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フェアリーランタン ~異世界Side~  作者: 純粋どくだみ茶
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005話.かれーめん

挿絵(By みてみん)

魔法ランタン(フェアリーランタン)


妖精ルリは、異世界のおじさんからもらったという”かれーめん”なる食べ物を食べようとペリエにお湯を沸かす様にと言い出した。


容器のふたを開けると今までにかいだ事のない不思議な匂いが辺りに漂いはじめる。


すると焚火の上に乗せたポットの蓋がコトコトとなり始めた。


「ここにお湯を入れて」


妖精リルの言うがままにポットで沸かした熱湯を容器に入れると、周囲にさらに鼻をくすぐる匂いが充満しはじめた。


しばしの無言の時が流れたあと、妖精ルリが容器の蓋を開けてフォークで容器の中をかき回し始めた。


「うーん、やっぱりかれーめんが一番だね」


そう言いながら異世界の麺をするる妖精ルリ。


その光景をじっと見つめるペリエ、キー、シルキーの3人。


自身が食べてる光景をじっと見られている事に気が付いた妖精ルリ。


「食べたい?」


その言葉に思わず首を縦にふる3人。


「しょうがないな」


そう言いながら妖精ルリが魔法ランタンから同じ容器を3個持って来て皆に配りはじめた。


「異世界のおじさんがくれたかれーめん。貴重なものだから大切に食べてね」


手渡された見た事の無い容器。それに書かれた読めない文字。複雑な文字が幾重にも描かれた容器が異世界が垣間見れた気がした。


ペリエは、慌ててポットに水を入れると焚火に薪をくべて湯を沸かし始めた。


どんな味がするのか楽しみしていると、妖精ルリが今までに無いほどゆっくりとあkれーめんを味わって食べている。


焚火の上でポットがコトコトと二が鳴り始める。


3人は、かれーめんの蓋を少しだけ空けるとポットの熱湯を注いで香る匂いを楽しみつつ時を待つ。


「もういいと思うよ」


妖精ルリの言葉を促されながら異世界の容器を手に持ち蓋をはがし、フォークで容器の中をかき混ぜながら麺を口にhこぶ。


口の中に今まで感じた事のない香りと味が広がる。思わず一切の言葉を放つ事もなくかれーめんを口に運び続ける3人。


そして容器の中のスープを全て飲み干した。


「美味しかった」


「美味い。異世界には、こんな食べ物があるのか」


鍵妖精のキーは、空になった容器の中をじっと見つめて放心状態になっている。


すると妖精ルリが何を思ったのか背中の羽で飛び立つと野営地の上空でいきなり水魔法を使いはじめた。


妖精ルリの頭の上には、巨大な水の塊が現れそれを森に向かって何度も投げ飛ばす。水の塊は、家ほどもある大きだ。


「凄い。水妖精の魔法ってあんなに大きな水の塊を出せるんだ」


「やはり魔神をこの世界から追い出すには、妖精様ごご助力は必須だ」


空から降りて来た妖精ルリは、少し不満そうな顔をしていた。


「まだ以前の力が戻ってないや」


「以前の力?もしかして以前は、もっと力が強かったの?」


「うん。水の塊ならあれの100倍くらい大きなものも出せたよ」


その言葉に絶句する3人。


「さて、食事のあとの腹ごなしも終わったから寝るね」


妖精ルリは、そう言い残すとそそくさと魔法ランタンの中へと戻っていった。


森の木々から水が雨の様に落ちる音を聞きながら幕の中に戻る3人。


魔神達がこの世界に来る前までは、この世界で最強と言われた種族の片鱗を垣間見る事が出来た貴重な時間であった。


朝になり幕を撤収して次の街へと向かうペリエ達。


そして次の街は、国境の近くにあり幾度となく隣国との戦場になった場所だ。


そういった街の武具屋には、呪いがかけられた武具も多く集まる。


ペリエは、今までも幾度となく戦場に潜り込みそういった呪いがかけられた武具を集めては、呪いを解いて売りさばいて来た。


まあ、ある意味火事場泥棒と言ってもよいが子供がこの世界でひとりで生きていくには、それくらいの生き汚さがないと生きては行けないのだ。


街への城門に近づくと街の警備隊らしき兵隊があわただしくしている。恐らく隣国との闘いが近いのだろう。


ペリエ達が城門を通ろうとするとひとりの兵士が声をかけて来た。


「お前達、この街はもうすぐ戦場になるから逃げた方がいいぞ」


「そうなんですか。食料を買いたいんです」


「市場は、殆ど閉まっているから無理だと思うぞ」


「市場が閉まってる・・・。もしかして街の武具屋とかもですか」


「ああ、国境の川向うに敵軍が終結しているからな。住民も街の防衛に駆り出されて街から出られない状態だ」


兵士の言葉を聞いて思わず唖然とするペリエ。実は、背負った大きな鞄の中には、1日分の食料しか無い。


このまま別の街に向かうにしても途中で食料が尽きてしまう。


「店は少しなら開いてると思うが戦時下だから高いぞ」


「分かりました。ありがとうございます」


ペリエ達は、仕方なく開いてるという店で食料を買い込む事にした。多少値が張っても食料が無くては動けなくなるからだ。


そして数少ない開いている店に入ると驚きの光景が広がっていた。


価格が通常の3倍もするのだ。パンも野菜も肉も全てがそうだ。


店主曰く。


「今は、戦時下だからどうしようもない。それに近隣の街や村から物資の輸送が滞っていて入って来ないんだよ」


