p6 ロク
はひふへほ
【25時間前】
「何だ?今日は部活動なし?この部活オフあったんだなー、まぁ部活なくても部室に行くけど。(どうせ誰かしらは来るだろうしな。)」
「おーい真田ー今日も部活かー?」真田のクラスメイトが真田に問う。
「いや、今日は珍しくないな」
「そうなん?じゃあこの後カラオケ行かね?」
「いや、やめとくぜ、今日は貴重なオフを堪能するぜ。」
「そうなん、じゃあまた明日ー」そうしてクラスメイトは教室を出ていった。
「じゃ、俺も部室に向かうとするか。」そうして真田は部室へ向かう。しばらく歩き部室に着いた。
【扉を開く】
「うっす…(誰もいないじゃん…)」部室には誰もいなかった。真田は誰もいない部室のソファーに座りスマホをいじり始めた。
「みんな部室にすら来ないんだなー、てことは今ここは僕だけの空間か!!部室独り占めってなんかワクワクするんだよなー自分の部屋とかと違うワクワクだ!ワーハッハッハッ!?」
【扉が開く】
「あんた何してんの?」麗華が入って来た。
「いや…何も…てかなんでお前がくんだよ!今日部活オフだぞ!休みだぞ!」
「それはこっちのセリフだ!なんであんたが居るんだよ!なんです休みなのにわざわざ来てるんだよ!」
「まぁいい、僕はオフだからここでスマホをずっと見てるぜ!」
「私もよ!」そうして二人は各々の空間に入った。
【扉が開く】
しばらくして突然扉が開いた。
「!?…何だ?」
「わからない…誰かいるの?」扉の影から誰かが見えた。
「どうも」人影は吾郎先生だった。
「吾郎先生!?驚かせないでください!」
「えっ?驚かせちゃった?ごめん」五郎先生は素直に二人に謝る。
「てかみんな?」吾郎先生が聞く。
「えっ?今日部活オフじゃないんですか?」
「えっ?あっ(そういやあの三人はマドを倒しに行った気が…)確かに今日はオフだったね、でも非常事態が起きたから部室に誰かしらいないか探しに来たんだよ、そしたら君たち二人がいた。」
「えっ、つまり(てか答えになってないような…)」
「ああ、極魔が現れたから討伐をお願いします!!」
「つっても私たち今二人だよ?大丈夫なの?」
「おい麗華まて僕達だけで行かないか?そしてその極魔を倒したら、明日あの三人にマウントを取れるぞ!」
「マウント取るためだけに!?」
「じゃあやる気マンマンみたいなので頼みましたよ」そう言い吾郎先生は教室を後にした。
「てか快く頼まれてもよ、その極魔がどんな見た目で何処にいるのかも分からねんだよな…。」
「まぁ、了承したからにはちゃんとやらないとねー(快く了承したのはお前だけだ!)」
「じゃあ探すかー(めんどくせー)」
そして二人は極魔探しに行く。
「てか、そいつ学校にいたりして。」
「いや、極魔の音は特に聞こえないわね」
「お前そんな探知機能あったの?」
「多少、極魔や人の音の違いがわかるだけだよ」
「それは結構凄いと思うんだけど…」麗華の音探知とか言う謎能力で二人は極魔を探す!
学校にいないことがわかり二人は学校を後にする。
「てか、その音探知の範囲はどれくらいなの?」真田が疑問に思い聞く。
「範囲?そんなん音がある所なら何処までも行けるよ」
「はっ?(いや…嘘だろ)さすがにそれは盛りすぎだろ…なー?」
「いや別に嘘じゃないよ、でも範囲を広げすぎると色んな音がごちゃ混ぜになって何が何だか分からなくなるけどね♪」
「さすがにちゃんとそれ相応のハンデみたいなのがあるんだな…。」何故か真田は軽い安心感を感じた。
「まぁ言えることは、ここらへんには多分いないね」
「いつの間に探知した!?」
「いつの間にって言っても…耳をすませるだけだからね…」
「それって声とかも聞けるのか?」
「まぁ、聞けるよ(この質問、何の意味があるの?)」
「まじかよ…それはすごいね…(コイツの悪口は軽く言えないな)」
「!?…あっ、それっぽいの探知した!」
「なに!?どこだ?」
「多分、陸上競技場の所らへんだと思う。そこに一つだけすごい音がする者がいる。」
「そうなのかー(いったいどんな音なのか?)」
「移動するかもしれないから速く行こう!!」
「あ、ああ(なんでコイツこんな張り切ってるんだ?)」
そして走って陸上競技場へ向かう。
