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魔星  作者: 竹たけし
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た ち つ て と

俺は目覚めると自分の教室にいた。


(なんで俺は、学校にいるんだ?)そうも思いつつ、玄関へ向かった。


玄関へ着きドアの鍵を開け外に出ようとしたが、ドアが開かなかった…。(なぜだ?鍵は開けたはずなのにどうして開かないんだ?)ドアは石になったように固く閉ざされていた。一応窓も開けようとしたが窓も玄関のドアと同様に固く閉ざされていて、壊そうとしても物凄く硬く壊せなかった。


(しかし、不気味だな…てかここに居るのは俺だけなのか?)そう思い、意味がないかもしれないが自分以外に誰かいないか探すことにした。


 「おーい!誰かいないかー」返事はなかった…。


 「誰もいないのかー?」


案の定誰からの返事もなく、もしかしたら俺は夢遊病で一人でフラフラ学校に来たのかもしれないとか考えながら歩いていた。


しばらく歩いているとある違和感を覚えた。(なんでどこの教室も時計が止まっているんだ?)


この空間がとても不気味で、他に人が居るかとかもうどうでもよくなった。取りあえず早くこの場所から出たいので、玄関以外に外に出る方法を探すことにした。


(てか…夢遊病だとしたら鍵も無いのにどうやってここに入ったんだ?というかここは現実なのか夢なのか?)あらゆる疑問が浮かんできた。


時計が全部止まっていたり、外も妙に暗く霧がかっていて、この空間全体があまり現実味がなかった。


とにかくヤバいと思い、出る方法を早急に探っていた。ふと廊下の奥に目をやると何かが近づいてきていた。(なんだあれ…人か?)その人(?)の周りは、靄がかっていてちゃんと見えなかったが俺以外に誰か居るんだと思い少し安心した…でもその人(?)の姿がちゃんと見えてから安心は粉々に消え理解した、奴は人じゃないと。


今までの奴らとは、違う恐怖心があった。顔の部分には、モヤみたいなのがかかってちゃんと見えないがどことなく笑っているように見えた。しかし見た目はデカいわけでも無かった。だが何処となく凄まじい狂気を感じた。


とにかく逃げることにした。すると奴も走って追ってきた、捕まったら絶対ヤバい!!


 「!?」

気づいたら奴は俺の背後にいやがった。


 「キルキルキルゥゥゥ゙」

奴が叫びながら攻撃してきた。


奴の攻撃が俺の腕をかすめた。


 「痛っ、なんなんだよ!!お前!」


 「キルキルキァァァ゙ァ゙ァ゙」


どうやら話が通じないタイプのようだ、なおさらヤバい気がする。取りあえず技を出そうとした。


 「魔波!!」

だが上手く技を出せなかった。


 「あ、あれ?」


ヤバい!!これは非常にまずい状況だー!

取りあえず奴から距離を取るために走った。もちろん奴も追いかけてくる。


 「クソ!なんで出ねぇんだよ!」

大事な時に技が出せなきゃ元も子もねぇ。

取りあえず目の前にある理科室に隠れることにした。


奴が理科室前の廊下で立ち止まった。奴は理科室前から居なくなった。俺はその瞬間少しホッとした、がそう油断してる時に奴が天井をぶち破り理科室内に入ってきた。


 「キィ゙…キラァァァァァ゙」


奴は、凶器を振り回し襲いかかってきたが、俺は避けることで精一杯で攻撃する事ができなかった。


(ヤバい一方的になってきてる…)そう攻撃を避けていると、何かに足を引っ掛け転んでしまった。


奴が、トドメだと言わんばかりに凶器を振り下ろしてきた。


(あ、終わった)そう思ったが何故だか、さっき放ったはずの魔波が今になって出て来て奴を吹き飛ばした。その瞬間突然目の前の空間が歪んで来て、気が付いたら家のベッドの上にいた。


