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第1話 女神様と面談

「あれ、ここは、どこ」

広い講堂のような場所に大勢の人が並んでいる。

はて、さっきまで自宅の部屋で寛いでいたと思ったが、違ったのだろうか。

個人面談のように、机を挟み向かい合い担当者と話しをしているようだ。

担当者は20名ほどいる。

それぞれ机の脇には、番号札が立っている。

いよいよ、自分の番になった。

「次、15番へ行きなさい」

「はい」

どうやら、私は15番の机に行けばいいらしい。


「こんにちは」

「はい、こんにちは。どうぞ、座ってください」

「ここがどこだか分かりますか」

「いえ、分かりません」

「あなたは、お亡くなりになりました」

「ここでは、次のステップの案内をしています」

「はい???」

「分かりませんか。あなたは既に亡くなっているのですよ」

「えっ、いつでしょうか。さっきまで自宅にいたはずなんですが」

「ええ、自宅で亡くなられましたから。寿命ですね」

「92歳で大往生だったと思いますよ」

「ああ、まあ、そうなりますよね」


「説明を続けますね」

「あなたは、徳を積んだポイントが高いので、異世界に転生することが出来ます」

「異世界を選ばずに輪廻の輪に進むことも出来ます」

「ただ、輪廻の輪に行きますと、生まれ変わるのが何時になるかは分かりません」

「異世界を選べば、すぐに転生出来ます」

「異世界は幾つもあり、自分の好きな世界に転生出来ます」

「その世界で生きている限り転生者は一人となります」

「異世界の種類は沢山あり、魔法がある世界、今の地球以上に科学が発展した世界、東洋文化の世界、獣人だけの世界と様々です」

「あなたの希望する内容に全て当てはまるかは分かりませんが、なるべく希望に合う世界を紹介します」

「えっと、質問なんですが、地球で亡くなった人は全てここに来るのですか」

「いいえ、違います。この人数では全ての人に対応出来ません」

「予め選定しています」

「まず、弾かれるのは、罪を犯した人です」

「殺人など重罪を犯した人は、もれなく魂を抹消されます」

嘘、怖い。

「今、怖いと思われましたね」

「えっ、どうして」

「ここでは口に出さなくても、考えていることが分かるのですよ」

「え~、そんなぁ」

「大丈夫です。考えたくらいでは何もありませんので」

「続けますね。軽犯罪でしたら、輪廻の輪行きですね。転生を選べません。それに長い長い輪廻の時間になります」

「それから、徳のポイントが75点以下の人も輪廻の輪行きです。こちらは、通常の輪廻です」

「なぜ、ポイントで分けるかですが、誰でも異世界に行けてしまうとその世界に悪影響があるからです」

「点数が低い人は徳を積んでいないので、悪さをする可能性が高いのです」

「折角、大切に育てている世界を壊したくはありませんから、徳の高い人だけが選ばれるのは当然です」

「徳が高い人は、転生先で悪さはしないと」

「いえ、全ての人がそうだとは思ってはいません。なかには、異世界に行ったことで良心のタガが外れて羽目を外す人もいますから」

「あー、まあ、分かるような気もします」

「そこは納得しないでください。あまりにも悪い事をする人には強制的に寿命を終わらせますから」

「えー、怖いんですけれど」

「それは、仕方ありません。現地の人よりも知識もあり良い条件で送り出すのに、その世界で反乱を起こされては困ります」

「そうですね。それも分かります」

「ですから、転生する人には十分な説明をするのです」


「前置きが長くなりましたが、あなたの希望する世界を教えてください」

「そうですね。折角ならば魔法を使ってみたいです」

「では、第一希望が魔法のある世界ですね」

「次に、種族はどうですか。人族だけ、他種族もいる世界」

「他種族とは、どのような人がいるのですか」

「主な種族でいえば、エルフ族、ドワーフ族、獣人族でしょうか」

「その三種族ならば、見てみたいです」

「時代背景はどうしますか。近未来、現在と同等は無いので、明治時代、江戸時代、原始時代とありますが」

「今の時代と同等はないのですか」

「そうなんです。過去系か未来系のどちらかになります」

「それでは、明治時代で」

「戦争がある世界と平和な世界ではどちらが」

「もちろん、平和な世界です」

「完全に平和な世界はないんです。どこかの国では争っているところもあります。全体的には平和な世界という感じになります」

「そうですか。残念ですが、それでいいです」

「種族は、何がいいですか」

「割合はどうなっていますか」

「人族が多いですね」

「では、人族で」

「男性、女性ではどちらに」

「女性で」

「容姿はどうしますか」

「容姿の感性は、地球と同じですか。美人とか美しい物の評価は同じですか。小説では感性が逆転なんてことがありますから」

