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【1章完結】過去と未来を視ながら君を助ける  作者: 川島由嗣
1章 好きな子が死んでしまう!!
6/16

第6話 元凶と対面

数ある作品から本作品を見ていただき本当にありがとうございます。

初連載作品です。

よろしければ読んでいただければ幸いです。

「お嬢様。お帰りなさいませ。お出迎えできず申し訳ありません。」

「いいえ。問題ありません。ただいま戻りました。」

「ご学友の方々もようこそおいでくださいました。私、お嬢様の執事をしております柳と申します。」

 俺らを見て綺麗なお辞儀をする。合わせて俺らも頭を下げる。


「時見翔です。」

「新藤健吾です。」

「お嬢様がご学友をお連れしたのは初めてです。嬉しく思います。私の事は遠慮なく柳とお呼びください。」

 そう言いつつも、こちらをじっと観察している。警戒しているのだろう。工藤さんに提案をした直後に彼女が急に友人を連れてきたのだ。警戒をしないはずがない。


「我々をじっと見られているようですが、どこかでお会いしたでしょうか。」

「・・・・・いえ、失礼しました。お嬢様。ここではなんでしょうから客室にご案内いたします。」

「・・・・・そうね。そうしましょう。恵那、またね。」

「うん。ごめんなさい。ありがとうね、お姉ちゃん。時見さんに健吾さんも。」

 妹さんを除いた全員で部屋を出て、柳さんの案内で客室に移動する。部屋にあるソファに案内され、柳さんを除いた皆がそこに座った。


「では紅茶をお入れいたします。」

「ええ。お願いします。」

 柳さんは慣れた手つきで紅茶を入れ、紅茶と茶菓子を出してくれた。


「どうぞ・・・。あの、どうかされましたか?」

 柳さんが俺らに訪ねてくる。客室に入ってから全く喋らないことを不審に思ったのだろう。

「・・・・いえ。工藤さんから妹さんのお話は聞いていたのですが、ここまで体調が悪いとは思っていなくて。」

「・・・ああ。正直ショックだった。小さい頃恵那ちゃんとも遊んでいたから・・・。再会したとき・・・あんなにやつれているとは思わなかった。」

 健吾が辛そうに呟いた。工藤さんも辛そうに自身の手を握りしめている。


「ごめんなさい。恵那の気分転換になればと思ったのだけれど・・・。」

「お客様にこんなお話をするのは恐縮ですが、恵那お嬢様の調子はどんどん悪化しております。最近は食事もどんどん細くなっておりまして・・・」

「っ!!」

「工藤さん。」

 柳さんも辛そうな顔をしている。なんという役者だろう。工藤さんが怒りで暴走しそうになったので声をかけて遮る。彼女も気づいたのだろう。慌てて深呼吸をした。


「お嬢様。どうかされましたか?」

「いいえ・・・。ちょっと感情的になってしまったの。気にしないで。」

「・・・・・そうですか。」

 柳さんもそれ以上は聞いてこなかった。工藤さんは覚悟を決めたようで俺を見てきた。俺も頷き返す。それを見て彼女は柳さんの方を向いて口を開いた。


「柳。お父様と護衛の方々を呼んできてくれる?」

「?突然どうされたのですか?」

「お父様に話は通してあります。お願いします。」

「・・・・承知しました。」

 柳さんが一礼して部屋を出ていく。俺がお願いした2つのうちのもう1つのお願いだ。工藤さんのお父さんをこの時間にいてもらうようにお願いしたのだ。工藤さんはあくまで工藤家の娘だ。執事やメイドの裁量権はない。工藤さんのお父さんに話を通さなければ意味がないのだ。工藤さんが心配そうにこちらを見た。


「大丈夫・・・よね?」

「そこは信じてくれとしか言えない。」

 ここからが本番だ。間違いは許されない。待っているとやがて、2名の護衛らしき人物と柳さん、そして恰幅のいい男性が入ってきた。


「待たせたね。詩織。」

「いいえ。お忙しいところごめんなさい。お父様。」

「新藤君も久しぶりだね。そしてもう一人は・・・。」

 俺らは立ち上がり、男性に向かってお辞儀をする。


「初めまして私は時見翔と申します。急で恐縮ですが、今回私も同席させていただくことなりました。」

「ふむ・・・。私も話があると聞いていないから詩織がいいというのなら構わないが。」

 俺は工藤さんのお父さんの『履歴書』を取得する。この人が工藤雄二。日本有数の大企業の社長であり、かなりの権力の持ち主だ。こちらに向ける視線が鋭い。思っていた以上に圧力がある。正直に言えば逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。だが逃げるわけはいかない。工藤さんのお父さんが工藤さんの隣に座ったところで、工藤さんが口を開いた。


「話を始める前に、護衛の方は柳が何もできないように彼の両端に立ってください。」

「!!お嬢様?」

 柳さんの顔が強張る。何の話をするか察したのだろう。

「念のためです。理由はこれからお話します。」

 工藤さんのお父さんは俺から目を話し、柳さんと工藤さんを見比べていたが深いため息をついた。


「・・・・詩織のいうとおりにしなさい。柳も別に後ろ暗いことがないのなら問題ないだろう。」

「・・・・・承知しました。」

 柳さんは抵抗しなかった。すぐに柳さんの両端に護衛が立つ。工藤さんのお父さんが鋭い視線で隣に座る工藤さん見る。

「納得の説明をしてもらえるんだろうね。いくら詩織とはいえ、許されないこともある。」

「はい。お父様。説明させていただきます。」

 工藤さんが説明するために口を開いた。

読んでいただきありがとうございました。

他にも短編を投稿しておりますので、よろしければ読んでいただければ幸いです。

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