでとう」

「「「アリー、おめでとう」」」

「ありがとうございます」


「さあ、席について」

「今日は、アリシアの好物を作ったから沢山食べなさい」

「はい、ありがとうございます」

テーブルの上には、料理が沢山並んでいる。

ローストビーフ、オムレツ、アクアパッツァ、ソーセージの盛り合わせ、チーズの盛り合わせ、肉巻き、マリネ、サラダ、スープ。

これは、三歳向けの料理でいいのだろうか。

食べたい物を選ぶとキャサリンが取り分けて、小さくカットしてお皿にきれいに盛り付けてくれる。

まだ、ナイフとフォークが上手に使えないからね。


「アリシア、どうだ、美味しいか」

「はい、とっても美味しいです」

「そうか、そうか」

「今日は、なにをしていたのかな」

「カレンとお庭をお散歩して、絵本を読んで、お昼寝をしました」

「庭は、花が咲いてきれいだっただろう」

「はい、とてもきれいでした」

「絵本も読んだのか偉いな」

「今度、僕が読んであげる」

「僕も」

「私も」


貴族の食事は、あまり会話をせずに、もくもくと食べているらしいが、我が家では、一日の報告をしながら楽しく食事をすることにしている。

沢山会話すれば、家族の繋がりも深くなるから。


「アリシアは、明日はなにをするのかな」

「騎士様は、いるんですか」

「ああ、うちは辺境伯だからな。多くの騎士がいるぞ」

「では、騎士様の訓練を見たいです」

「なんで見たいのかな。アリシアが見ても面白くないと思うぞ」

「かっこういいから」

「騎士は、恰好いいのか」

「そうなの。かっこういいの」

「アリー、僕も剣の訓練をしているんだぞ。僕を見においでよ」

「はい、アイク兄さまを見たいです」

「アリシア、父様も訓練しているから、父様も見て行きなさい」

「はい、たのしみです」


「エレノア姉さまも訓練しているの」

「私は、しないわ」

「どうして」

「私は、女の子だから」

「どうして、女の子はしないの」

「女の子は、危ないことはしないの」

「悪い人がきたら、どうするの」

「護衛がいるから大丈夫なの」

「その人がいないときは、どうするの」

「えっ」

「ずっと、一緒にいるの」

「ずっとではないわ」

「じゃあ、悪い人につかまっちゃうね」

「・・・・」

「アリシア、悪い人は来ないから大丈夫だよ」

「でも、お母さまが悪い事をする人がいるって言ってました」

「そうだな。お外には悪い人がいるかもしれない」

「でも、お家には悪い人がいないから安心していいんだぞ」

「じゃあ、ずっとお外には出られないの」

「いや、五歳を過ぎたら出られるかも・・・」


「私も剣の練習をするわ」

「悪い人に捕まりたくないもの」

「エレノア、女の子なんだし、剣は危ないよ」

「悪い人とどちらが危ないかしら」

「ふふ、あなたの負けね」

「エレノアちゃんは、護身術も習いましょうね」

「はい、お母さま」

「ヴィッキー・・・」

「あなた、女の子だからと何もしなければ、危険な時に逃げられませんよ」

「そうだが、怪我をしたら大変だぞ」

「怪我をしない為にも訓練ですわ」

「あー、分かった。その代わり充分気をつけるんだぞ」

「はい」

よかった。上手く誘導できた。

これで、私が訓練したいと言い出しても何の問題もないね。


食事が終わったら、みんなでサロンに移動した。

「さあ、アリシア、お待ちかねのプレゼントだぞ」

「わぁー、楽しみです」

「最初は、長男である僕から、髪飾りのプレゼント」

「ありがとう」

「次は、私ね。髪に付けるリボンよ」

「ありがとう」

「僕はねぇ。ハンカチ」

「ありがとう」

「お母様からは、ぬいぐるみ」

「ありがとうございます」

「父様からは、鉛筆だ。そろそろ、お絵描きや文字を書いてもいいだろう」

「ありがとうございます」

「大切に使います」

「キャサリン、部屋に運んでくれる」

「承知いたしました」

「たんじょうびがとっても楽しい日になりました」

「ありがとうございます」


「アリシアは、きちんとお礼が言えて偉いぞ」

「はい」

