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まみむめも
「どうだ!これが俺の能力だ!」ポグラシアが俊樹に言った。
「あああああああああ、あ…あれ?特に何も変化はないな?」しかし俊樹は思いのほかダメージがないよう感じた。
「と…俊樹?大丈夫か?」
「あ、ああ特に大丈夫だな」
「フンッ、まだお前は気づいていない、俺の能力の真の恐ろしさをな…(でもコイツらの話を聞く感じ、あの二人のダメージの感じを見てるんだよな?)」
「そうかよ!それならその恐ろしさとやらを感じる前にお前を倒す!」
「おー!いい威勢だ!その調子だぞ〜」ポグラシアは俊樹をさらに煽った。
「貴様ァァァ!」俊樹は煽りにキレたのか冷静さを失っている。
サンッ!ザッッ!サンッ!ビュッン!ザッッッッン!
「おい俊樹!むやみに刀を振り回すな!体力を使うだけだぞ!」
「壮くんの言う通りだよ、俊樹くん、君は体力を使いすぎるとヤバいんだよ」
「そんなの知るか!お前を倒…せば…(な、何だ?力が全く入らない…)」ガタッ
「おお、よろめき膝を着いたな、俺の能力が発揮されている証拠だなぁ」
「うっ…(ヤバい!何とかしないと…そういやこっちにはヒーラーがいたな)おい壮!回復を頼む!」
「ああ、任せろ」壮は緑色の球体を俊樹に飛ばす。
「お…おい、本当に回復したのか?どんどん力が抜けてく…よう…な」バタッ
「何!?…俊樹!大丈夫か?…駄目だ返事がない…てか壮、回復したんじゃなかったのか?」
「あ、ああ…確かに回復はしたぞ…」
「じゃあ…なぜ?(そう言えば麗華と真田もちゃんと回復出来てなかったよな…あっ、コレは結構マズイかも…コイツの能力は吸収だよな?てことはもしや、壮が俊樹を回復しても結局吸収によりあの極魔の所へ行くことになるんじゃないか?)」
「どれだけ回復しようが無駄なんだよ、だって俺、今もずっと体力を吸収し続けてるもん。君が回復し続ける限りずっと俺の体力が増えるだけよ」
「やっぱりか…(てか…能力やばすぎだろ…攻撃を与えたらやられる?まじどうやって倒すんだよ?コイツ)」
「てか俺だけ能力を自分で明かすのもね〜、そこで君の能力も教えてくれない?あっ、壮くんは言わなくていいよ知ってるからね」
「俺の能力?(そういえば、俺の能力って何なんだ?考えたことなかったな…)」薫は固まっている。
「おい、どうした?まさか自分の能力を分からないとか言うんじゃないだろうな?」
「……(図星だ…)」
「まさか当たっちゃった?てかそんな事ある?」ポグラシアは結構驚いている。
「ああ、能力の事を知らなくて悪かったな、この前、初めて使ったばかりなんだ」
「おお、そうなのか!じゃあ魔術師になりたてなんだ…おっと、すまないね君たちは確かツァオベラーとか言ってるんだっけ?」
「ああ(俺達ってツァオベラーって言うんだっけ?ただの魔術師とかじゃなかったっけ?普通に忘れてた…)」
「おっと!ちょっとお喋りしすぎたな、じゃあ戦いを再開するとしよう!では行くぞ!」ポグラシアはそう言いこちらへ斬り掛かってくる。
ガッッッン!
