第二話 最初に捨てたもの
前回のあらすじ☆
死んで転生してばぶばぶした。
終わり!
いやぁ~、前回は酷かったですね!
死んだの最悪で、転生したのは最高でした。ばぶばぶはなけなしのプライドをおしゃぶりにした。
……辛いです。
さて、俺のなけなしプライドよりも重要な事があります。
ここはどこ?私は誰?状態をどうにかしたいです。
希望的観測で異世界転生したと思っていますが、ただの海外でしたって落ちに成りそうで不安不安。
なので、先ずは観察しまくることにしましょう。
先程から未知の言語で話している男女。
たぶん、俺の親。
服装は……?よく分からん。
女性の格好はだぼだぼの前が開けやすそうな服を着ている。
そりゃそうだよな。産む時にキツキツの服とか着ないわ。
男性は、スーツ?みたいな服か。
スーツ着たこと無いからどこからどこまでがスーツと呼ばれるのか分からん。とりあえず、ビシッて着てたらスーツでいいか。
ていうか、医者は居ないのか?産婆?も見当たらないし。
布で抱き抱えられてるからスポーンした瞬間程寒くは無いけど。
今も普通に寒いからな?気分的には、真冬に雨に打たれて凍えながら家に帰ってきた状態だからな?
ガチャッ。
寒さを訴えようとした時、扉が開く音がした。
「&%{*??+``+*?”~=!!~!」
いや、だから分からんがな。
あと、首動かせないので見えません。
なんか入ってきた人と男女が言い合っていますけど割愛。
わからん情報をこれ以上増やさんといてほしいのですよ。
入ってきた人は話し合いの末?私を奪取。
え?奪取?
お湯で蒸らした布で丁寧に身体を拭いてくれました。
「おぎゃぁ、ばぶっぶぷ~」
(あったけぇ、生き返るわー)
きっとこの人が医者か産婆的な人なのだろう。
感謝!圧倒的感謝!まじサンキュっキュー。
ばっば、最&高だぜ!
絶賛している最中も丁寧に扱ってくれていた、ばっば。
ばっば、私はいつおぱいを吸えるのでしょうか?性的興奮のためではありません。生存戦略です。ください。(真顔)
拭き終えたばっばは、俺をたぶんママンの所に連れていった。
なるほどね。これからスーパーミルクタイムに入る訳ですな。
ちゅぱちゅぱするのは理解しましたがな?
ばっばはなぜゆえ、ママンの乳搾りをしておるのですかな?
……俺さ、吸うプレイをするんだなって思って少しは興奮してたんだと思う。けどさ、母親の胸には反応しないように出来てるんだなって実感したよ。
搾りを見ててそう思いましたよ。
パパンはチラチラ見てて興奮してる感じだけど。
ばっば?
なんで搾ったミルクを布に染み込ませるので?
そして、どうして染み込んだ布を俺の口に突っ込もうと構えてるので?
そんなことしなくても、我わかりまするぞ?
むぐっ!
無理矢理挿入されて口が犯されました。
……ちゅぱちゅぱ吸いながらなんでこんなことしたのか考えた。
そう、答えは簡単だった。
我は赤ちゃんで、赤ちゃんは乳を吸う行為を直ぐには出来ないのだろうと。もしくは、乳が何なのかわからないだろうと。
昔、テレビでやってたよ。
産まれたばかりの子牛にミルクを入れた哺乳瓶を無理矢理飲ませてるのを。
……いや、でもあれは経済動物だから直ぐに親と離して人間が飼育するためだよな?自然に吸わんのか?
吸うとしてもかなり時間が掛かるのか?
身近に妊婦や産んだ時の事を教えてくれる人が居なかったから、全くわからん。
ま、とりあえず。吸います。吸いますとも。
出来れば、哺乳瓶に入れたのを飲みたいな?
身体は赤ちゃんでも、心が大人なので親のおっぱいを吸うのはかなり抵抗が。
吸い終わったら、ママンに抱かれました。そして、案の定なんですが、吸えるように乳首を口元に移動してきましたよ。
産まれたばかりってこんなに飲ませるのか?初乳だからか?
吸わないでいると、ママンが心配そうな顔で見てきます……。吸います。
あぁ、今回も駄目だったよ。
なけなしプライドは産まれたと同時に切り捨てないといけないらしい。
赤ちゃんに成人の意識があったら大変そうだなぁって思いながら書いてました。
転生物の主人公って大変ですね。