(あれは夢だったのか?にしてはとてもリアルだったな。)そう思いながら腕を見てみた、そしたら奴に斬られた場所には切り傷ができていた。


取りあえず学校へ行くことにした。


学校につき自分の教室に入った。そこにはもう俊樹がいた。


 「おはよ!今日早いな」


 「ああ薫か、おはよ」


俊樹の様子が少しおかしい気がした。


 「なぁ、どうかしたのか?」


 「いや、なんでもない…」俊樹の様子は、やはりいつもとすこし違っていた。


 「おい、お前なんか隠してるだろ」


俊樹は少し黙った後に話し出した。


 「ああ、最近な俺の知り合いが変な夢をみると言ってたんだ。目が覚めると突然学校に居て変な奴に追いかけられるって言う夢を…」


俺はその夢知っていると思った。だが俺が話す間もなく俊樹が話を続けた。


 「で、ここからなんだが、その追いかけてくる奴は凶器を持っていてその凶器で攻撃されると現実でも攻撃された場所に傷ができるらしいんだよ」


俊樹の表情が暗くなった。


 「で、俺はそれを昨日の夜に知ったんだ…その知り合いは、今入院中なんだ。」


俺は、思わず聞いた。

「入院中?どういう事だよ?」


 「言葉のままだ、夢の中での奴の攻撃により致命傷を追い現実でも結構やばい状態になってるだよ」


 「なぁ俊樹、話を聞く限りお前の知り合いは、お前にも夢の相談してるから、その夢を見るのは一回だけじゃななかったって事か?」


「ああ多分な…そして奴はおそらくターゲットを決め、そのターゲットに致命傷を負わせるまで永遠に例の夢を何度も何度も見せ続けるんだよ」


(次のターゲット俺じゃね…)俺は寒気を感じた。


 「でもよ俊樹、そんなに色々分かってんのに何を調べてるんだ?」


俊樹は答えた。


 「俺が調べているのは、その空間にどう入るかだ。」


 「で、その空間に入って何をするんだ?まさか元凶を倒すとか言うんじゃねぇだろうな?」


 「ああ、そうだ薫の言う通り俺は元凶を倒しに行く。」


俊樹はストレートに言いやがったから、俺も思ったことを言った。

 

 「倒すって言ってもどう倒すんだよ?あいつスピードもクソ速いし武器持ってるし、てかあの空間も技がすげー出しづらいから、まずまともにやり合ってもあの空間に慣れてる奴にはまず勝てないだろ。」


俊樹が驚いたように言った。


 「お前、例の夢を見たことがあるのか?」


確かに俺はまだ夢のことを言ってなかったな…


 「ああ、昨日見た。あと腕も少し斬られた」そう言い腕の切り傷を見せた。


俊樹が真剣そうな顔で言った。


 「つまり、次のターゲットはお前だぞ薫」


何を当たり前のことを言ってるんだコイツは…


 「話を聞く限りそりゃそうだろ。」


色々話している内にHRが始まる、しかしHRで俺達は驚く話を聞いた。なんと同じクラスの村田が入院したとの事だ。しかも村田は全身傷だらけでの入院だった。


 なんと俺は知らなかったが、例の夢の事はクラスの一部では結構有名だったらしく村田もその犠牲者になったのではないかと話す声がそこら辺から聞こえてきた。


 「なぁ、俊樹これって…」


俊樹は頷き言った。

 「ああ、間違いないな。」


俊樹がまた口を開く

「被害者が増え始めている。何とかして止めないとな…でも夢の中か」


確かに俺達が何とかするべきなのはわかる…でもどうやって??あの夢に入れるのは今のところ俺だけだぞ、俺単独であいつを倒せというのか?


体育の時間に壮に話しかけられた。

 「なぁ薫、昼休み部室に集合な」


どうやら壮も、状況を理解しているようだった。


 「夢の事か?」俺は聞いた。


 「ああ、そうだ」


 午前の授業も終わり昼休みになった。俺と俊樹はすぐ部室に向かった。部室へ着き中に入るがまだ誰もいなかった。


 「一番乗りだな」俊樹が言った。


そしてすぐ壮が入ってきた。

 「よぉ、早いな」


壮も来たので取りあえず話を始めることにした。


 「まず、何について話すのかは理解しているな」


壮は答えた。

 「もちろん、最近噂の夢の事だろ。てかお前体育の時間"夢のことか"って聞いてきたよな」


確かに、そう聞いた気がする。それより壮は俺らのクラス以外でも例の夢は有名であるかの様な喋り方をしていた。


 「そうだな、てか喋り方的にお前らのクラスでも例の夢は有名って事?」


壮は、何と言ってるんだと言う顔で言った。

 

 「はぁ?夢の噂はこの学校どころか、ここらへんでは有名な話だぞ」


そうだったのか!?全く知らなかったが言われてみれば、確かに最近は近所の商店街でも夢の内容と似た話をしている人がよくいた気がする。だが俺はいつもそのような話を耳にしたときは、どうせ確証がない都市伝説の類だなと思って特に気にもとめないでいたが、それがこんな大事だったなんてな…。