「それは、どちらも選べます」

「地球と同じ感性で、容姿は上の中くらいで。あっ、容姿の判断はどんな感じですか」

「同じだと思います。上・中・下とあり、そこからまた、上中下と分かれたりもします」

「では、上の中だと、綺麗な人になりますか」

「はい、そうなります」

「では、上の中にします」

「身体はどんな感じにしますか」

「随分と具体的なんですね」

「ええ、以前はもっと大雑把だったのですが、クレームが入ることが多くてなるべく細かく聞くことになったのです」

「ハハ、そうなんですね」

「その世界の平均的な体格はどんな感じですか」

「男性は、ガタイの良いマッチョ、細いマッチョ、か細い人ですね。女性では、ナイスボディと普通、細身などでしょうか」

「普通は、極端に胸やお尻が大きくないでいいでしょうか」

「そうですね。適正な持ちものになります」

「それは、地球と同じ、いや、日本人の感覚でいいですか。海外だとナイスボディが好まれたりしますが」

「日本人感覚で間違いないです」

「それは、魅力が無いとか判断されませんか」

「まあ、男性のなかにはそう思う人がいるかも知れませんが、概ねの人には好意的に見られます」

「地球でもそうですが、好みのタイプは人それぞれですから、ふくよかな人が好み、細い人が好み、背の低い人が好みなど色々です」

「では、体格、身長、体重などは平均で」

「家族構成に希望はありますか」

「両親がいて、兄、姉がいるといいです。後は、両親、兄弟とも仲が良いといいです」

「貴族と平民では」

「どちらがお勧めですか」

「一長一短には決められませんが、縛りがある貴族か縛りの無い平民かですね。まあ、身分制度はありますので、縛りがあっても貴族の方が安心かもしれません」

「では、貴族で。ただ、王族はいやです」


「では、行く世界も決まり、容姿・家族も決まりました」

「後は、異世界転生得点ですね」

「魔力と体力は無限です。なぜならば、科学の進んだ地球であまり運動をしなくなった人には厳しいですから」

「魔法は全属性、風・火・土・水・氷・雷・光・闇です」

「光魔法はどんな魔法ですか。あと、闇魔法は嫌われているのではありませんか」

「光魔法は、字のままで明るくする魔法です。ライトビームなんかも使えますよ。地球の方は勘違いされている人もいますが、闇魔法は嫌われてはいません。これも字のままで闇に潜んだり隠れたりするだけですから」

「悪魔的な意味などもありません」

「よかった。それで嫌われることはないのですね」

「ありませんので、安心してください」

「あっ、容姿ですが、両親または祖父母の範囲で似ているほうがいいです。黒目黒髪の人はいるんですか」

「そうですね。東洋的な国に居ますが、今決めている国や家族は違います。ですので、髪も瞳の色も近親者に似ると思います」

「そうですか。良かった。一人だけ違うと問題ありますから。一番いいのは両親のどちらか、または、両方の良いとこどりですかね」

「ええ、その方がトラブルもありませんから、そうなるように設定しますよ」

「小説の読みすぎでしたか」

「はい、そうなりますね」


「話しを戻します。ここで徳のポイントですが、このポイントで魔法やスキルを選べる数が違ってきます」

「あなたは、徳が高いので9つ貰えます」

「えっ、そんなにですか。私、そんなに徳を積んだかなぁ」

「特別なことをしていなくても、人を傷つけない争わないだけでも違うのです」

「へぇー、そうなんですね」

「では、治癒や浄化できる魔法かスキルがいいです」

「それは、聖魔法になりますね」

「自分にも相手にも使えますか」

「はい、もちろんです」

「あっ、聖魔法が使えると教会に連れて行かれたりしませんか」

「自ら行かない限り大丈夫です。昔は強制的に連行した時期もありましたが、高位貴族から強い反発があり、今では本人の希望や両親の希望を聞くようにしています」

「次は、結界魔法です。これも自分や相手にも使えるといいです」

「はい、問題ありません」

「万能スキルとか創造魔法とかは有りですか」

「それは、自分でスキルを生み出すということで合っていますか」

「そうです」

「ある程度は制限しますが、概ね大丈夫です。要は悪いことに使わなければいいのです」

「曖昧ですね」

「そうですねぇ。たとえば、世界を滅ぼすような魔法を造るとか神様の領域に手を出すとか」

「ええ、そんな事はしません」

「まあ、そうですよね。徳の高い方ですから」

「では、どちらもあまり変わりませんので、創造魔法にしましょう」

「これでしたら、希望する内容になって自動で魔法やスキルになりますから」

「あー、良かった」

「では、四つ目は空間魔法です。イメージは亜空間に時間停止の無制限収納とか自分や他人も入れる亜空間、そこには家もあり生活できるようにしたいです。それから転移も出来るといいです」