「おー、まさか素手で止めるとはな」
「ああ、俺達は俊樹以外全員、武器を使わないで体に魔力をまとって戦うからな、こうやって直で体に攻撃されるのは慣れてんだよ!(俊樹は知らないけど)」
「言われてみれば確かに前の二人も武器を持ってなかった気がするな、まぁいい、でもずっと攻撃を受けてるだけだと体力の限界がいつか来るだろうな、て言っても攻撃してきても俺の吸収で体力がなくなるんだけどな」
「ああ、まったくそうだな(コイツが何人にこの能力を使ったのかは知らないが、コイツに能力を使われた者が生きている限り、こいつは無限に回復し続けるだろう…つまり不死身か?いや違うコイツの吸収の回復には少しの時間差がある、回復するまもなく一瞬でケリをつければもしかしたら倒せるかもな)」
バッ「うっ(何!?)」薫は何かに押された。
バザァァァッン!!
「おい薫!ボーっとすんな!やられるぞ!てかただでさえ二人しかもう戦えないのにお前まで欠けたらどうすんだよ!」
「ああ、すまない…助かった(どうすれば一瞬でやれるんだ…?いやまてよ、一瞬でやらなくてもジワジワとダメージが入るような技を使えば回復しようが体力は減る、つまりプラマイゼロの状態にできるぞ!…いや、待てよ…それをしても体力の吸収が止まるわけではなく普通にやられてしまうかもしれない…だがそれはあくまで一人の場合だ、二人いれば片方が捨て身でダメージがジワジワ入る技を使いついでに奴の体力を限界まで削るそしてもう片方が弱っている状態のやつを一撃で仕留める…まぁ、そう上手くは行くとは思えないが、かけてみる価値はあるかもしれない)」
「クックック…さあ!どうする!どうやって俺を倒す!まぁ、倒せるかもわかんないけど。」
「おい壮!ちょっとこい」壮を呼ぶ。
「何だよ薫!奴を倒す策でも思いついたのか?そんな有るとは思えないが…」
「ああ、そうだ、奴を倒せるかもしれない策を思いついた。」
「まじか!どんな作戦だ?」
「まず、俺かお前のどっちかがジワジワダメージが入る系の技を奴に喰らわせる、そしてそのまま奴が回復するギリギリまで攻撃し弱らせるそしてその隙にもう片方が奴を仕留める。リスクはあるかもしれないがもう時間がない…しかも今の俺たちに他に奴をやれる策があるとも思えない…つまりやるしかないんだ。」
「ああ、わかった、でもよ…俺とお前どっちもそのジワジワダメージを喰らわせる技なんて使えなくないか?」
「ああ、それなんだが…俺が新技を出せばなんとかなるかもしれない。」
「は?新技?そんなのあるのかよ?」
「いや、今編み出す。」
「そんな適当な…まぁやるしかないか、じゃあ一撃で仕留めるために最近すぐやられる俊樹の刀を使うぜ」
「ああ、頼んだ!じゃあ…行くぞ!」
「おう!」二人はそれぞれ行動にでた
「ポグラシア!!俺がお前をやる!」
「上等だ!やれるもんならやってみろ!」そう言いポグラシアは無数の斬撃を飛ばす。
「やる…やってやるよ!」薫に無数の斬撃が向かってくる。
「でらぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザッッン!
「やっぱりやるねえ、全部防いでる訳じゃないけど君にケガはない、そこは称賛してあげるよ」
「ああ、それはどうもだな」
「でも、さっきから言ってるけど攻撃を受けてるだけじゃ勝てないよ〜、まぁ攻撃してもどうせ変わら…」バッッッン!
「グゥ゙ゥ゙ッ!!」ポグラシアが吹き飛んで行く。
「何だって?攻撃してもどうせ変わらないだと?それはどうかな!」
「な、何!?…なぜ?なぜだ!お前は仲間が俺の能力でやられるのを見て、俺に攻撃したらやばい事を知っているだろ…!なのになぜだ!なぜ俺に攻撃をしてきた?まさか捨て身で相打ちなどを狙っているのか…?だがそれは無駄だ、俺は無限に回復し続けるからな…」
「なぜなぜ…うるさいな、じゃあ、無限に回復させなければ良いじゃないか。」
「ど…どう言う事だ?意味が分からないな、お前にそんな能力使えるのか?」
「いや…使えない、しかし何とかしてやる!」
「そうか!何とかするか!やってみやがれ!」ポグラシアが再び斬撃を薫へ放った。
「さっきから鬱陶しいんだよ!」ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザッッッ!
