第12話 創世神なだけに
最新話書きあがったよ!ふぅ、と投稿詩にページを開けたらブクマしてくれた人が3人も。
ありがとうございます!
評価してくださる方もいてモチベが上がりまする。
「魔力を練り上げたらしゅーてぃんぐ」
チュン ずどおおおおおおん!
「魔力を練り上げたらしゅーてぃんぐ」
きゅぴん ずがあああああん!
「魔力を練り上げたらしゅーてぃんぐ」
フォンッ ぼんっ!!
「魔力を練り上げたらしゅーてぃん……」
「ちょ、ちょっとまった!すとーっぷ!ストップ!だよっ!!」
左手で抱きかかえているかぁさま(生首)から悲鳴にも似た制止の声が上がる。
「ねぇ、フラヴィ?
なんでそんなアルカイックスマイルで淡々と魔力を練り上げて環境破壊に勤しんでるの!?
怖いからっ! ママは恐怖でサメハダになっちゃうよ!?」
「かぁさまがずっと同じことばかりやらせるからでしょうが。
訓練なのは分かるよ? でもね? ものには程度があると思うんだ。
流石に1週間不眠不休で耐久魔力放射は心が死ぬんだけど。
確かにこの肉体は『神』らしく食事も睡眠も不要だけどさ、疲れないわけじゃないよね?
延々と単調作業繰り返すのって拷問って言わない?
あ、そうなるとこれって子供の虐待になるのかな、あは。
あと『ママ』って柄じゃないでしょ?
ウザさが増すからやめようね?」
「ふえええええ! フラヴィが怖いっ!」
腕の中で白目をむいてガクブルしないで欲しい。
そっちの方がよっぽど絵面的にホラーだからね?
「まぁ、八つ当たりはさておき」
「八つ当たりだったの!?」
「話が進まないから黙ろうか。
かぁさま、流石にそろそろ心配になってきたから聞きたいんだけどさ」
「ん、何?」
「魔法を教わり始めてから全力全開で地形が変わるレベルの魔法をぶっ放し続けてるわけなんだけどさ?
『奈落』が崩壊したりとかの心配はないの?
それに、ご近所さんはともかく、思った以上に他の住人に迷惑かけてるっぽい気配がするんだけど」
そう、気になっていたのはその2点。
常に最大威力で放ち続ける天変地異級の魔法の数々と、それによって巻き起こされる被害の事。
かぁさまの遺体を放置して移動できないので自分で確認に行けないからと、その辺の土でドローンゴーレムを作り着弾地点と思しき場所に偵察に飛ばしてみれば……どこもかしこもまぁそれはそれは酷い光景が広がっていたわけで。
具体的には巨大なクレーターと呼ぶには大きすぎる底の見えない『穴』はいくつも開いていて、穴の底から怒りに満ちた怨嗟の声や怒号が響き渡る……という状況。
『奈落』の中に更に『奈落』が出来ているとでも言えばいいんだろうか?
いつぞやの悪魔氏は『屋敷をぶっ壊された』と言っていたが、そんな被害なんて文句を言いに来れるだけ軽い被害だったようだ。
流石にそれだけの規模の被害が出ているとは思わず自重も考えた。
でも、かぁさまの「そのくらいじゃ『奈落』は小揺るぎもしないよ?」との言葉を信じ、あえて考えない方向で訓練を続けた。
続けた結果……。
「訓練開始してから一体どれくらいの件数苦情が来たと思ってんのさ!
そこなら大丈夫だからって『かぁさまの指示した場所』に魔法ぶち込んだら、どこもかしこも軒並みどこぞの悪神さんとか魔獣の生息地だったじゃないかっ!」
「フラヴィの魔法の威力実験に付き合わせてあげたのに文句を言うなんて器が小さいよね」
「普通は文句言うでしょ!
なに息子に通り魔的犯行をさせて平然としてるのさっ!」
「でもでも、あいつらってフラヴィがまだ人間だったころから魂狙ってたやつらばっかりだよ?