近隣の村には、既に敵国の先遣部隊により占領が始まっているという話だ。だからこの街は、いつ包囲されてもおかしくないという事らしい。


「もしかして僕達を追って来た兵士達って・・・」


「あの兵士達は、殺気立っていた。あれは、私達を追って来たのではなく周辺の街道を封鎖するか、或いは偵察を行っていた敵国の部隊だったのかも知れない」


ペリエの言葉にそう答えるシルキー。


そんな話をしながら仕方なく3倍の価格で食料を買い込んだが欲しい食材の半分くらいが無いという散々な状態だ。


「食料は買えたけど2日分も無いよ。それに街が敵に包囲されるかもしれないっていう話だから、今から街を出る訳にもいかないね」


思わず考え込むペリエ。


「武器屋も閉まってるから呪いのかかった武器を入手するとしても闘いが始まってからでないと無理だし」


手持ちの金も残り少なくなりかなり先行きが怪しい。このままでは数日中に食べるものにも困るのは明白。


悩んでいるペリエを見て何か思うところがあるのか、妖精ルリが鞄の上から飛び立ち何処かに消えていく。


しばらくして戻って来た妖精ルリの手には、何やら文字が書いてある紙切れがに具られていて、それをペリエの目の前でバサッといきなり広げて見せた。


「傭兵団員募集!!」


そう書かれた薄汚れた張り紙。


「これならお金になるんじゃない」


妖精ルリに手渡された傭兵団員募集の張り紙に書かれた文字を読むペリエ。


「でも僕は、攻撃魔法なんて使えないよ。それにシルキーさんがいくら弓の名手でも傭兵団にというのは・・・」


すると妖精ルリは、こんな事を言い出した。


「別に傭兵団に入る必要なんてないよ。僕達で傭兵団を作ればいいんだよ。それなら僕の水魔法で戦えると思う」


精霊ルリがまたとんでもない事を口走った。


「傭兵団を作るって・・・。そんな事出来るの?」


「分かんない。でも人の作った傭兵団に入るって事は、その傭兵団の隊員になるって事だよね。恐らくだけど新米は、命令されて理不尽な死に方をするだけだと思うよ。それに新米だとかなり安くこき使われるよね」


妖精ルリの言葉に思わず腕を組んで考え込むペリエ。


「とにかく傭兵団を雇っている場所に行って相談してみない?」


その言葉に促される様に傭兵団員募集の張り紙が張られていたという場所の前へとやって来た。


そこは、冒険者ギルドの建物であった。


その壁には、いくつもの冒険者募集や傭兵団員募集の張り紙が張られている。


ペリエは、恐る恐る冒険者ギルドの建物に入るとカウンターに立つ女性職員に話を聞いてみた。


「あの、この張り紙を見て来ました」


「ああ、傭兵団員募集の剣ですね」


「いえ、傭兵団を作ろうと思うんですがどうすればいいですか」


「傭兵団を・・・ですか」


思わずペリエの言葉に固まる女性職員。


「少々お待ちください」


そう言い残すと女性職員は、事務所の奥へと入っていく。


しばらく待っていると奥から戻って来た女性職員は、こう切り出した。


「傭兵団を作る事は可能です。本来ならランクC以上の冒険者5人以上であれば傭兵団として受け付けるのですが、今は戦時下ですのでランクは問いません。ただし冒険者3人以上でしかお受けできかねます」


冒険者が3人。


ペリエ達は、魔術師のペリエとダークエルフのシルキー、それに鍵妖精のキーと妖精ルリの4人である。


だが妖精の姿は、ペリエと精霊と妖精を神として信仰しているダークエウルフのシルキー以外には全く見えないのだ。


その妖精を頭数として受け入れてもらえるのか。少し疑問に思いつつ手続きをする事にした。


「新規の傭兵団の登録には、金貨1枚が必要です。それとこの用紙に必要事項を記入してください」


差し出された申請と書かれた書類に必要事項を書き込んでいくペリエ。


書き終えた申請書を手渡された女性職員は、書かれた申請内容を見て思わず目を丸くする。


「あの、ここに書かれた妖精って何でしょうか・・・」


この世界では、妖精が封印されて既に100年以上の時が経っていた。つまりこの世界で妖精を見た事がある人族はほぼ皆無なのだ。


困ったペリエにこんな事を言い出す妖精ルリ。


「だったら僕が水魔法を見せようか」


そう言い出した途端、冒険者ギルドの建物の中に巨大な水の塊が出現した。


それを見てただ唖然とする女性職員。


恐らくこれから冒険者ギルドが大混乱に陥るのが誰の目にも明らかであった。


この物語は”小説家になろう”で異世界Sideとして展開していきます。


そして妖精達と現世界の絡みの部分をYouTubeに投稿しているキャンプ動画の中で展開していく予定です。


なのでお話を進めていくためにキャンプを続ける必要があります。


今のところ2021年1月(道志の森)と2021年2(ふもとっぱら)を予定しています。


それに向けて防寒防風対策を考えながら、動画の撮影と編集をやりつつお話を書くという作業が待っています。


キャンプに行っている間は、お話の投稿はできないと思いますがご了承ください。


◇フェアリーランタン(現世界Side)

 道志の森で魔法ランタンと冬キャンプ

 https://youtu.be/E5koSWCQ7DQ


◇魔法ランタン

 https://youtu.be/rhFhjx9aPEE


◇フェアりーランタンの世界観を楽しむにはこちらもどうぞ!

 僕の盾は魔人でダンジョンで!

 https://ncode.syosetu.com/n2862ff/


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