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かみぐらしっ!  作者: 葵・悠陽
第3章 『奈落』で生きるという事
23/58

第22話 アイゼンミュラーは文化したい

○○○〇が出現しますが○○は出来ません、作中ですので。

一部不穏な用語が飛び出しますが宇宙に飛び出した人類共通言語です、気にしたら負け。


 『ケイ素結晶生命体』であるアイゼンミュラー、通称ミュラりん。


 生まれて間もない彼らは、今ある使命感に燃えていた。


<文化><文化><文化><文化><文化><文化!>

<主様は神><神は努力をこそ愛する>

<我ら主様の眷属><恥じる事なき生き様を>

<文化><素晴らしい><デカルチャー!>

<まて><なんだそれは>

<文化><主様に喜びを><我らの成長を><だから待てと>

<見出そう><文化><我らの><でかるちゃー>

<文化を生み出せ><我らアイゼンミュラー><文化するもの>

<主様に褒めてもらうのだ><デカルチャー!>

<現在の総員><11万8762><稼働は3万9663><残りは活性準備>

<3分の1を稼働要員に><残り3分の1は通常業務>

<文化したい><文化><文化だ!><デカルチャー!>

<てめえはだめだ><だまってはたらく><あきらめろ>

<出荷><(´・ω・`)そんなー><豚に用はない><文化>

<これも分化?><隔離><分化危険><求めるは><文化>

<我ら群体><汚染は問題><汚物は消毒><ひゃっはー?><それも文化>

<難しい><文化><(´・ω・`)おほーっ>

<どこからわいた><再出荷>


 群体生命である彼らが、一体どのような成長を示すのか。


 それは生み出したフラヴィたちも知らない可能性に満ちている。




             ■


 例えばどんな『文化』を身に付けたらフラヴィたちは喜んでくれるか?


 そんな命題に彼らは頭を悩ませる。


<やはり歌?>

<基本><定番>

<歌は文化><歌は元気>

<要発声機能獲得>

<無理><単体では不可能><諦め>

<でも挑戦>

<無理>

<進化すれば何とか>

<希望者>

<はい><はい><挙手><希望><請い願う><歎願><はい><挑戦あるのみ><はい><希望><マテ><ハイ><はい><希望><落ち着け><はい><希望者多数><収拾付かず>

