もみじされる
幼稚園の行事で紅葉狩りに行った時のことである。私と息子が一緒にいると、先生と一緒に手を繋いでいる子がいた。
「あ、N子ちゃんだ!」
息子はN子ちゃんと先生の元へ駆けていった。息子がN子ちゃんと一緒に話している時、先生は私にN子ちゃんとの事情を話してくれた。
「実は、保護者の方が参加されていなくて。それで私と一緒に歩いていて。」
「そうなんですね。もしよろしかったら、私たちがN子ちゃんと一緒に周りますよ。もし、N子ちゃんが良ければ。」
息子とN子ちゃんは友達らしく、家でもよく、息子の話しに出てくるから、名前は知っていた。息子も一緒に居たいだろうし、賑やかな方が楽しいだろうと思った。
「N子ちゃん、N男くんたちと一緒がいい?・・・そう。なら、ご一緒にお願いします。N子ちゃん、また後でね!」
N子ちゃんは無口な子らしい。俯いて、先生の話に、ただ頷いている。
「N子ちゃん、いこー!」
息子は、N子ちゃんの手を取って、一緒に歩いていった。
「N子ちゃん、見て、赤い色だけじゃなくて黄色いのもあるよ!」
「・・・ほんとだね。」
息子が落ち葉を拾ってN子ちゃんに見せるが、あまり興味がないようで、変わらず静かだった。
「どうしたの?N子ちゃん。元気ないの?」
「・・・うん。ちょっと。」
「何かあったの?」
「・・・あたし、もみじ嫌い。」
「嫌い?」
「うん。・・・もみじされること思い出すから。」
「もみじされるって何?」
「されたことない?お母さんに。」
「え・・・知らないよ。」
「背中に・・・できるんだ・・・紅いもみじが。」