スパッッッ!「ん…!危ないな…斬撃を跳ね返すなん
て…あ、あれあいつの姿がない?まさか、俺が斬撃を跳ね返され反射で目を逸らした瞬間に何処かえ隠れた?…しかしあいつは、俺に攻撃をしてきた…しかも俺が喋っている時にだ!許さない…喰らわしてやる!俺の《アブソーブ・スタミナ》を……(何だか気配を感じる…まさか!!)き、貴様!!いつの間に!?」ポグラシアの後ろには技を出そうとする薫の姿があった。
「ポグラシア、お前を倒す!《ダーク・ショット!》喰らえぇぇ!」
ドォォォゴォ゙ォ゙ッッン!
「ぐぅ゙ぅ゙あぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」バァッッン!!
「吹き飛んだな…ポグラシア!」
「うっ…くそが…だが、貴様に俺の能力を使った!吸収してやる…お前の体力を!」
「ああ、吸うといい俺の体力を!たが、そう簡単にはさせない!」そう言い、薫はポグラシアに再び攻撃をする。
「無駄な動きをするとさっきの俊樹君みたいになるぞ、君はいいのかよ!!」
「もちろん!俺は限界までやってやるさ!」
「か、会話になっていない…!」
「喰らえ!」
ダッッン!ドッッン!バッッン!ゴォォォン!!
「グッ…ここまで追い詰められるとは…しかし!俺は回復する!吸収でな!(な…何!?回復しない…だと?なぜだ?どうして?)」
「おっ、どうした?まさか回復しないのか?」
「まさか!!お前の仕業か!」
「そりゃ俺しかないだろぉ?だって、今お前に攻撃したのは俺しかいないからなぁ?」
「貴様!!喰らえぇぇぇ!!《追尾斬》だ!!」さっきよりも多い無数の斬撃が薫へ向かう。
ザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザダザッッッン!
「ハァハァ…こんな…もん…か…」
「やっぱりやるなぁ、でもなこの斬撃は追尾型なんだ!お前はすべて落としてないだろ?つまり戻って来るぞ」
ザッッン!「クッ…」
「まだまだ斬撃は続くぞ!」
ザダザダザダザダザダザダザダザダッ!…ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザーッン!
「おお、何発かまた飛ばしたか、しかも結構遠くまで、本当なかなかやるよねぇ…でも、もう終わりだね」
「うっ…」バタッ
「ハハッ…ハハハハハハハハハハッ!勝った…でも…体力がやばいな…体力を補給しないと…な(ん?待てよ…何かおかしい…倒れてるのは俊樹と薫…一人足りない!?どこだ!!やばい!今の回復できない状態でやり合ったら負けるかもしれない…どこだ?魔力を感じる…?あ…コレは…本当にやばいやつだ…壮とか言う奴は既に俺の後ろにいる!)」ポグラシアは恐る恐るふり返る。
「この一撃に賭ける!終わりだぁ゙ぁ゙ぁ゙!ポグラシアァ゙ァ゙ァ゙!!」
「ヤバッ!」スパッッ!
壮はポグラシアの首を斬った。…ポグラシアは膝から崩れ落ちた。
「や…やったか?作戦は成功し…」ザッッン!
「な、なに!?た、確かに今、お前の首を斬ったのに!なぜ生きている?」
「結構危なかった…が俺の核は頭にある。だから首を斬られても生きていられるのだ!」
「う…嘘…だろ…まじかよ…こんなのありか…」
「そうだ!もっと絶望しろ!ハッハッハハッハッハハッハッハハッハッハハッハッハハッハハッハッハハッハッハハッハッハッ!では、俺をここまで追い詰めた最後の者を倒すとする…」ザッッッン!!