「ふむ、無制限収納は問題なく出来るはずです。ただ、生活の出来る亜空間ですとしっかりとイメージをしないと難しいかもしれません」

「まあ、地球では色々な小説やアニメなどがありましたから、あなたならばイメージは簡単に出来るかも知れません」

「後は、そうですねぇ。薬やポーションを作ったり、錬金術なようなもので何かを作ったり、付与もしたいです」

「そうなりますと、薬師、錬金術師、付与魔法の三つになりますね」

「そっか。それだと、今ではなくて転生してから創造魔法で作るのとどちらがいいですか」

「どれも後からでも出来ますが、薬師と錬金術師はスキルとして持っていたほうがいいと思います」

「それは何がちがうのでしょう」

「それほどの違いはないですが、強いて言えば身体に馴染みやすいかどうかです」

「生まれた後からでは、スキルを自分の物にするのに多少時間がかかることでしょうか」

「なるほど。身体ですが健康な身体で精神耐性や毒耐性、呪い耐性または無効などは付けられますか」

「あと、記憶力が良いとか運動神経が良いとか」

「ハハ、随分と面白いことを要求されるのですね」

「そうですか。小説では魅了とか暗示とか、毒を盛られるとか呪いを掛けられるなどが良くありますから」

「それから、今までと同じ運動神経ではとてもついて行ける気がしませんし、人の名前や顔を覚えるのは苦手です」

「あー、それから文字の読み書きや言葉はどうなっていますか」

「一から覚えるのですか」

「私としては、一から覚えるのも良い事だと思いますが、今からまた始めるのは酷ですよね」

「いいでしょう。それらも全て転生得点で付けましょう」

「ありがとうございます」

「残りは、あと三つですね」

「しつこいようですが、耐性スキルに魔法封じや魔力封じ、転移封じ、魔方陣無効も付けられますか」

「随分用心深いですね。いいでしょう」

「何かお勧めはありますか」

「うーん、武術ですかね。剣術や体術が早く習得出来ますからいいと思いますよ」

「女性にも必要ですか」

「貴族社会、男社会なところは、まだまだありますから、自分の身を守る為にもあると安心だと思います」

「なるほど。では、その体術をお願いします」

「身を守るといえば、気配遮断や気配察知もお勧めです。後から作れる魔法ですから転生したら、すぐに作ってみるといいでしょう」

「えー、そんなに物騒な世界なんですか」

「容姿端麗な子供は誘拐されやすいですし、無理に婚姻関係にされることも考えられますからね」

「大人になれば、しっかり対応できるはずですが、子供の頃は油断もしますし大人相手に戦うのも難しいでしょう」

「分かりました。覚えておきます」

「次は、社交性がいいかなと思っています」

「どちらかといえば、コミ症で会話も得意では無かったですし、家にいることが好きでしたから」

「分かりました。社交性があれば会話も交渉もスムーズに出来ます」

「最後は、植物魔法です。好きな植物や欲しい植物を上手に育てられたり、生み出したり出来るといいです」

「たとえば、手元になくてもイメージや図鑑などから植物が生み出せるとか地球産の果物の苗木を出せるとかが理想です」

「なるほど、変わった魔法ですね。いいでしょう。この世界と地球の植物が載っている図鑑も作りましょう」

「亜空間に入れておきますから、イメージすれば取り出せるようにしておきます」


「では、全てが決まりましたね。今の記憶もそのまま引き継ぎますので安心してください」

「記憶が覚醒するのは、三歳の誕生日となります。さすがに赤ん坊からだときついでしょうから」

「まあ、そうですね。おむつや母乳は嫌ですね」

「特に気をつけることはありますか」

「全て説明したと思いますが、心配でしたら、教会に来ていただいてお祈りをすれば質問に答えられます」

「私の名前は、マリーです。お祈りの時に名前を呼んで貰えれば会えるはずです」

「本当ですか。普通ここで『ハイ、さよなら』ではないんですか」

「ええ、これもクレームがありましてね。一時面接しただけで、全てを決められて後からの相談が出来ないのは厳しいと言われまして改善したのです」

「そうなんですか。そうなるとマリー様は女神様になるのですか」

「そうです。大勢いる女神の一人となります。ここで話しを聞いている人は皆女神なのです」

「私たちの上に創造神様と神様がいらっしゃるのです」

「へぇー、神様は役割があるのですか、たとえば、武術の神様とか豊穣の神様とかに分かれているのですか」

「そうです。私たち女神は神様の助手もしています」

「ええ、大変じゃないですか。こうやって、面接もして後からの相談にも乗って助手もですか」

「そうですが、女神も沢山いますので交代出来ますから、それほどでもないんです」

「女神様もお身体には気をつけてくださいね」

「ふふ、ありがとうございます。女神を心配してくれるなんて初めてですよ」

「だって、大変そうですから」


「では、そろそろ時間ですから下界に行きますよ」

「はい、色々とありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いいたします」

「ええ、あなたの幸せを願っています」


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