五話 スミス姉妹と話しました
五話 スミス姉妹と話しました
エスパーダは一度要達の視界から消えて、スナイパーライフルを持ってきた。
この部屋のどこかにエスパーダの衣装部屋があるようなのだが、要はどこだか知らない。知ろうとも思わない。一つくらい秘密の場所があったほうが良いと思うからだ。
「僕等は作業を始めるけど、話をしながらで大丈夫」
「むしろ話さないと作業効率が落ちるんだ」
スミス姉妹はアックスのリュックからシートを取り出し、テーブルの上に広げた。そして分解していく。
「要さんは姉御のどこにホレたの?」
「一目ボレだから」
「で、性格がアレと」
「おい」
レフトハンドが小突かれた。
「小人族だからってあきらめることはなかったの?」
「いや、それは考えたことなかったな」
「でも人間がムラムラしたら、姉御じゃ厳しいんじゃ……」
今度はライトハンドが小突かれた。
要はその質問には答えなかった。自分でも答えの出てないことを気軽に言って、変節してしまうのは良くないと思ったからだ。自分の性欲について語るのが恥ずかしいという面もある。
「でも異種族の恋愛では避けては通れないよ」
「僕等ピクシー族も小人族と付き合うのかなり障害あるし」
「姉御も考えておいたほうが良いよ」
「そうだね」
エスパーダの表情が真剣味を帯びた。