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早すぎる絶体絶命

小出しにしすぎて申し訳ありません。

今日はこの辺にしておきたいと思います。

「今回の勇者召喚は、通常の周期とは外れ___」

 俺は人間離れした聴力と視力を発揮し、群衆たちの観察を続ける。すると、一番前にいる黒いマントで全身を隠した人物が目に入った。

「!!」

 そいつを見た瞬間、長年(3年ぐらい)培ってきた本能が警鐘を鳴らす。俺は流れるように奴が何者なのかを知るため、解析魔法を発動させた。


 メアリー

 Lv.47

 種族:亜人(吸血鬼)

 称号:真祖 換魂の魔眼

 スキル:魔法(炎、闇)


 自身の魔力をほとんど使い果たすも、何とか黒マント改めメアリーの情報を見ることができた。

レベルが高かったり亜人の吸血鬼でさらに真祖だったり気になることはたくさんあるが、今注目すべき情報は、換魂の魔眼という称号だろう。魔眼というのをよく知らないが、効果はなんとなくわかる。あれだ、中身が入れ替わっちゃうやつだ。

 魔眼の対策を練ろうとしていると、俺が見ていることに気づいたのか、メアリーはフードを取って俺に微笑みかけてきた。

「!!」

 白い肌に、癖のあるボーイッシュな白い髪。そして、幼女神たちに負けず劣らずの美貌。小柄で少女と呼ぶのがふさわしい外見なのにもかかわらず、今見せている微笑みには妖艶さが混じっていた。

そして極めつけは左右で違う瞳の色だ。左の瞳は紫に近い赤色をしていて、髪の色といい、彼女の美しさを引き立てている。だが、魔法陣の刻まれた右の黒い瞳が妖しい雰囲気を醸し出していた。

どうやらあれが換魂の魔眼らしい。やはり俺の長年(2年だったけ)培ってきた感は正しかったようだ。

 換魂の魔眼を発動させたのか、メアリーの瞳の魔法陣が輝く。俺はすぐさま魔法障壁を張ろうとするが、魔眼に効果があるのかわからない。他にも様々な防御方法を模索してみるが、魔眼というものを初めて見たため、対処法が全く思いつかない。

 あぁ、そうそう。そもそもさっきの鑑定魔法で魔力を使いきっちゃったから、対処法を思い付いても何もできないんだよね。最初から諦めてたよ、うん。術式でアンデッドになるどころか、召喚された瞬間にこれとか不運にもほどがある。幼女神(黒)、いつか覚えとけよ………!!

 俺が諦めたとたん、体がメアリーのほうに引っ張られていくのを感じた。いや、これは俺の魂が引っ張られているのか。

 そんな感覚は一瞬で、俺は勇者を見上げる少女になってしまった。魔眼の光に気づいたのか、高台の真下にいたおそろいの鎧を着た騎士たちが俺を取り囲む。こうなる前に止めろよとか、ガタイがよくて囲まれてめっちゃ怖いんだけどとか言いたいことはたくさんあるが、騎士たちに今の状況を説明する。

「落ち着いて聞いてくれ。俺はさっき、この魔眼の効果によって魂が入れ替わってしまったんだ」

 自分で聞いてびっくりするほど高く少女らしい声が出た。そんな少女の言葉を聞いた騎士たちは、怪訝そうな顔をする。

 それもそうだ。急に勇者と入れ替わったと言われてもすぐに理解できるもののほうが少ない。だが解析魔法を使える人が俺のステータスを見れば、すぐに俺の言葉が真実だとわかるはずだ。

とにかく解析魔法を使える人を読んできて欲し_________

「■■、■■■■■■■■?■■■■■■■■■!」

 待って、今なんて??

 騎士の一人が俺に話しかけてくるが、その言葉を理解することができない。そういえば、今まで俺の言葉が通じていたのはワードマスターとかいう称号のおかげだっけ。

 今日何度目かわからない窮地を迎え、乗り越えるにはどうすればよいのかを考えていると、先ほどまで聞こえていたサラの演説が聞こえないことに気づいた。高台の上を見ると、俺に成り代わったメアリーがサラに耳打ちをしているところだった。サラの今まで微笑みから崩れることのなかった表情が驚愕に染まる。そしてこちらを見て何かを叫んだ。

「■■■■■■、■■■■■■■!」

 言葉が通じなくても、なんとなく自分がヤバイってことだけはなんとなくわかった。サラの視線は俺だけでなく騎士たちにも向いているので、どうせ俺を捕まえろとかそんな感じのことを言ったのだろう。

 しかし、素直に捕まる俺ではない。逃走は前の世界で散々してきたのでお手の物だ。

 騎士たちの手が俺のほうに伸びてくる。俺はそれを避けようと一歩を踏み出し、そのまま駆けようとして______

「あうっっ!」

足をもつれさせて転んでしまった。その隙を騎士たちが見逃すはずもなく、たちまち取り押さえられてしまい、動けなくなってしまった。

 どうやら俺とメアリーの対格差がありすぎて、イメージ通りに体を動かすことができなかったらしい。

「ぼ、暴力反対……!!」

俺は必死に抵抗しようと反撃を試みるが、うまく体が動かない。ならば、と一か八か使い方の分からない換魂の魔眼を発動させようとするが、後頭部を思いきり殴られ意識を失ってしまった。

今日の夜にも投稿するかもしれません。

しないかもしれません。

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