 「有名なんだな…へー」


 「お前、まじで知らなかったんだな…」


 「まぁいあ、では本格的に例の夢についての話を始めようか」


壮が淡々と話し始めた。


 「では、皆は例の夢の事を知っているだろうか…?て言ってもさっきもその夢の話をしていたから聞く意味ないと思うが…」


 「まぁいい、とにかく多分今回も俺達が動くべきだろう。」


俊樹が口を開く。

 

 「動くって言ってもよ、どうやるんだよ?まず夢の中に入らないといけないんだろ、夢の中なんてどうやって入るんだよ」


 「そこだ!」壮が言った。


 「どこだよ?」壮の突然の指摘に俊樹も戸惑った。


 「夢の中だ!」壮が確信づいたよな顔で言ったが、皆頭を傾げていたが壮は気にせず話し続けた。


 「夢の中に入るんだよ、俺たちには一人例の夢に入れるやつが居る…そう薫だ!」


 「確かに俺は例の夢に入れるが、俺一人でなんとかしろと?絶対無理だろ、まずあの空間内のどこも技が出しにくく戦いにくいんだよ!しかもその上、凶器を持った超スピードの奴の攻撃を避けなきゃならないんだぜ」


壮は言った。


 「技が出しにくいのは、お前がただ技を使いこなせてないだけじゃないのか?話を聞く限り別に技を出せないってわけじゃなさそうだし…しかもお前、技を初めて使ったのはついこの前だろ?そんなん技のコントロールをちゃんとできるわけないだろ」


確かにそうかも知れない…技も出せなくはないし、俺が能力を初めて使ったのはついこの前だちゃんと使いこなせなくてもおかしくがない。


俊樹が聞いた。

 「で、どうやってその肝心な夢に入るの?」


壮も口を開く。

 「ああ、本題からズレたな、まず薫が昨日あの例の夢を見たらしいんだ。」


 「ああ、それは知っていると言うか、その情報をお前に教えたは俺だけどな、しかもそれだったら薫しか夢に入れなくないか?」


 「ああ、そこなんだよ…でもその例の夢を見る対象に触れて共に寝たら同じ空間に飛ばされたと言う情報もあるんだよ」


壮の言葉に俺も俊樹も驚いた。


 「つまりもしかしたらここに居る全員で入ることができるかもしれないって事か?」


 「ああ、そうだ。ちゃんとした確証では無いが試してみる価値はあるだろう。」


 「でもよ、どうすんだ?誰かの家に泊まるのか?」


壮が答える。


 「その問題だが、俺の家に泊まろう。」


 「でも、いきなり良いのかよ?家族とかに迷惑じゃないのか?」俺も疑問に思っていたことを俊樹が聞いた。


 「ああ、そこの所は大丈夫だ!俺は、一人暮らしだからな。」


(そうだったのか…コイツ一人暮らしだったのか)


 「どういう事なのか分からないが取りあえず皆でお泊り会なんて楽しそうじゃないか。」俊樹が言った


 「まぁ、そうかもな…てか麗花と真田は?」俺はふと疑問に思ったことを壮に聞いた。


 「ああ、今回は俺たちだけで行くことにした。何より俺の家にそこまで広くないから、そんなに人が寝る所がないからな。」


【キーンコーンカーンコーン】午後の授業のよれが鳴りだした。


 「おっ授業が始まっちまうぞ、じゃあまた後でな」そう言って壮は部室から飛び出していった。


俺たちも教室に戻った。教室に着くとそこでも例の夢の話を皆していた。(コイツらはこんな都市伝説みたいなのが好きなのか?「次の標的はお前かもなー」とか「俺がにかかれば一撃だ」とか色々吐かしやがってよ、次の標的は俺なんだよ!)そう考えながら席に着いた。


