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第三話 零歳児の行進 前編

☆前編☆

つまりは、次があるということだ!


 前回のあらすじ☆

 親の胸には興奮しない。

 プライドは不燃物として捨てました。

 終わり!


 前回も碌でもない回でしたね。

 今は、誕生から三ヶ月が経ったと思います。

 え?

 なんで思います、かだって?

 赤ちゃんってね、よく寝るのよ。起きて寝てを一日に換算できない程に起きて寝てを繰り返します。辛いです。感覚壊れそう。


 外が明るいと暗いを起きてる間に覚えて、計算したら多分三ヶ月です。

 あと、首が座ったから三ヶ月だと予想しました。

 テレビさん、ありがとう。あなたのドキュメンタリー番組を思い出すことが一番役に立ってます。


 で、ですよ。

 私の親、金持ちっぽい。

 いやね、生後一週間ぐらいまではママンのミルクを飲んでました。

 今は、乳母のを飲んでますね。


 なんでそれだけで、金持ち認定かって?

 今までにママンの服装でベールを着けて何人も来たからですよ。


 乳母は何らかの理由で母親が授乳出来ない時に代わりに飲ませる存在です。

 突然、乳が出なくなって乳母が代わりに来たなら金持ちではないと思うけど、ここには計画性がありました。



 初日。

 赤ちゃん部屋?に俺一人がいて。

 お腹が空きました。

 どうにかしてミルクを摂取しなければ死んでしまいます。

 一人なので、物音を立てて呼ぶことが出来ません。

 では、どうするのか?


「おぎゃぁ!おぎゃぁ!」

 (おぎゃぁ!おぎゃぁ!)

 これしかあるまいよ。

 プライドは死んだ。もういない。


 程なくして、白いベールを被った人が一人だけ入ってきた来ました。

 その人は俺の前まで来て、白いベールを上げて顔を見せました。

 そう、ママンだったのです。



 はい、一旦ここで止めますね?

 ここが重要な所です。テストには出ません。


 何故、ママンは白いベールを着けて入ってきたのか。

 ①宗教で定められてるから

 ②部屋に入ってるのが自分だとバレないため

 ③何らかの理由の為


 こんな所でしょう。

 この時、私は宗教だと思ってました。

 ある宗教には家族や旦那以外には素顔を晒してはならないとかあったはず……あれ?国だったっけ?

 くそ!テレビくんの記憶が薄くて忘れた!

 まあいい。別に重要な事じゃない。些末な問題だ。


 二、三日は同じ行動だったんですよ。

 でもね、それ以降は顔を見せる時間をかなり削ってきましたね。

 最後の日は顔を見せませんでしたし。


 ママンが来なくなった日がどうして正確にわかるのかって思っている方がいますね?

 それは、おっぱいですよ。



 八日目。

 昨日はママンの顔見てないなぁ。なんかあったのかね?

 ぐぅぅ……。

 お腹が空きました。……。


「おぎゃぁ!おぎゃぁ!」

 (おぎゃぁ!おぎゃぁ!)

 慣れたもんですよ。

 私も立派なおぎゃりッショナルですね。

 部屋に人が入ってきました。

 ママン、今日は顔見せてくれるかな?

 いつものように、俺を抱き上げ……なんかいつもと違う手順だったぞ?

 おぱいを吸わせる為に脱いだマ……違う!ママンよりちょっと大きい!これは念入りに乳遊びをせねば!


 乳遊びは変態的行為ではない事をここに弁明しておきます。

 乳を出やすくする為に揉んだりしておっぱいを弄るのです。

 てか、これをしないとなかなか出てこなくて、最初は吸うのすら戦いだったぞ!

 赤ちゃんは生きる行為すら筋トレです。



 はい、この時に念の為に乳遊びを利用して、顔を少し確認しました。

 ベールなのでフワッと一瞬しか見えませんでしたが、別人でした。

 乳母さんは一瞬だけビクッてしましたが、俺が気にせず飲み始めたので、見られてないと思い普通にしてました。


 それからも乳母さんが来るので、ママンに何かあったのかと赤ちゃんたる私は心配したわけですよ。

 なので、ベールを掴んで引っ張って遊んでみたんです。

 顔を見られないようにしてたって事は、見ようとしたら何らかのアクションをしてくるはずなので。


 ベール遊びしてたら数日後には、ママンが来ましたよ。健康でした。

 その時に、確認もしました。


「ばぶぶ、ばぶー」

 (ミルクでも貰おうか)

 ってね?

 ちゃんと吸わせてくれましたよ。味も今までと変わりなく。


 ここで、一つの番組を思い出したんですよ。

 赤ちゃんは乳をくれる女性を母親だと思うって。更に、顔を覚えると。


 ベールは最初から誤認させない為の物で、ママンがお世話しなくてもママンを母親だと認識させる為に顔を徐々に見せなくしてきたのでは?


 赤ちゃん部屋に俺一人。

 乳母はおっぱいの違いから数人はいる。

 ママンはベール遊びをして顔を見ようとすると来る。

 これ等から導き出されるのはただ一つ。


 俺の世話をするよりママンが自分の事をしていた方が利益になる。乳母を複数人雇っても問題ない程に。


 勿論、お金が少ない人達で赤ちゃんの面倒をみて、乳母をしていたって過去はある。でもそれは、複数の赤ちゃんが一緒に居たり、乳母が顔を隠したりしていない。


 今の俺のような状況が時代劇のシーンであったはずだ。大名の赤ちゃんであったり、ある方の隠し子だったりで金を持ってる人の育て方なんだ、これは。


 うーむ、もし時代が貴族社会で俺が貴族の子として産まれたのだったら、楽は出来ないだろうな。

 根回しとか大変だろうし、毒とか暗殺とか考えないといけないだろう。勿論、やるとやられるの両方を。


 貴族やだなぁ。



 人生っていうのは悪い方の考えがよく当たるのだと、数ヵ月後に思い知るのであった。

えぇ!?

楽な生活させてくださいよ!作者!

俺を物語のために殺して、転生させるなんて!

命はおもちゃじゃないんだぞ!


楽しくて作った。許されようなんて思ってない。

苦しみや悲しみも作るけど、それと同じか

それ以上の楽しいと嬉しいを生むのが作家の業。



なんで、後書きでシリアスしてんの?

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