次の日の朝
話の切れ目的にかなり短いです。
「んむぅ……………………」
朝目が覚めると、俺は何か柔らかいものに体を包まれていた。
「…………………………」
手探りで頭の下にあるそれを触ると、柔らかいクッションのような、枕のような、すべすべしてひんやりした何かが、俺を優しく包んでいた。
そして、目を開けてソレを確認すると_______
「うおっ!!」
俺を包んでいた柔らかいものの正体を見て驚いた俺は、飛び起きた。
すると、俺が起きたのを見たスライム2匹は下敷きになって潰れていたが、ゆっくりと膨らんで元の形に戻った。
「どおりで気持ちよく寝れたわけだ」
いつもは周りを警戒して眠りを浅くしていたが、今日はしっかりと眠れていたため疲れが取れていた。
固い地面で木に寄りかかって寝ていた時とは違い、命の危険があることを無視すれば柔らかいスライムをベッドに眠ることができたのだ。
「そのせいで寝起きは最悪だったけどな……………………」
昨日の夜はこいつらと一緒にいたが、そばにいても警戒しながら眠ろうとしていた。だが、こいつらが俺にぴったりとくっついてきてからの記憶がない。
多分というか確実に、誘惑に負けてしまったのだろう。
「でも、こいつらの目的が俺を食べることじゃないことが分かったな」
もし俺を襲うつもりなら、寝ている間に俺の体は溶けていたはずだ。
俺の体が溶けていないということは、こいつらは俺を食べるつもりはないのだろう。
「_____ん?」
だが、俺の体が溶けていないか眺めていた時、あることに気づく。
「体がきれいになっている?」
一応水魔法で体をきれいにしたりなるべく汚れないように魔力で体をコーティングしていたのだが、それでも汗や土汚れなどは完全に取れなかった。
だが、今の俺は体がきれいになっているどころか肌がつやつやになっていた。
「こいつらがきれいにしたんだよな…………………ってことは_______」
俺を食べようとしていたのか?
いや、それだと俺の体が溶けていないことの説明にはならない。
食べるなら俺の体は溶け、朝が来ることが無かったのだ。
「それに_______」
そもそもこいつらは、なぜクッション代わりになったんだ?そもそもこいつらにそんな知識も知能もないんじゃないか?
「…………………………」
考えれば考えるほど、スライムたちの信用が下がっていく考えが浮かんでくる。
俺はそれを確かめるために、近くの土を手に取って刷り込むように手を汚した。
そして、土で汚れた両手を2匹に差し出すと______
「_______おぉっ!」
俺の手を1本ずつ体で包み込んだ2匹は、俺の手を溶かすことなく汚れだけをきれいに溶かしていった。
どうやって汚れだけを溶かしてそれがどこに消えていくのか分からないが、こいつらは俺を食べるつもりはなく、ただきれいにしてくれているだけらしい。
「疑ってごめんな」
なぜきれいにしてくれるのか、クッション代わりになってくれるのか分からないが、これでこいつらに俺を食べようとする意志がないことが分かった。
だが_______
「あの………………………汚れも取れたんでそろそろ離してもらっていいですか?」
汚れが完全に取れてもしばらく俺の手を離れることがなかったことに、一抹の不安が残った。




