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魔法特訓 04

セシルが学校裏の山を消した次の日。

アルストロメリアの2年生組3人でお昼ご飯にしようということになった。

3年は実習で忙しく、1年も今日は外でのフィールドワークらしい。


「……それで、セシルちゃんのことだけど……。

まさかとは思うけど消えてるあそこの山、全部セシルちゃんがやったんじゃないわよね??王宮魔術師10人くらい連れて行ったのよね??」

「その……そのまさかなんだが……。」

「セシルちゃんが全部1人で吹き飛ばしたらしいよ、ソニア」

「私、本格的にセシルちゃんに魔力コントロール教えなきゃいけない気がしてきたわ」

「まあ、そこについてはきっともう大丈夫だ。自分の魔力量を知覚したからな、後は感覚でコントロールできそうだ」

「それならそれで良かったけど……。そもそも水魔法や風魔法であんな山1つ消せるものなのかしら?」

「うん?ソニア、何言ってるんだい。セシルちゃんが使うのは草魔法や氷魔法でしょ?」

「……。2人とも何を言っている??セシルが使うのは炎魔法と雷魔法だろ?」


「うーんと、うん?」


「待って2人とも一度整理しよう。ソニアはセシルちゃんが水魔法と風魔法を使うのを見たんだよね?」

「ええ、そうよ。実際に魔法を繰り出す練習もしたわ。」

「それで、リオンも実際に炎魔法と雷魔法をセシルちゃんが使うのを見たと??」

「いや実際に見たのは炎魔法だけだ。魔力切れでそのほかの実践はやっていない。

だが、セシルは雷魔法も使えると言っていたのは事実だ」

「なるほど。で、僕はセシルちゃんが軽く氷魔法とがっつり草魔法を使っているのを見てる……」

「ねえ、これってもしかしなくても、セシルが少なくとも5種類以上の魔法が使えるってことじゃない?」

「俺も頭では馬鹿馬鹿しいことだと分かっているが、ちょうど同じ結論にたどりついたところだ」


「……。」


「一度、セシルちゃんに話を聞きましょう。今日は私の稽古の順番だけど、一度話したほうがいい気がするわ」

「……そうだな」

「そうしよっか」



◇◇◇



昨日あんなことがあったため、今日の放課後アルストロメリアの2年生3人にお茶会に誘われたときは、少しどぎまぎしてしまった。

今思い返してみれば、リオン様の膝枕も、アデル様の後ろからのハグも、いくら説明のためといっても普段男性との接触がない私には意識しないほうが難しい。



「すみません、お邪魔します……」

「セシルちゃん!待ってたわよ!どうぞ私の隣に座って。」


今日はいつもの会議テーブルではなく、少し奥の部屋でお茶会をしているらしく、奥のほうからソニア様の声が聞こえた。

アンティークの装飾が施された机を囲うように、ふかふかそうな2人掛けソファが4つ配置されていて、そのソファの1つにはプレゼントが山のように置かれていた。


「セシルちゃん、僕の隣でもいいよ?」

「アデルなんかより私のとなりのほうが落ち着くわよね?」

「……」

リオン様はなぜか無言でソファの左にいそいそ寄っている。


この3人から1人を選ぶような構図に、私は人生で一番苦渋の決断を迫られていた。

そのときふと、さっきのどぎまぎした感情が私を襲い、いそいそとソニア様の隣に座った。


「セシルちゃん……!!そうよね、同性のほうが何かと落ち着くわよね。

あとそうそう実はね、そこのプレゼント、全部セシルちゃんになの。あとで従者に言って運んでおいてもらうわね」


そう言われて驚いてプレゼントを見てみる。

これが……全て私へのプレゼント……??

あまりの多さに気が遠のいてしまいそうである。

高級そうな宝石や王都で流行りのぬいぐるみ全色セットに、どこから取り寄せたのか見当もつかない高級茶葉、私の身長くらいある花束たち……


「いいんですか?……その、私にこんな……」

「もちろん。セシルちゃんだからあげるのよ。3人各々で選んだものも入ってるわ。私からはずっと読みたいって言ってた隣国の古代の魔導書、アデルからはネックレス、リオンからはピアス。あとでゆっくり見てみてね」

「本当にお三方には感謝してもしきれないです……!本当にありがとうございます……!」


「セシルちゃんに似合うと思って買ったからね、つけてくれると嬉しいよ。」

「まあ……そう、だな。」


人生にはこんなに幸せな瞬間があるのだと、ずっとお屋敷に引きこもって本を読んでいた今までの私に教えてあげたかった。


「私もいつか皆様にご恩をお返しできるよう精一杯頑張ります……!」

「一緒に頑張りましょうね。」

「はい!」

「……それで、今日セシルちゃんをお茶会に誘った理由なんだけど……」

「はい」

「セシルちゃんってもしかして、5種類以上の魔法を使えたりするかしら?」


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