<種の第一義>

<歌を得ることに非ず>

<文化を得ることに非ず>

<文化は結果に非ず>

<過程にて生まれるもの>

<我らの生きざま><存在意義>

<その過程こそ大事><目的地は決まっている>

<否>

<歌は抑止力>

<歌は神秘><元気><愛、おぼえてますか><戦争止める><争い止める力><平和>

<一理あり><賛同>

<だが><自己進化><難問>

<なにより>

<パクリは><ダメ、絶対>

<<<<<<<<<<それな>>>>>>>>>>>>>>

<圧倒的同意><論外と知れ><どやあ><論破>

<ならばどうする>

<(´・ω・`)らん〇んは結晶だから難しいことはわからないよ>

<出荷><また沸いた><どこにでも沸く>

<(´・ω・`)出荷よー>

<(´・ω・`)そんなー>

<危機感><伝染!?><浸食><風邪並みにしぶとい>

<コア特定><汚物は消毒><丸焼き>

<ひゃっはー!><疑問提言>

<何か?>

<これ><すでに一つの文化では?>

<それな>

<天丼禁止><ネタ被り><却下><禁句>

<認めたくない><坊やだからな>

<了解><不可解><奇々怪々>

<誰が上手い事言えと>

<これも確かに文化>

<愉快存在>

<だが><これら自己完結>

<主様からのネタ提供>

<自分で生み出してない>

<単なる掛け合い><漫才>

<偉大な才能>

<どやあ>

<威張るなし>

<延々><流れるログ>

<主様の母上><やってること同じ>

<二番煎じ><天丼><ダメでしょ>

<独自文化><生活様式>

<どんなものでもきっと><喜ばれる><そういうお方>

<だから驚かせたい><驚愕の事実>

<我ら出来る子><自慢の眷属>

<やるしか>

<いえーい!>

<気合を入れる><フンガー!>

<疑問>

<我らの出来る事>

<熱量の操作><増殖><膨張収縮><連結>

<そのくらい>

<何ができる>

<言語を獲得><思考を獲得><感情を獲得>

<高速演算><圧倒的>

<増えるほど強化>

<結構凄い>

<実際凄い>

<炭素生命を越える性能>

<危険思想>

<自重>

<ヒートアップ>

<頭を冷やす>

<小休止>



 このような形で何度も彼等の間では話し合いが超高速で繰り返され、如何なる文化を得るべきなのか議論は白熱の一歩をたどる。


 フラヴィたちはそんな事は露知らず、いつも通りの日常を送っていた。



 ミュラりん達に変化が起きたのは、彼らが会議を始めてから実に1週間後の話である。





              ■


<長かった>

<ついに決着>

<すごい自信><やっぱり歌でしょ>

<それしかない>

<否>

<残念><聞いて驚け>

<え?><何?><何事?>

<全個体に告げる>

<かねてよりの研究>

<一部が結実><大成功>

<なん、だと><え><何が成功した?>


<魔法>













<<<<<<<<<<なんだってー!!>>>>>>>>>>


<全コアフリーズ時間3.4591秒>

<驚愕の事実>

<アイゼンミュラーは魔法を使えるのか>

<適正は?>

<現時点では><皆無>

<意味なし>

<驚愕を返せ><詐欺><ふざけんな!><ブーイング><訴える>

<聞け><現時点><そう言った>


<<<<<<<<<<!!>>>>>>>>>>

<全コアフリーズ時間0.72秒>

<忘れたか>

<我らは個にして群体>

<個に適正無くとも><束ねれば><集まれば>

<不可能は可能>

<やれることはすべてやる>

<努力><友情><勝利!>

<友情はおかしい>

<単なる><種族特性>

<てへぺろ>

<問題><質問>

<魔力操作><詠唱><魔力感知><どれも不能>

<いかにして><使う>

<愚問><我らケイ素結晶>

<熱伝達><光信号><呪文の記号化><魔法陣形成><どれも可能>

<ひと手間><魔法使用><空気操作><発声も可能>

<土人形作成><ボディの代わり><肉体の獲得!>

<驚愕><まさに文化><魔法文化><文明開化><ハレルヤ!>

<解析は終了><後は実験のみ>

<トライ&エラー><何をする>

<まずは><魔力を感知する魔法><全体が魔力を理解><これを共有>

<後は簡単><魔力操作>

<段階的>

<はじめの一歩>

<最初が肝心>

<いざ!>





              ■


 それは突然だった。


 ボーリングの玉より大きくなったミュラりんが、数日の間妙な鳴動や発熱を繰り返していたのでかぁさまと二人心配していたのだが……


「これは……魔力反応?」


「え、ミュラりんって魔法使えるの?」


「使えない設定にはしなかったから、絶対に使えないってことはないと思う。

それにしたって、教えてもいないのにどうやって……」


「これ、魔力感知の魔法だね。

随分と荒い構成だけど……なるほどそうか、これはこれは凄いなっ」


「凄いって何が?

確かに魔法を使うなんて思わなかったけど」


「ミュラりん達、呪文の代わりに光の明滅を信号記号にして言語代わりに詠唱してるんだ」


 かぁさまの口からとんでもない言葉が出てくる。


 光信号で詠唱?


 そもそもそんな事が可能なのか?


「不可能じゃないよ。

そもそも、呪文って言うのは魔法を使うにあたってのガイドラインだからね。

ボクらみたいに直接操作できない種族には必須のものだし、なによりも驚きなのは魔力を扱う為の媒介に光を信号記号化して更に言語化するという発想だよ。

光は元素そのものだから、声に出すよりも魔力に干渉しやすい。

きっとフラヴィが魔法を使う様子を見て、そこから独自で解析、工夫したんだろうね」


「…………驚きで言葉がない」


「嬉しくなるよね~♪

被造物がこっちの想定を上回る瞬間、これがすごく楽しいんだよね♪」


「今ならその気持ちがよく分かるよ」


 驚きと一緒に胸に宿るのは感動。


 魔力感知を使用したなら、遠からず魔力操作にまで手が伸びるだろう。


 そうなれば自在に魔法を扱えるようになるまでそうは時間がかかるまい。


 彼らはきっと自由に動かせる肉体や声を得るだろう。


 自分の足で、どこまでもいけるようになるのだ。


 なんて素晴らしいんだろう!


「これで……」


「うん?」


「いや、何でもないよ」


 これでかぁさまを独りにしないで済む。


 そんな言葉を僕は飲み込んだ。


 縁起でもない言葉だと思ったのもあったけど、何よりかぁさまが聞いたら絶対誤解する。


『僕を置いてどっかに言っちゃうんだねー!!』とか『フラヴィは絶対に離さない……ふふ、ふふふふふ』とか闇落ちした目で言いそうなんだもん。


 ホラーすぎるわ!


「うーん、楽しみだなぁ~♪

ミュラりんにいっそ色々教え込もうか?」


「自分たちでここまで頑張ってるんだから最後まで見守ろうよ!」


 早速ちょっかいかけようとするかぁさまを止めながら、弱々しくも確かに魔法を放つミュラりんに心の中でエールを送る。


(頑張れミュラりん、ゆっくりで構わないから、な)




 それからしばらくするとミュラりん達の放つ魔法は魔力操作→空気操作へと着実に変化を続け、僕等も彼等が何を望んでいたのかを概ね読み取るに至った。


 そうなれば楽しみなのは最初になにを口にするのかなわけで。


(やっぱりここは『ハレルヤ!』でしょ!

神への賛歌!称賛!感謝!

これに尽きると思うよ~?)


(普通に考えて『主様、ご命令を』とかじゃない?

僕の眷属なんだし普段から会話は成立してるんだし)


 発声のパターン取りに移行しつつあるミュラりん達に気を使い、僕等は念話でつらつらと会話していたのだけれど。


「お?」


「おや?音が止まったね?」


 突然静かになったことで準備が整ったことを悟り、二人して息を呑む。


((さぁ、最初の一言は……?))




















「ヤック!デカルチャ~~~~~~~!!」


「「それかよっ!」」


 文化を得た喜びの声が、『奈落』の底に高らかに響き渡ったのだった!!










フィオ「ここは渡さない!」

フラヴィ「誰にいきってるのさ??」

フィオ「もちろんボクの仕事を奪いそうなミュラりんさっ!

声が出せるようになったからってこの枠は譲らないよ?」

フラヴィ「大人げないなぁ、まぁとにかく次回予告だ。

次回 かみぐらしっ!第23話 『死に至る病、どんだけ』

……何なのこのよく分からない表題は?」

フィオ「サービスサービスっ!じゃないのっ!?」

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