そうして授業が始まった。授業中ほぼ俊樹は寝ており、コイツちゃんと夜寝れるのかなと思って心配になってきた。


〈そして放課後〉


壮が、魔研のグループラインで今日の活動は無いことを送ってきた。ほか二人への報告だろう。


俺達は、取りあえず壮のもとへ向かった。言っても隣の教室だがな。


 「おい壮、行くぞ」


 「ああ、そうだね」


そうして俺達は壮の家へ向かった。


 「俊樹の家ってこっち方面なんだな」


 「ああ、そうだが」


 「へー」


 「あまり興味無さそうだな」


 「まあな、てか俊樹は壮の家に行ったことあるのかよ?」


 「いや、ないよ」


しばらく歩き壮の家に着いた。普通のアパートだった。


 「おい、お前ら着いたぞ」


 「ここが壮の家か、てか家近くにレンタルビデオ屋あんじゃんいいなー」


 「確かにそれはいいな。」


壮が口を開く。

 「そんな事はいい、とにかく家に入るぞ」


 「おー」


そのような会話をしつつ、壮の部屋に入った。


 「おー確かに狭いなー」


 「黙れ」


俊樹は壮に軽くあしらわれていた。確かに壮の部屋は広くはなかった、だが一人で暮らすには十分な広さだった。


 「じゃあ、飯の準備だな!買い出しだな」


そうして俺達は、近くにあるスーパーに行った。スーパーに着き予算内で各々食べたい物などを買った。そして壮の家に帰り三人で食事をした。


 「こういうのも案外いいものだな」


 「ああ、そうだな」


そのような会話をしつつ、食べる手を進めた。しばらくして食事を終え風呂に入ることにした。


 「誰から風呂入る?」


 「誰でもいいんじゃね」


 「じゃあ、じゃんけんで決めよう!」そう俊樹が言ったのでじゃんけんで風呂に入る順番を決める事にした。


「じゃんけん、ポン!」


俊樹〈チョキ〉

薫〈パー〉

壮〈パー〉


 「っしゃ!じゃあ風呂入ってくるぜ!」そう言い、一人勝ちした俊樹は風呂に入りに行った。


 「俺らはどうする?」壮が聞いてきた。


 「どっちでもいいよ」


 「じゃあ、次は指スマでもするか」


そう言い指スマが始まった。結果は俺の勝利で俊樹の次に風呂に入るのは、俺になった。


そして皆、風呂に入り歯を磨いて布団を敷き寝る準備をした。


寝る準備をしたものの、すぐに寝付けなかったので眠くなるまで皆で話す事にした。


 「なぁ、薫は前の学校でどうだっただ?」


 「いきなりだな、前の学校では今と同じで普通だったよ」


 「ふーん、普通か」


 「で、彼女とかは?」俊樹が興味津々に聞いてきた。


 「いない」


俺はきっぱりと言うと、俊樹はつまらなそうに言った。

 

 「なーんだ、つまんねーの」


 「つまらなく悪かったな!じゃあ、そう言いお前はどうなんだよ!」


俊樹は勝ち誇った顔で言った。

 「俺は彼女いたぜ!お前と違ってなッ」


 「でも、今はいないじゃん」壮が言った。


 「うるっせーな!でもいた事には変わりねーだろ!てかそう言う、壮はどうなんだよ?彼女いたことあるのかよ?」


 「今もいるよ。」壮の一言で俊樹の表情が変わった。


 「えっ…そうなの今もいるんだ、へー」俊樹は何も言えなくなっていた。


そのような話をしていたら突然眠気がしてきた。壮に眠くなってきていると伝えようとしたら目の前が歪みあの空間にいた。


(間に合わなかった…)と思ったが床を見ると二人が倒れていた。


取りあえず起こすことにした。

 

 「お二人さん起きてくださーい」俺はそう言って二人を起こそうとした。

 

 「あと、五分…zzz」

 

 「ああ、寝てしまっていたか」壮が目を覚ました、がまだ寝ぼけているようだ。


どうやら二人共、この空間に入っていると気づいていないようだ。


 「寝ぼけてないで起きろ!まぁ起きろって言ってもこの夢の中だけど…」


 「えっ??夢の中」そう言い壮が完全に起きて体を起こした。


 「ああ、夢の中だ」俺は堂々と答えた。


 「マジでは入れたんだな…てか実際に入って見ると薄暗くて気味の悪い空間だな」そう言いながら壮は寝ている俊樹を蹴った。


 「痛ッて!何すだよ!」俊樹が起きた。


 「もう夢の中に入ってるぞ」壮が言う。


俊樹は驚いているようだった。「なぁ、薫ここが例の夢の中なんだろ…?ただの学校じゃねぇの?」


 「ああ、そうだ学校だ!夢の中のな」


俊樹は呆然としていた。呆然としている俊樹を横目に壮が喋り出した。「じゃあ、せっかく入れたんだしこの空間を作り出している元凶を探しに行くか」


 「ああ、そうだな」


俺達は、夢の中の学校を探索する事にした。




 

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