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【1章完結】過去と未来を視ながら君を助ける  作者: 川島由嗣
1章 好きな子が死んでしまう!!

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第14話 告白

数ある作品から本作品を見ていただき本当にありがとうございます。

初連載作品です。

よろしければ読んでいただければ幸いです。

 目を覚ますと知らない部屋のベッドの上で目を覚ました。

「ここは・・・自分の家ではないな。工藤さんの家か?」

 身体をおこして部屋を見渡す。豪華な部屋だ。立ち上がって身体の調子を確認する。多少だるさが残ってはいるが頭痛などはしない。外を見ると夕方だった。携帯を見て日時を確認する。


「うわ。3日経ってる。」

 工藤さんの前で倒れてから、学校を3日休んでいることだ。

「勝手に動き回るのはまずいよな・・・。」

 しょうがないので、のんびり待っていると、メイドさんがやってきた。事情を聞くと、病院に運ぶのではなく直接医者を呼びつけたらしい。さすが金持ち。原因不明ということで一旦安静にさせるということになったらしい。

 健吾と工藤さんに連絡しようとしたが、よくよく考えてみると工藤さんと連絡先を交換していなかった。仕方がないので、健吾に連絡しておいた。するとすぐ返信が返ってきた。ちょうど工藤さんと話していたらしく、すぐに来るとのこと。

 とりあえずうちの両親にも連絡した。健吾が連絡していてくれたらしく工藤さんの家にいたことは知っていたが、思いっきり説教された。まあ実質4日外泊していたから仕方ないだろう。親の説教が終わって電話をきった後、タイミングよく部屋の扉がノックされた。


「はい。起きています。どうぞ。」

「時見君・・・・?」

 恐る恐る部屋に工藤さんが入ってきたので手をあげて返す。すると緊張が解けたのか工藤さんが、瞳に涙を浮かべてこちらに飛び込んできた。慌てて受け止める。


「お、おい!!」

「よかった!!本当によかった!!ずっと目を覚まさなくて!!どうしようかと。」

「あー。本当に申し訳ない。」

「もう大丈夫?」

「ああ。もう問題ない。中々の修羅場をくぐったからな。疲れが一気にきたんだろう。多分。」

「お医者様も体に異常はないっておっしゃって。過労だろうと。」

「ああ。普通の高校生ではしない経験をしたからな。」

「私のせいで・・・。」

「それは違う。」

 工藤さんの目をしっかり見て首を振る。彼女が罪悪感に囚われる必要はない。


「え?」

「俺が自分の意志で工藤さんを手伝うと決めて手伝ったんだ。それを謝る必要はない。」

「だけど・・・。」

「それにまだ妹さんの体調は治っていないんだろ。」

「・・・・・うん。前のお医者さんが処方していたのが毒であることはわかったので、それをやめて今はちゃんとした薬を飲んでる。」

「ああ。ならこれで少しはましになるか。」

 それを聞いて安心した。難病自体であることは変わりないのだ。少しでも早く体力を戻してもらわないと危ないことには変わりない。


「あ~。そろそろ俺も話に入っていいか。」

「「!!」」

 いつの間にか部屋の中に健吾がいた。全く気がつかなかった。慌てて彼女から距離をとる。


「す、すまん。」

「いや、別に好き勝手いちゃついてくれて構わないが。俺が帰ってからにしてくれ。」

「いや。俺も今日は帰るぞ。」

「「え?」」

 2人が意外そうな顔でこちらを見る。あれ?俺なんか変なこと言ったかな?


「いや、これ以上お邪魔するわけにいかないし。」

「いいえ。お父様も改めてお礼を言いたいと話しているし。・・・恐らく警察からの取り調べもあるので・・・・。」

「あ。」

 考えてみれば、あの時はいったん返してもらっただけだった。眠っていたから聞きたくても聞けなかった状態が続いてはずだ。起きたと聞いたらすぐに取り調べに来るかもしれない。まだ組織の仲間である線も消えていないはずだ。


