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魔法特訓 02

「まずはどこまで魔法が使えるか見てみたいわね。一度、手を前にして丸い水を念じて作ってみて」

「こ、こうでしょうか?」


私の手から水が生成され、丸く形成されているのがわかる。


「そうそう、そんな感じ。その形状を崩さず、どんどん大きくしていって。」


念じ続けるとどんどん水の塊は大きくなるが、大きくなればなるほど、形はいびつになり、最終的には破裂してしまった。


「そうね。今のセシルちゃんに足りないのは魔力のコントロールね。魔力を大きくすればするほど、コントロールは難しくなっていくものなの。まずは自分の身長くらいの水球を、綺麗な円で保てるようにしましょう」

「はい!」


その後も魔力コントロールの訓練を続けたが、自分の顔より大きくなると、どうしても水球がいびつになってしまった。


「おうちでも簡単に出来るトレーニングだから暇なとき続けてみてね」

「わかりました!」


こうして、ソニア様との第一回魔法訓練は終了した。



◇◇◇




次の日の放課後。

昨日と同じ場所に、アデル様と立っていた。


「僕の魔法は草と氷。どちらも相手を捕縛するのに向いていてね、僕好みなんだ」

「へ、へえ……そうなんですね!」

「セシルちゃんも草と氷だよね?これからきっとどんどん良さに気づいていくよ……」

なんだかとっても気づきたくない気がする。俄然不安だ。


「じゃあまずは、場所を移動しようか」

「え???」


手を引かれて着いたのは、学園の隅の花壇に囲まれたお花畑である。


「ここはね僕の秘密の場所なんだ。人もあまり来ないし、とっても居心地がよくて」

「確かに、風が爽やかで、静かでとても良いところですね」

「そう。ここでセシルちゃんには、植物を育ててもらうよ。そこの花壇は僕の花壇なんだ。一番左の芽吹き始めた子で頑張ってみよう。僕が言うことに従って魔法を使ってね」

「は、はい……!」

「じゃあまず、葉っぱを4枚つけてみようか」


これぐらいかな……?と念じながら手を向ければ、葉っぱ4枚どころかお花が咲いてしまった。

「セシルちゃん?」

「……はい……」

「じゃあ次はこの子。お花を1つ咲かせてみようか」

「こうですかね……っ」

ぐっと力を入れて念じると、なんだかグングンと成長していき、お花どころか壁全体にツタのように這いつつ、実まで熟れていた。


「……うーん、これは……なるほど……」

やっぱり私には才能がないのかもしれない。

敬愛する先輩方を、このままでは失望させてしまう。

そう不安になって顔をあげると、アデル様と目が合って、にっこり微笑まれた。


「……いつもセシルちゃんは魔法をどうやって使ってる?」

「えっと、なってほしいイメージを持ちながらグッと念じる感じです。」

「……なるほど。最終的に望む形をイメージするのはとても大切だね。

ただ、それだけじゃコントロールはちょっと難しい。

魔法は、身体の魔力、エネルギーを様々な力に変換するんだ。まずは、自分の魔力を体内に感じて、それを流す感覚を覚えて、少しずつ流す量や形を調整していく。

ほら、ここにジョウロがあるでしょ?この中の水が魔力量、そしてこの蛇口が魔法への変換だとして……セシルちゃん、持ってみて。」

「……はい」

「そうそう、そうしたらこうやって……」


そう言いながらアデル様は後ろから抱きしめるような形で説明しはじめる。

ジョウロを持つ右手と、アデル様の細くて長い指が重なる。


「この水の半分をお花にあげてみて。」

「こんな感じですか?」

「そうだね。今セシルちゃんはどうやって半分だって判断した?」

「えっとそれは……ジョウロの重さや視覚情報です」

「うんうん。ジョウロの水の全体量を把握して、そこから半分と思うお水をお花にあげて、それでジョウロの半分の水で花壇の半分を濡らすことが出来ると分かった。」

「それを自分の魔力でやってみてほしいな。」


いつの間にかアデル様は完璧に後ろから抱きついていた。

近すぎる……と心臓がバクバクするも、真剣な講義中なのでツッコミをしないでおく。


「まずは自分の魔力を知覚するために、自分の魔力と仲良くなること。

自分が全力で魔力を使うと、どのくらいの威力なのか、それをもとにじゃあ全体の半分くらいではどのような結果になるのか、さらにその半分では?」


「そうして自分の魔力を知覚できるようになって、流す量を調節できるようになって、最終的には葉っぱを4枚咲かせるなら自分の力の何割で出来るかわかるようになる」

「ほら、こんな感じ」


そう言うと、アデル様は芽吹き始めの全ての植物の葉っぱを4枚にしてみせた。


「これはすぐに出来るわけじゃない。だけど、魔法を使う上で一番大切で一番の基礎だ」

「……すごいです」


この学校に来てから、アルストロメリアの皆様には驚かされてばかりだけれども、今日は本当の本当に心から尊敬の念がたえない。きっと血のにじむような努力が必要だ。


「明日、リオンとだよね?練習」

「はい、そうです」

「じゃあさ、一度自分の魔力量を魔法として把握しておいで」

「えっとそれは……つまりその……」

「魔力量をすべて出し切ってみてっていうこと。もちろん、魔力を全て使えば直後に気絶してしまうのは知ってる。だからリオンに見ててもらうんだ。彼なら怪我なんて負わないしね」

「わかりました」



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