六話 好き勝手に言われました
六話 好き勝手に言われました
スナイパーライフルをバラバラにして、それぞれの部品を掃除しながらスミス姉妹は質問を続ける。
「へえ、要さんには妹がいるのか。名前は?」
「高星能。親が離婚して苗字が違うんだ。今ネットで服屋をやってる」
「僕等の服頼めるかな?」
「あいつは手先が器用だから、いけるかもしるない。今度頼んでみようか」
要はエスパーダに言ったつもりだったが、喜んだのはスミス姉妹のほうだった。
「やった! ありがとう」
「要さんからもらったお金で買うよ」
エスパーダに二人とも小突かれる。
「嫌味ったらしい。私だってまだ要の妹に会ったことないのに」
「僕等は商取引をするだけさ。姉御みたいに家族になろうってんじゃない」
「どう思われようと構わないってことさ」
「むむむ……」
エスパーダが考え込んでしまった。
「姉御は妹さんに好かれたいみたいだね」
「それだけ要さんは好かれているってことさ」
「そうかな」
「僕等をゲームに誘うことは忘れてるみたいだからね」
「しつこかったもん」
「あははは……」
要が笑うと、エスパーダがスミス姉妹を小突いた。
「余計なこと言い過ぎ」