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金縛り
寝過ぎたためか、昼間に目が覚めた。
目は開いているし、意識もハッキリしているのに、体が動かない。
(くそっ。仰向けの状態から寝返りすることすら出来ない。)
天井が見える。眼鏡を外した状態だからぼんやりとしか見えない。それに、目を動かして視点を変えることができない。
(動け!動け!動け!)
意識を手足に集中する。金縛りは初めてのことではない。今までも幾度か経験しているから、その解除方法は分かっている。どこか、一箇所でも動きさえすれば、全身が一度に動くようになるのだ。
(右手よ・・・動け・・・)
手の方が、足の先端よりも先に動けるような気がした。だから、一番集中して、なんとか早く動けるようにしたかった。
(なんか・・・息が・・・苦しいなあ)
なんか空気が悪い気がする。それは、狭い空間に閉じ込められたように。
(てか、この天井はどこだ?)
さっきから、ぼんやりと視界に入る天井だが、なんだか自分の家とは違うような気がしてきた。
(俺・・・どこにいるんだ?)
意識を巡らせて、状況を理解しようと考えていた、ちょうどその時。突然、知らない誰かの声がした。
「これより点火するため、棺の蓋を閉めさせていただきます。」
読んでいただき、ありがとうございました。




