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Luck TesT  作者: まきろん
16/36

1st Stage ー5

ドカァン!!!!!!!


「きゃぁ!!」

「うわぁ!!」


何が起こったのかわからなかった。

私は驚いて叫び、その場に思わずしゃがみこむ。

結斗も同じように、その場にしゃがみ込んでいた。

爆発音とともに、まるで地震が起こったかのように、教室に全体が揺れ窓ガラスがビリビリっと震えていた。


―――ジリリリリリリリリリリリリリリリリ―――


「なっ!?」


次の瞬間、警報器のけたたましい音が教室中に鳴り響きだした。

思わずその音の大きさに、耳を手で覆う。


「……っ!おい、葵、大丈夫かっ!?」


警報音で我に返った結斗が、慌てて私の元へ駆け寄ってきた。

私は状況が飲み込めず、ただただ、頷くことしかできなかった。


「い、一体何が……」


そう言った時だった。


――火事だっ!!


何処かで小さく叫ぶ声が聞こえた気がした。

結斗にも聞こえたようで、彼と目が合う。


「火事……?」


教室内をキョロキョロと見回す。

だが、特に煙も、焦げ臭いような臭いも、何もしない。


気のせいか?と思ったその時だった。


『火災が発生しました!生徒は速やかに先生に従い、避難しなさい!これは訓練じゃない!急ぎなさい!』


慌てた様子で、まるで叫ぶような先生の校内放送がいきなり流れてきて、私は結斗と顔を見合わせた。

明らかに、いつもと違う、避難訓練なんかとは比べ物にならないほどの、切羽詰まったような様子の声に、私は結斗と顔を見合わせる。


「に、逃げるぞ!」

「う、うん……!!」


ハッと我に返った結斗が、放送の言葉の意味に気付き、教室の窓際へと駆け寄って、窓を開けた。

私たちのいた特別教室は、幸いなことに1階だったので、そのまま窓から校庭へと飛び出した。

校舎の方から、叫び声のようなものが聞こえてきていたが、校庭にはまだ誰もいない。


「さっきの火事って放送……」


そう言って、私が振り返った時だった。

結斗が真っ青な顔で、校舎を指差している。

指された先、校舎の4階の一角から、大きく炎が上がっているのが見えた。

そして、近くの廊下を生徒が必死で走る姿や、生徒を誘導している先生の姿も。


「な……なに、あれ……」


足ががくがくと震える。

立っているのがやっとで、私は、結斗の腕をぎゅっと掴んだ。


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