「ちょ…ちょっと…待てっ!なんか意外と遠くない?ちょっともう疲れてきたんだけど…。」真田がキツそうに麗華に言う。麗華も真田のペースに合わせ言う。
「何いってんの?まだ全く走ってないよ?てかそんなんでへばってないで速く行くよ!」麗華は再びスピードを出した。
「おいっ!まじかよ…まってくれぇぇぇ」真田も体力を振り絞り走り出した。
しばらくして競技場についた。
「ハァハァ…やっと…ついた…ぞ…ハァハァ」真田は既に死にかけだった。
「真田…お前体力ないなー」
「いやっ!お前がヤバいだけだぁぁ!」体力がもうない真田とは対照的に麗華はピンピンしていた。
「てか、奴はどこだ?」真田が問う。
「ああ、競技の中だ…間違いない!行くよ!」二人は競技に入った。
競技場の中は何もいない…様に見える。
「おい麗華、誰もいない気がするんだが?」気配なども全く感じられなかった。
「いや…油断するな!すぐ近くにいる!音がする!」麗華は真剣な面持ちで警告した。
「なに!?どこだ!」
「着実に近づいて来ている!(音がすごく近くで聞こえる…だが何処にもいない?まさか!?)真田もう奴は居るぞ!!」麗華が言う。
《アイアン・ウォール》何かの攻撃を防いだ。
「何!?…驚いたな…まさか俺の攻撃を見切るとは!」
「お前か?極魔は?」そこには、背丈が高い者が立っていた。
「ああ、多分そうだな、お前らが探しているのは俺だと思うぞ!まぁ、お前たちの目的は知らないが、俺の事を倒そうとする奴は全員始末する!それだけだ。」奴は、よく分からないセリフを吐きこちらへ向かってきた。
「お前から来たか!じゃあこっちも行くぜ《アイアン・シールド》で防いでやる!」
ザザッッッッ!
「また防がれたか…君の能力は鉄なのかい?」奴は能力について聞いてきた。
「見りゃわかるだろ!(何だコイツ…?)」
「フッ、まぁいいか、では斬撃でも浴びてろ!」
「真田下がれ!!《オンプ・ユニット!》」大量のオンプが出てき、奴の斬撃を防いでいる!
ザザザザザザザザザザザザザザザザッン!
「おいおい、そんなのありかよ…なかなかやるねー君たちー」
「何なんだお前は?さっきから馴れ馴れしいな!」真田がキレる。
「おいまて、何処にキレる要素があるんだよ?別に馴れ馴れしくしてもいいだろう?どうせお前らが死ぬのには変わりないんだしよ?てか俺の名前は"お前"じゃなくて"ポグラシア"って言うんだよ。真田くん、麗華さん。」
「なに!?何故僕らの名前を知っているんだ?」真田は問う。
「だってあんたら二人とも俺の行動範囲に入ってからも名前で呼び合ってるからだよ。」思いのほか、単純な答えが返ってきた。
「そうなんだ…」
「てか、こんな雑談みたいな事してる時間が勿体ないぜ!今から速やかにお前らを始末するぞ。」ポグラシアは話を戻し再び攻撃を始めた。
「お前らには直接攻撃が有効だな!喰らえ三段キラー!!」ポグラシアは直接三段階の攻撃をしてきた。しかし俺はアイアン・シールドで防ぐ!
ダッッン!ザッッン!バァァァン!
「俺の攻撃でもびくともしないか…すごい防御力だなその盾。しかし!完全には防げないようだな!防ぎきれてない所があるぞ〜」奴はまだペラペラと喋っていやがる。まだ余裕が有るみたいに。
「そのすごい防御力の盾だが、防御だけではないんだよな!(てかコイツの能力は何だ?さっきから技という技を出している様には見えないんだが?まさか無能力か?)」
「まて真田!うかつに攻撃をするとヤバいかも…」麗華が何か言っている。
「どう言うことだよ?麗華!」真田も質問で言葉わ返す。
「何か妙じゃないコイツ…さっきから能力を出している様には見えない。強いて言えば肉体で魔力関係なく出している技みたいな物だけ。何か隠していると思うの。」
「だから!ポグラシアだって!言ってんだろうがぁぁ!」何故かポグラシアはキレ始め、二人に攻撃を仕掛けて来た。
「自己紹介してやったんだから!ちゃんと呼べよぉぉぉ!!」
ザッッッッッン!
しかし奴はキレたことで冷静さを失い攻撃をした時に隙ができた。
「ここだーー!!」真田はアイアン・シールドで奴の体を斬る!
スザァァァァァッッン!
「クッ…クソ!!痛えーんだよぉぉぉ!」ポグラシアは怒りに任せ何か出そうとしている。
《フォルテッシモ!!》
ドォォォォォン!!
