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入学 04

「……今年度も最初のテストが終わったわね。」

「そうだね。まあ、僕らはアルストロメリア残留確定だろうけど」

「……1年生からアルストロメリアは出るかしら?」

「今年はシリル第3王子がいらっしゃるからね。彼だけかな。アルストロメリアに来るのは。」

「アデルの言う通りさ。王族以外に1年でここに入れるやつはいない。過去何百年の歴史でもありえないことだ」

「まあ、もしそんなことがあったら、真っ先に落ちるのはリヒトだと思うけれども」

「……」

「まあまあ、そんなに気を落とさないで。第3王子様の席はすでに空いているし、これ以上メンバーが変わることはないのだから。」


夕日の差し込む窓辺。4階アルストロメリアの専用部屋で優雅に紅茶を飲みながら、2年生のアデル、ソニア、リヒトは校門へ向かう1年生を眺めていた。





テスト日の翌日。

私はテスト結果への不安を抱えながら、馬車に乗り込んだ。

さすが王都中の貴族が通う名門校なだけあり、先生陣も優秀で、次の日には結果が発表されるとのことだった。

話によれば、朝にはクラスの廊下に張り出されているらしく、どんどん早くなっていく心臓を抑えながら教室へ向かう。


1年生の教室は1階にあり、2年生は2階、3年生は3階と順に上がっていく学園構造のため、校門をくぐったあたりからもう心臓は爆発しそうだった。


校内に入った途端、周りがやけにざわざわとし始めた。なんだかちょっとしたパニックのようになっているような……。

しかも全ての視線は私へと注がれている。


「えっ、どういうこと……?」

「なにが起きてるんだ……?」


口々にそう囁いているのが聞こえ、頭の中で色々な可能性を考えてみるが、何もわからなかった。

とりあえず、自分のクラスの前まで行こうと歩き出すと、急に女の子が目の前に立ちはだかった。


「あんた、不正なんてして恥ずかしくないわけ?」

「……え、あの……」

「だから、不正してアルストロメリアになって恥ずかしくないわけって聞いてるの!」


???

どういうことなのだろう。

私がアルストロメリア?

クラス最下位とかではなく??


「す、すみません、一旦通してください……!」

「あっ、セシル!ちょうどよかった、探してたの!こっち来て!」


ポピーちゃんの声がして、少しホッとする。

ぐいぐいと引っ張ってくれるポピーちゃんの助けもあり、無事クラスの前までたどり着くと、テスト結果の張り紙が見えた。


「これ、一体どういうことなんだろうね、セシル」


5位 ポピー・キャメロン

4位 ユリウス・ノード

3位 ロメオ・ブラック

2位 シリル第3王子 アルストロメリア合格

……

1位……セシル・アヴェーヌ アルストロメリア合格


……一体何が何だか分からなかった。

私が、クラスで1位で、それは本当に本当に嬉しいことだ。

だけどアルストロメリアに……合格?


「おい」

そう声をかけられ振り向くと、シリル第3王子が立っていた。


「一体何したんだよ?1年生でアルストロメリアは俺だけのはずだったのに」

「すみません、それが私にも分からなくて……」

「は?まあ、いいよ、それよりも早く行くぞ」

「行くってどこに……?」

「お前昨日のマートン先生の話聞いてなかったのかよ。アルストロメリアに選ばれた生徒は今日1限目は4階のアルストロメリア専用の部屋に行くんだ」


そういえばそんなことを言っていたようないないような……

「どうせ、シリル第3王子にしか関係ないのにね」

っとコソっとポピーちゃんに言われた気がする。


「のろのろするな、置いてくぞ」

そう言い、スタスタと歩いていくシリル第3王子に私はとりあえずついていった。


「……ここだな。アルストロメリアの専用の部屋は。」


3階までは普通の生徒も出入りするからか、活気に溢れた学園の雰囲気だが、4階はなんというか……まるで洗練された王室のようだった。

きらびやかな装飾、あまりにも広すぎる廊下、あちこちに光るシャンデリアに深紅のレッドカーペット。


ガチャ、となんの遠慮もなく入る第3王子に続いて、私も恐る恐る部屋に足を踏み入れた。


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