「じゃあ、もう遅いから寝なさい」

「「「「はーい、おやすみなさい」」」」


覚醒した日に、こんなにお祝いしてもらえるなんて、嬉しすぎ。

92歳じゃ、ここまでお祝いしてくれないからね。


そうだ。女神マリー様から返事はきているかな。

無限収納を確認してみる。

『レターボックス』の表示がある。

取り出してみると、木製で蓋には綺麗な花の模様が彫刻されている。

蓋が開かないように、フックが付いている。

蓋を開けると、一通の手紙があった。


アリシアへ

無事に覚醒してなりよりです。

覚醒したその日に会いに来てくれて、嬉しかったし安心しました。

全属性については、隠ぺいしなくてもいいと思っています。

隠して後日バレてしまうほうが問題です。

魔力・体力の無限についても同じです。

基本的に自分のステータスは他人に見せないし知らせる必要はないです。

どうしても、心配ならば五歳になったときに、両親と相談してください。

魔法をいくつか隠ぺいしているようですが、これは隠ぺいしても大丈夫です。

大人になってから、隠ぺいを外しても問題ないでしょう。


体力の無いことを心配しているようでしたが、まだ幼児の身体であること覚醒が馴染んでいないこともあります。

魔法やスキルは、持っているだけでは使いこなせません。

魔法もすぐに使えますが、練習をしなければレベルは上がりません。

スキルも同じで、練習をすればレベルが上がります。

持っていない人よりも早く上手になりレベルも上がりやすいということです。


家族も皆さま優しい方で安心しました。

こちらも、アリシアの希望がかなってよかったと思います。


また、質問があればお手紙をください。


レターボックスのフックに、少しだけ魔力を流してください。

そうすると、アリシア以外は開けることが出来なくなります。

また、登録者がアリシアとなり、盗まれても手元に戻ってくるようにしてあります。


手紙は、このボックスにいれて保管するといいでしょう。

ボックスは、部屋に置いても無限収納に入れても大丈夫です。

隠ぺい魔法をかけていますから、部屋に置いても気がつかれません。

お手紙が届いたときは、頭の中で『ピコン♪』となりますので、すぐに気がつきます。


では、異世界を楽しんでください。

女神マリーより


良かったあ。とりあえず、ステータスはこのままでいよう。

忘れずに、ボックスのフックに魔力を流そう。


ボックスのお礼と神様について聞いてみよう。


女神マリー様

お返事と可愛らしいレターボックスをありがとうございます。

ステータスのことが聞けて安心しました。


家族から三歳の誕生日をお祝いしてもらえました。

食事も好きな物を沢山作ってくれて、家族全員からプレゼントも貰えました。

優しい家族の元に来させていただいて感謝しております。


今日、礼拝堂に行ったら、神像が一体しかありませんでした。

たぶん、創造神様だと思うのですが、他の神様たちの像はありませんでした。

人々は、神様たちのことは知らないのでしょうか。

知っていたとしたら、なぜ、神像がなかったのでしょうか。

それから、神様たちは何人いらっしゃいますか。


ご返事は、急ぎませんので、お時間のある時にお願いします。


アリシアより


これで、いいか。

レターボックスに手紙を入れて、無限収納に入れる。


筋肉をつけるためにも、軽くストレッチをしてから寝よう。

スクワットを5回。

お終い。

まだ、一日目だし、寝る前なのでこれでいいのだ。


そうだ。日記をつけよう。

ノートはあるかな。

机の引き出しを探すと、ノート発見。

まだ、三歳だというのに、レターセットやノートまで準備しているとは、恐ろしや。


アリゼア王国歴1964年5月5日 三歳

今日は、三歳の誕生日。

覚醒した日でもある。・・・・・


朝、覚醒した時から寝るまでの間のことを書いた。

今日は、特別な日だからね。

三日坊主にならないよう頑張ろう。


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