君が神になってからも隙あらばって狙ってた連中だし、容赦なんて要らないと思うけど」
「え、そうなの?」
「ボクの前から姿を消したくらいで逃げ切れたって思ってたのがあいつらの間違いってものだよ。
仮にも僕は神様だよ?
一度見た顔を忘れるわけがないし、補足した相手を見失うほど衰えてないってば。
フラヴィに魔法撃ち込ませたのだって、今の君の力を彼らの骨身に叩き込んでやる為だし」
「むぅ……」
なんだかな~、とむくれる僕に「正当防衛だよ~♪」などと言うけれど、使い方間違ってるからね?
無茶苦茶ではあるけれど、かぁさまはかぁさまなりに考えがあっての指示だったようだ。
言われてみればすごい剣幕で怒鳴り込んできた割には、撃ったのが僕だと知ってすごすごと引き返したような気がしないでもない。
あれはかぁさまにやられたと思ったのが実は僕だったからビビって逃げた、って事なんだろうか?
「それはそれで釈然としない。
次からは事前の説明を求む。
報連相は大事だよ?」
「え~?
でも教えたら手加減するでしょ?
それじゃ意味ないじゃない」
「かぁさまは僕を『奈落』の覇王にでもするつもりっ!?」
そんなやり取りをしながらも僕は『止まることなく魔法を放ち続けている』わけで。
地味に僕もこの幼女神に染まっているのかもしれない。
「で、まだこれ続けるの?」
「後1週間くらいかな?
その程度維持できるなら次のステップに……って、フラヴィ!?
顔がっ!顔が死人みたいになってるっ!」
「死んでるかぁさまに言われたくない」
■
というわけでうんざりする様な1週間が過ぎ。
「ようやく終わった……。
で、あの規模の魔力維持になんの意味があったの?」
母様の首を持ち上げてじっと目を見つめる。
前っからそうだけど、時々考えなしに勢いだけで行動するからなぁ、かぁさまは。
「あ~、うん、君ってほら、人間から神様になっただろう?」
「誰かさんのおかげでなったねぇ?」
「人間に限らず、生き物ってのは身体を限界異常に酷使しないために、肉体的精神的にリミッターをかける性質があるのは知ってる?」
「何処かで聞いたような話だなぁ?」
そう言えば、制限なしで肉体を酷使した場合平常時では考えられないレベルのパワーを引き出すことが出来るけど、代わりに筋肉が断裂したり骨が折れたりと大変なことになると聞いたことがあったような。
脳を酷使しすぎて鼻血ぶー!するとか、目が充血して失明するとかの演出もアニメか何かで見た記憶があったような。
うーん、前の自分の記憶に欠落した部分や罅割れみたいに破損した部分が多すぎて、はっきり思い出せないのがもどかしいなぁ。
「その顔だと何となくはわかるって感じだね?
なら話は簡単だ。
ボクがやらせてたのは、フラヴィが自分に無意識に掛けてるリミッターの破壊だよ」
「無意識に? リミッター?」
「そうそう、ボクらは神様の中でも創世神だからね?
事実上、世界を作り出す程度の力は当たり前に操作できるんだよ。
でも、そんな事言われてもイメージ湧かないでしょ?」
「湧く訳ないでしょうに。
……あ~、うん、何となく話が見えてきた。
僕の持ってる常識的な範囲を越える規模の力をとりあえず意識的にかつ継続的に振り回させることで、この程度は当たり前に振るえる力なんだと身体に覚えさせたかったって事だろう?」
「呑み込みが良くって嬉しいよ、まさにそういう事。
最初のうちは意識しないとあの規模の魔法は行使できなかったでしょ?
でも途中から会話しながらでも全然余裕で扱えてたじゃない」
「だねぇ」
「ここは広さ的にはほぼ無限に等しいし、ボクでも力業では脱出不可能な獄の獄。
大陸が一つ消えるような破壊魔法でも気軽に打ち放題の訓練には最高の場所なんだよ」
今さらっと怖い事言わなかったか?
大陸が一つ消えるような破壊魔法?
「え、僕の放ってた魔法ってそんな規模だった?
