1st Stage ー5
ドカァン!!!!!!!
「きゃぁ!!」
「うわぁ!!」
何が起こったのかわからなかった。
私は驚いて叫び、その場に思わずしゃがみこむ。
結斗も同じように、その場にしゃがみ込んでいた。
爆発音とともに、まるで地震が起こったかのように、教室に全体が揺れ窓ガラスがビリビリっと震えていた。
―――ジリリリリリリリリリリリリリリリリ―――
「なっ!?」
次の瞬間、警報器のけたたましい音が教室中に鳴り響きだした。
思わずその音の大きさに、耳を手で覆う。
「……っ!おい、葵、大丈夫かっ!?」
警報音で我に返った結斗が、慌てて私の元へ駆け寄ってきた。
私は状況が飲み込めず、ただただ、頷くことしかできなかった。
「い、一体何が……」
そう言った時だった。
――火事だっ!!
何処かで小さく叫ぶ声が聞こえた気がした。
結斗にも聞こえたようで、彼と目が合う。
「火事……?」
教室内をキョロキョロと見回す。
だが、特に煙も、焦げ臭いような臭いも、何もしない。
気のせいか?と思ったその時だった。
『火災が発生しました!生徒は速やかに先生に従い、避難しなさい!これは訓練じゃない!急ぎなさい!』
慌てた様子で、まるで叫ぶような先生の校内放送がいきなり流れてきて、私は結斗と顔を見合わせた。
明らかに、いつもと違う、避難訓練なんかとは比べ物にならないほどの、切羽詰まったような様子の声に、私は結斗と顔を見合わせる。
「に、逃げるぞ!」
「う、うん……!!」
ハッと我に返った結斗が、放送の言葉の意味に気付き、教室の窓際へと駆け寄って、窓を開けた。
私たちのいた特別教室は、幸いなことに1階だったので、そのまま窓から校庭へと飛び出した。
校舎の方から、叫び声のようなものが聞こえてきていたが、校庭にはまだ誰もいない。
「さっきの火事って放送……」
そう言って、私が振り返った時だった。
結斗が真っ青な顔で、校舎を指差している。
指された先、校舎の4階の一角から、大きく炎が上がっているのが見えた。
そして、近くの廊下を生徒が必死で走る姿や、生徒を誘導している先生の姿も。
「な……なに、あれ……」
足ががくがくと震える。
立っているのがやっとで、私は、結斗の腕をぎゅっと掴んだ。