ポグラシアを斬撃が襲う。
「な…どういう事だ…コレは…俺の斬撃…?まさか!」スザッッン!
「ああ…そのまさかだ!斬撃が返ってくるのを活かした攻撃だ!俺の攻撃と言うよりお前の自滅か、まぁそれはいい、そして今!お前の核がある頭に斬撃が命中した、つまりお前はもう終わりだ。」
「そ…そんなバカな…俺が負けるわけが…負けるわけがぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」ポグラシアは取り乱している。
「まだ!斬撃は終わらない!」
「何ィ゙!!」
ザザザザザザッッッン!
「ぐがぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」ポグラシアは叫びながら塵になっていった。
「負けるわけが…あったな…」バタッ
そう言い薫が倒れた。
「俺が言うのも何だが…最後は意外と呆気なかったな…まぁ勝てたから良かったが…」
そうして壮は倒れてる二人を回復し、しばらくして目を覚ました二人と共に麗華と真田がいる病院へ向かった。
「てかさ〜、あの極魔をどうやって倒したんだ?」
「えっ?どう倒したかって…?実は、俺は倒してないんだな〜」
「は?どういう事だよ?」
「最後は奴の自滅だったんだよ」
「自滅?そんな事ある?」
「そんな事があったんだよ」
「まぁ、確かに奴は自分の攻撃を頭に喰らい自滅したな」
「壮が言うって事はまじなんだ」
「おいおい、その言い方じゃ、俺を信じてないみたいじゃないか。」
「ああ、その通りだ」
「その通り何だ…」
「ああ」
色々話していると病院へ着いた。
「病院に着いたな、じゃあ1218号室に行くか」
【扉を開く】
「よぉ、お二人さん、生きてたか?」
「ああ、何とかね…」
「そうか、それは良かった…いや待て、真田が目を覚ましてないじゃん!」
「おーーい!真田ーー!」
「だから俊樹、病院では静かに…」
「うるせー!てか真田を回復しろ!」
「いや俊樹、真田…寝てるだけだよ」
「何ぃ゙ぃ゙!?」俊樹はオーバーリアクションをとる。
「オーバーすぎだ」
「ああ?何だぁー?病院なのにうるさいな」真田が起きた。
「真田ーーー!」
「俊樹!?それに壮と薫!…お前らがここに居るということは、勝ったのか?」
「ああ、その通りさ!勝ってやったよ」
「さすがだな…てか、どう倒したの?攻撃したらやばいのに」
「それはな…奴が自分の斬撃で自分の核を壊して自滅した。つまり俺達は倒してない、あくまで自滅だ」
「まぁ、でも薫がギリギリまでダメージを与えたか奴を自滅まで追い込めたんだけどな。」
「ギリギリまでダメージを!?」
「ああ、薫が新技を使ってな」
「しかも、新技だと!?」
「新技?俺はそんなの聞いてないぞ!」俊樹が言った。
「そりゃそうだろ、お前に言ってもないし見せた訳でもないからな。」
「あ~確かにそうだな。」
そうしてポグラシアを倒したことで体力を吸収される事がなくなり真田と麗華は一日で退院できた。
〜???〜
「どうやら岡川で俺達が不在中、一高の奴らが活躍してるらしいよな!」
「私もそれ聞いた!らしいよね」
「ふんっ!一高の奴らが活躍できるのは精々、俺達が戻るまでだ!」
「ああ、そうかもな、それより相変わらずお前はプライドが高いな。」
「真実を言ったまでだ。」
「先輩、コレは結構良いんじゃないですか?私たちが外での任務があっても、一高の人達が活躍してくれれば、岡川も安全だし、そして何より私達も安心して任務に取り組める事になる。どう思います?」
「まぁ、確かにそれは良いな。それに任務の質も上がるかもしれないな…。フフッ…活躍しているか、どのくらい強いのか?ぜひ今度、手合わせしてみたいな。」