クレーターってレベルじゃない大穴が開いてたのは確認したけど……」
「ここ、腐っても『奈落』だよ?
放っておいても勝手に復元するから心配いらないし。
あれでも100分の1くらいに威力減衰されてるからね?」
「勝手に復元っ!?
それに、あれで減衰100分の1!?
聞いてないんだけどっ!?」
「言ってないからね~。
それにしても流石はボクの子だよ!
威力が減衰してあの規模の力を振るえるんだからねっ!」
嬉しそうにニコニコと笑うかぁさまの生首。
褒めてくれるのは嬉しいけど、嬉しいけど……
「そんな威力の魔法を喰らってなお苦情を言いに来る悪神さんたちって」
「だから、連中にいちいち気を遣う事ないんだって。
あの程度で消滅するような連中ならそもそも『奈落』になんて堕とされないから」
「さいですか」
世界を滅ぼすほどの災厄、という触れ込みに偽りなし。
そういう事のようだ。
「だからフラヴィも連中の顔を見たら魔法をぶち込むくらいの心づもりで居ていいんだからね?」
「扱いが台所の黒い奴並なのっ!?」
「きもい、迷惑、って意味じゃ同レベルだね~」
台所の黒い奴、コードネームG。
凄まじい速さで床を、空をかける黒光りするニクい奴。
悪神さんや魔獣連中も、あんなのと一緒にされたら……されたら……
<脳裏に浮かぶ苦情を申し立ててきた彼らの姿>
・超巨大な犬のウ〇コからミミズと目玉がたくさん生えたような悪神さん
・頭が老人、胴体が蜘蛛、足が触手の悪魔氏
・蝦蟇蛙の首が3つ乗った太ったタキシードの悪魔氏
・人の顔が全身に沢山ついた肉の塊(魔獣?)
・巨大な手のひら、指は7本あった)魔獣?)
・腕が足で足が腕の逆立ちした痩せぎすの爺さんの悪神
・ムカデみたいに沢山の蜘蛛の足が生えた蛇の魔獣
・毛むくじゃらのスライムのような何か
・岩なのか汚物なのかよく分からないものを纏ったトカゲっぽい何か
・言葉?らしき叫び声をあげて意味不明に騒ぐ大きな卵に触手が生えた様な悪神さん
・無言で鍛え抜かれた筋肉を見せつけてくる妙に立派な髭をした禿頭の悪神さん
「……うん、同レベルかもしれないね」
脳内で彼らが一斉に『おいっ!』と叫び声をあげたような気がしたけど、見た目から態度から色んな意味で酷かったんだもん、Gと同レベルでも仕方なくね?
色々とかぁさまの指示や考えに納得させられつつ、もう一つ浮かんだ疑問を問う。
「そういえば、かぁさまって結構乱暴な真似を嫌う割に、あの連中には態度がきついよね?
なんか因縁でもあるの?」
「ん?
ないよ? 因縁なんて」
「ならもーちょっと優しくしてあげても良くない?
一応同じ『奈落』の住人なんだし」
「そうは言うけど、あいつらって基本的に『外の世界』からボクの世界に来た連中だよ?
ボクの世界に迷惑をかけるしか出来ない存在になんで優しくしないといけないのさ?」
……基本的には優しいかぁさまも外敵に対しては厳しいのだと学んだ。
フラヴィ「訓練なのは分かるけど、淡々と同じ事させられるのは辛いよ」
フィオ「我慢が足りないよ~?
ボクたちは時間なんて永遠にあるんだから、長いとか短いとか些末なことに囚われてたら駄目だってば」
フラヴィ「人間性を失う様で怖いんだってば」
フィオ「人間じゃなくて神様になったんだから湧き切ればいいのになぁ~?
じゃあ、今度は神様的な事もしてみようか?
次回『かみぐらしっ!』第13話 『創ってみよう』
明日もはなまるっ! 元気にな~れ♪」
フラヴィ「金〇注意報!?
……あ、伏字の位置ちょっと不味かったかな(汗」




