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第八話 遅れまくった誕生会 後編


 前回のあらすじ

 天の羽衣(女装備)装着!

 終わり。


 あらすじって必要ですかね?



 魔法を限界まで使い続けるとポックリ死ぬのを知った。

 そこで、一つ疑問に思ったのが…常時発動している魔法は出来ないのか?

 俺の直感だが、答えはノーだ。


 魔法を使ってる時、何かを使ってる、減ってる感じが内と外で感じられる。

 内で減ってるのは魔力。

 外で使ってるのは何か。

 名前を付けるのだとしたら、マナかな?

 役割を例えるなら、魔力はCPU、マナは電力だろう。

 うん、多分これだな。


 何で、マナなんて物を使っていると考えたのか……エネルギーを使わずに現象を起こせるかっていう至極全うな考え方をしたからだ。

 だから、マナの無い空間とかに行けば魔法が使えないはず。


 それで、この世界では付与魔法とか無いのでは?と考えに至った。

 何せ、魔法使う=魔力を消費。

 魔力が少なくなる=白っぽい子は死ぬ。

 使う度に魔力を消費するかもしれない付与魔法を作るわけ無いし、そもそも考え付いてないかもしれない。

 だから付与魔法された物とか、かなり貴重になるはず。そうすれば、難癖はなんとか出来そう。

 だから、問題は……。


「婚約とか嫌ですね」

「それは私がなんとか出来るよ?」

「ほんとですか?」

「出来る出来る。だから、服が問題なのよ」

「それはもう解決です。この天の羽衣で押し黙るでしょう」


 リリスが婚約関係はなんとかしてくれるらしいので、完成した羽衣を着ていけば問題ない。


「天の羽衣?ってどんなの?」

「飛ぶ布です」

「魔法で飛ぶの?余り長時間使うと死ぬよ?」

「魔法を使うのは、付与した最初だけです。後は、自動でマナ補給して飛びます。あと、面白そうなので光らせました!」


 そう言って、完成した羽衣をリリスに見せる。話してる間に出来たのだ。

 光って、装備者が思った所まで浮かせて、移動も出来る!完璧な羽衣だ。


「何これ。光ってる。中に漂ってる……」

「この珍しい布を着ていけばなんとかなるでしょう。高級な服より価値があるように見えるはずです」

「原理はわからないけど、これなら……」


 そして、誕生会当日になったのだ。

 一応、ママンが服を用意してくれたみたいだけど、羽衣で身体を巻きまくるので着ない。

 ただ、着るのに時間が掛かった。足に巻いたら足が浮いて、腕に巻いたら腕が浮く。

 非常に着にくい。

 肩に掛けるだけで浮ければ良かったのだが、布だけ浮いて身体は地面に落ちる事になったのでミイラ女になるしかなかった。

 品位の欠片あるのだろうか?


 いざ入場する時、リリスはオバチャン姿にしていた。

 もしや、リリスが俺の世話をしているのを国に知られたくないのだろうか。

 そんな事を考えながら入場したら、会場内が静まり返った。

 羽衣で浮いているのを見てビックリしているのだろう。


 実はリリスと今日の打ち合わせをしていて、俺は一切喋らない事になっている。首を振って、肯定も否定もしてはならない。ふわふわと、浮くだけ子供を演じるのだ。


 先ずは、ママンとパパンの所に連れていかれた。

 パパンはビシッとしたこの国の貴族の正装?を着ていて、ママンはお腹が膨れている……ん!?

 まさか、パパン!

 ママンをもう孕ませたのか!?

 お腹の大きさで何ヵ月かなんてわからないけど、かなり大きいぞ!

 パンパンに膨らんでる……。

 これ、今日にでも産まれてもおかしくないんじゃ……。

 というか、最近見なかったのはこれのせいか。

 リリスとママンがいろいろと話している間にそんな事を考えてたんだが、問題が歩いて来た。


「やあやあ、マーグル子爵。最近どうだい?」


 パパンと同じような格好の人が話しかけてきた。パパンはマーグルという姓で階級は子爵なのか、始めて知った。……男爵の一個上だっけ?

 パパンも慣用句と思われる言葉で返す。良くわからんよ。

 調子が良いの?から入り、領内の平民の仕事に関しての愚痴、言い方からしてパパンの領内の平民に対する悪口、更には何やらを安くしろかこっちにも分け前を寄越せと捉えることが出来る言葉を言ってくる。

 やっぱり、貴族やだ。

 日本の政治家もこんなのだったのだろうか。気持ち悪ぅ、うぇっ。


 そんな話が続いた後、漸く俺の話になった。


「ふむ、この子が君が平民に作らせた子か。中々に整ってるじゃないか。それに何だこの服は?光ってるぞ」

「この布はリリィ様の為に、特別に用意された物で御座います。何処でどの様に造られたかは不明ですが、自由自在に中を飛び、光り輝かせる力を持っております」


 リリスが説明する。ま、造ったのは俺だけどね。

 言わない方が平和だろう。


「なるほど。……所で話が変わるのだが、君さえ良ければ、我が家の三男と婚約しないかね?既に妻が三人いて、子も複数いるが。どうだ?」


 どうだ?じゃねぇだろ!

 二十歳以上離れてるだろ、それ!

 このおっさん、ここまで失礼な事が出来るって事は、かなり上か?

 辺境伯?侯爵?更に上の大公?


「申し訳御座いません。リリィには既に婚約者が御座います」

「む、マダム。その様な事は聞いていないのだが?」


 ママンが平民だからか、かなり強気だな。おい。


「此方が、その証明書で御座います。ほんの数日前にですが決まりました」

「チッ……先を越されたか。何処の誰だ。女中よ、見せたまえ」


 リリスが証明書をおっさんに見せる。……これが何とかすると言っていたやつか。正直、婚約してるって聞いた今、かなり動揺している。

 彼女いない歴=年齢の男子高校生に婚約者という将来の旦那が居たのだ。動揺しないわけ無い。嫌だなぁ。結婚したくない。


「んんん?失礼を承知で伺うが、本当にこの方なのか!?」

「ええ、間違いありません。ご本人様が自らお出でになって調印致しました」


 おっさんがかなり動揺している。良い気味だ。

 リリスは若干、愉悦?に浸った顔になってるぞ。誰なんだ?


「り、リリス・ヴィルウィル……世界に一人しか居ない白の魔法使いではないか!」


 会場内、騒然。私もビックリ。

 え?リリス?世界に一人の白の魔法使い?

 横に居る、リリス!?

 女ですよ!?

 婚約成立するんですか!?

 ありがとう!!!Yeah!

 違う!そうじゃない!

 一言も相談されてない!


「ふふ、先ずは一手です」


 リリスが小さな声で言う。

 俺にだけ聞こえるように言ったのだ。

 あら、やだ。

 リリスって黒い女?

異世界行って、嫁ゲット!

歳の差、三百歳!

でも、許す!

可愛いと綺麗は正義です。

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