「ぐぅぅぅはっ」ポグラシアは吹き飛んだ。
「フフ…もう十分、ダメージは受けたぞ!そしてお前たちは俺に直接攻撃を仕掛けた!やや発動が面倒くさい能力だが、お前たちの攻撃によりやっと発動できる!」
「どう言うことだ!!」真田は問う。
「さっきの俺の言葉の通りだ!俺の能力は吸収!ただし俺に攻撃をしてきた者だけにしか能力を使えない!だがお前らは俺に攻撃をしてその上直接ダメージを負わせた!つ・ま・り♪お前らは今、俺の手の中にある!」
「お前、言葉がおかしいんじゃないのか?」真田は明らかに動揺している。
「つまり、あなたの能力を出すのに十分な条件が揃っているって事ね?」麗華がポグラシアに問う。
「ああ、全くそうだ!なんで二人で考える力がここまで違うんだよ?まぁ真田くんには、直接能力を喰らわせてどういう事か理解させてあげるけどね!」
「喰らえ《アブソーブ・スタミナ》コレが俺の能力だ!」
「ん?特に何もないな!どうした?こんなもんか!」真田が再び、ポグラシアに向かっていく。
「そんなに動いたらなー」ポグラシアが意味ありがに言う。
「何をごちゃごちゃ言っている!喰らえぇぇ!?な…なんだ?力が抜け…て」バタッ!
「だからそんなに動いたらって言ったのに〜、まぁ動かなくてもどうせそうなるのは変わらないけどね〜どうだい?これが俺の能力だ!じゃあ君の体力も吸収するかな。」
《スラッシュ・ビート》
「何!?」ポグラシアはギリギリで防ぐ。
「私を舐めるなよ!たたでやられると思うなよ!ギリギリまで抗ってやる!《オンプ・ユニット!!》」
「うあああああっ」ポグラシアは麗華のオンプによりダメージを受けている。
「もっともっと喰らえぇぇ!?何っ!いない??(ま、まずい…今見失うのは…ヤバい)」気づいたらポグラシアがいなくなっていた。
「焦りで冷静さを失っているな!まぁいい、斬撃をくれてやる!」
「なっ…」ザッッッン!!
「ふぅ…やったかついでに君からおった傷は君の体力から回復させてもらった。では君…いや麗華さんあなたを楽にして差し上げましょう。」そう言いポグラシアが手を上げる。
《グランド・アイアン》
バァァァァァァッッッン!!
「うぐっっ!なぜ動けるんだ!!」ポグラシアが吹き飛ぶ。しかしすぐポグラシアは起き上がる。
「なかなか面白いな…ん?なに!?いない??」ポグラシアの前には二人はいなかった。
「まさか…あの状況から逃げられるとは…まぁいい逃げるといい…しかし俺の攻撃はまだ終わっていない!」
「な…何とか…奴からは距離を取れた…おい麗華!大丈夫か?…大丈夫なわけないか…俺ももう意識が…」そうしてしばらくして、二人は地域の人に発見された病院に搬送された。
【25時間後】
「よし、ついたぞ陸上距離場!」薫、俊樹、壮の三人は競技場に着いた。
「で、何処にいるんだ?その極魔は?」辺りを見回すかぎり何もいない。
「多分競技場の中じゃないか?」
「でも今、陸上距離場誰も居ないぞ?どうやって入るんだ?」俊樹がもっともな事を言う。
「そりゃ、不法侵入しかないだろ!何より他に人が居ないほうが戦いやすいしな。」
「まぁ…そうだな。じゃあ、あそこに中に入るのにちょうどいい位の高さの柵があるからそこから入ろう。」
競技場内に入ることができた。
「よっし、侵入には成功したな」俊樹が誇らしげに言う。
「なんで誇らしげなんだよな?てか柵越えただけだろ…」
「まぁ細かい事は気にすんな、じゃあ探すぞ〜」
「でもよ、何処を探すんだ?ぱっと見、探す所はないように見えるが?」
「確かに全く隠れる場所とかもないな…だが、まず見つけないと意味がない!そこら辺を探すぞ!」
「この競技場をしらみつぶしに探すってのかよ!?まじかよ…」壮の一声で競技場を隅々まで探すことにした。
三人は競技場を隅々まで探したがなかなか手掛かりを掴めないでいた。
「な〜本当にいる?ここに?」俊樹が気だるいそうに言う。
「でも、真田はここに居ると言っていた。」
「でもそれってさ、病院に居る時の事だよな、今ここに居るって訳じゃないよな?てかこんなに探して見つからないって事はもうここには居ないんじゃないのか?」
「ん…まぁそう言われると…」壮が納得しかけた。しかしその考えは一瞬で消滅した。
「なに!?」壮が驚く。
「どうした!」
「奴は居なくなってなんかいない!俊樹!今お前の後ろにいる!」壮が言った時、すでに極魔は俊樹の背後から攻撃しようとしていた。
「クソッ!」俊樹は刀を何処からともなく出す。
ザンッッッ!