「そうか・・・。まあ明日にしてもらいたいけど。」

「そこはお父様が話をつけると思う。」

「そうか。手間をかけさせるな。」

「い・・・いえ。そんなこと。」

「だから、俺を放置するな。」

「「あ。」」

 いつの間にか健吾が近くに来ていて、頭にチョップされた。痛い。そして肩を組んで工藤さんに聞こえない程度の声で喋りだした。


「これで一旦彼女達は大丈夫なんだろ?」

「ああ。一時的かもしれないが一旦脅威はなくなった。」

「じゃあ、これから1時間くらいは視るのを控えろ。」

「え?なんで。」

「またぶっ倒れたくないだろ。後少しは平穏を噛み締めろ。普通の高校生らしくな。」

 健吾は笑う。だがその顔はなにか企んでいるようでニヤニヤしていた。でもまあ、確かに今回は使いすぎた。少しは休む必要があるだろう。


「・・・努力するよ。」

「言ったな。よし。じゃあ俺は帰るな。」

 健吾は俺から離れ、自分の鞄を手に取る。


「え、もうか?」

「お前の顔色を見に来ただけだからな。詩織が聞きたいことがあるって言っていたし。邪魔者は退散するよ。」

 そう言って健吾は鞄を持って部屋から出ていった。2人が残される。気まずくなり工藤さんに話しかけることにした。


「工藤さん?聞きたいことって?」

「えっとね・・・・。」

 もじもじと両手を前で動かす。だがやがて心を決めたのか顔を上げた。


「以前情報網を使うのは私と健吾だけって言っていたじゃない?あれの理由を教えてくれない?恵那のが解決したら教えてくれるって言っていたから。」

「!!」

 あの時健吾がニヤニヤしていた理由がわかった。恐らくここに来る前に健吾が吹き込んだのだろう。恥ずかしくて顔が赤くなるのを自覚する。


「ええと・・・・。言わないとだめ?」

「出来れば聞きたいな・・・。」

 潤んだ瞳でこちらを見る。これは言わないといけない。決意して口を開いた。


「それは・・・・工藤さんが・・・好きだからです。」

「!!」

 工藤さんの顔が赤くなる。ここで振られたら立ち直れない。慌てて言葉を付け足す。

「勿論、俺なんかじゃつり合わないのはわかってる。ただ好きでいることは許してほしい。」

 2人の間に沈黙が下りる。未来を視たい衝動にかられるが、ここでまた倒れるわけにもいかない。健吾にも釘を刺されたし。


「・・・・・ごめんなさい。」

「!!」

 体中から力が抜ける。やっぱりという思いと悔しさがごちゃ混ぜになる。自分にはやはり釣り合わないという思いと、届かなかったという思いが噴き出ていた。涙が出そうになるのを必死に堪える。それが伝わったのか、俺を見て工藤さんが慌てて手を振った。


「あ、違うの!!ごめんなさいというのは断ったわけじゃないの。」

「?」

 思わず首を傾げた。ごめんなさいというのが断りの意味ではなければいったい何なんだろう。


「あの・・・ね。気持ちはすごい嬉しいんだ。ただ私、人を好きになるってことがよくわからないの。近づいてくる人は大体が身体目当てか、家の資産目当てだったから。この身体だって自然にできているものじゃなくて毎日努力しているし、家の資産だって私のものじゃないのに。だから私の事を良く知らないのに告白してくる人達が信じられなくて・・・。」

「それは・・・そうかもね。」

 大企業の社長の娘としてのプレッシャーもあるだろう。振る舞いや成績などだけでなく、人付き合いも厳選するように求められているに違いない。


「だから教えてほしいの。どうして?」

「え?」

「どこで私を好きになったの?やっぱり見た目?」

 俺は力強く首を横に振った。見た目で驚いたのは事実だが、それは『婚約者』の件があったからだ。彼女を好きになった理由は別だ。


「ううん。断言するけどそれは違う。ただ好きになったきっかけは秘密にさせてほしい。俺の大切な思い出だから。でも学校で工藤さんを目で追うようになったら工藤さんについて色々な事が知れたんだ。笑顔が素敵とか他人に壁隔てなく親切にするところとか、言い出したらきりがないぐらい。気がついたらもう工藤さんの事がたまらなく好きになっていた。」

「そ・・そうなんだ。」

「う・・・うん。」

 工藤さんが恥ずかしそうに顔を赤らめる。だが俺も恥ずかしい。なんだこの青春漫画なような会話は。


「今は色々あって感情がぐちゃぐちゃだから・・・。恋人になることはできない。でも時見君の事をもっと知りたいって思いはあるんだ。だからお友達からでも・・・いい?」

「勿論!!友達になってくれるだけでも嬉しいよ。」

 クラスメイトから友人にランクアップしたのだ。それだけでも嬉しい。飛び跳ねたいのを必死に我慢する。心の中で健吾に感謝した。あいつの思うとおりの気がしてしゃくだが。


「良かった。これからもよろしくね。時見くん。」

「ああ。よろしく工藤さん。」

「詩織。」

「え?」

「友達にはそう呼んでもらっているから。そう呼んでほしいなって。」

 そう言っている工藤さんの顔は赤かった。かく言う俺も赤くなっているだろう。


「わかった。詩織・・・さん。なら・・・俺も翔と呼んでほしいって言ったらだめ・・・かな。」

「うん。翔・・・君。な、なんか恥ずかしいね。」

「そう・・・だね。」

 その後俺達は、メイドさんが呼びに来るまで顔を真っ赤にして固まっていたのだった。そのメイドさんに散々からかわれたのは言うまでもない。

読んでいただきありがとうございました。

他にも短編を投稿しておりますので、よろしければ読んでいただければ幸いです。

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