「危ねっ」俊樹は極魔の攻撃を防ぐ。
「なんと!また俺の不意打ち攻撃を当てられないとはな〜」そこには極魔が立っていた。
「お前か、二人をやったのは!」
「ああ、君たちは、真田くんと麗華さんのお仲間さんか〜」極魔は妙に馴れ馴れしく三人に語りかける。
「二人の名前を知っているという事は二人をやったのはお前なんだな!てかなんだーコイツ?やけに馴れ馴れしい奴だな…?」俊樹が言った。
「だって別に君たちと口喧嘩をする訳じゃないしな〜、てか君たちも思うだろ?ずっとガミガミしている奴より馴れ馴れしい奴の方がいいって。」極魔が言っている。
「まぁ…確かにそれはそうだな…だがお前は二人を倒した!それには変わりない、だからお前を倒す!敵討ちだ!だがその敵討ちをする上でお前がそんな馴れ馴れしいとやりづらいんだよぉぉぉ!」俊樹が言い返した。
「まぁまぁ、そんな熱くなるな、まず自己紹介をしよう相手を知ることはとても大切だ。俺の名前はポグラシアだ。君たちは?」ポグラシアと言う極魔はいきなり自己紹介を始めた。
「ああ!面倒くさい!何なんだお前は!」
「そんなことを話すなど一言も言っていない!自己紹介をしろ!」
「!?」ポグラシアが突然大声を出したもんだから驚いた。
「まぁ、君の名前は知ってるだけどね。俊樹くん」ポグラシアが俊樹の名前を言う。
「な、なんで俺の名前を知っている!?」俊樹が動揺する。
「だって君たち昨日の二人とも同じで名前呼びじゃん、だからわかるよ〜、でもさ君たち二人の名前、まだ知らないんだよね〜教えてくれる?」
「あ、えっ?(やっぱりなんなんだコイツ…いまいち分からない奴だ)」
「いや、えっじゃなくてさ名前を教えてくれるかい?」
「なんで教える必要があるんだ?(真田の話的にコイツの能力は名前が関わる訳ではないはず…なのになぜ?)」
「なぜって?それは単に気になるからだよ。俺は昔から名前を聞くのが癖でね、それが今では誰かに合った時のルーティンになってしまっている。」
「(まぁ別に名前を教えても害は無さそうだしいいか)よし教えてやろう、俺の名前は壮、あっちの奴が薫だ」
「な、なに教えてんだよ!壮!」薫が壮に問う。
「だって名前知られてもさ、どうせ倒す事には変わりないから」
「おー言ってくれるね〜」ポグラシアが笑みを浮かべる。
「おい壮!もしもよコイツが名前を知った相手を攻撃する能力とかだったらどうするんだよ?」薫がそこそこ焦ったように問う。
「でもそれだったら、俊樹はもう攻撃されてるんじゃないか?」
「でもそれは俺たちを油断させるためで、全員の名前を吐かせてから攻撃する為だったのかもしれないぞ!」
「確かにそうだが…まだ攻撃はされてない、いざとなれば俺が回復する」
「あ、ああ…そうだな(二人を回復できてなかったような…)」
「俺は、名前を聞けて嬉しいぞ…だがすまないがそろそろ君ら三人を倒さないとな、俺は邪魔をされるのが一番嫌いだ、つまり俺を倒そうとする君ら三人は、俺の邪魔をするものと捉えることが出来るからな、では出会ったばかりだが、さらばだ!」ポグラシアがコチラへ向かってくる。
「喰らえぇぇぇ!」ポグラシアが勢いよく三人へ飛びかかってくる。
「残念だな!このくらいなら避けられる!」俊樹はポグラシアの攻撃を避け、己の攻撃を浴びせた。
「何ィ゙ィ゙!?」
ザッッッン!!
「グッ…」ポグラシアが膝をつく
「どうだ!俺の刀に炎を纏わせて斬ってやった!だから普通に斬るよりダメージがあるはずだ!」
「ど…どうも説明ありがとう…しかし!お前は俺の策にはまった!俺の能力は俺自身にダメージを負わせた者に発動するんだ!つまりお前に対してはもう能力を使うことが出来るぞ!てかお前等はあの二人に聞かなかったのか?俺の能力について…ていっても俺を倒すには俺に攻撃をするしかないんだから能力の事を聞いても無駄だな」
「貴様!!」俊樹がポグラシアに攻撃しようとした。
「おっと、これ以上俺を攻撃するとこれからお前に行くダメージが大きくなるだけだぞ。まぁこんな長々話してるのも時間の無駄だ、じゃあ見せてやる俺の能力を!《アブソーブ・スタミナ》を!」
「これがコイツの能力か…あ、ああああああああ」俊樹はポグラシアの能力を直接受けてしまった…。