第10話 新生
フィオーレって名前のキャラ、SO5に居たんですねぇ。
綴りを調べてたら見つけてビックリでした。
フィオのフルネームは「El・Fiore」になる、はず。
気が付けば、闇の中だった。
他に表現のしようがないくらいに、闇の中だった。
う~ん? 妙に落ち着く闇だねっ!?
どこからか声が聞こえる。
「ふふっ、定着してくれるか心配だったけど、視た感じきちんと定着してるね。
楽しみだなぁ、まさかこんなことになるとは思わなかったけどさ。
こんな方法を思い付くなんて、やっぱり君ってすごいと思うよ」
なんだろう? 聞いていてすごくホッとする声だ。
どこかで聞き覚えがある様な……フィ、オ? そう、フィオの声だ。
エル・フィオーレという名の幼い姿の創世神。
でも、なんで彼女の声が?
そもそも俺は……俺は、あれ?どうなって……
なんか、ねむ……
「!? い、今、『君』の声がした、よね?
よかった……ふふ……あはははは!
本当に、本当によかったよぅ……!」
よく分からないが、フィオが喜んでいる?
心配だったけど、元気なら……いいか。
とりあえず、眠ろう。
ここ、やたらと……きもち、いい……
■
そこは、暗闇だった。
一寸先も見通せないほどの深い闇。
そんな闇の中、ポツンと一つの光が浮いていた。
それはとてもとても小さな光。
吹けば消し飛ぶような、儚い輝きを放つそれは、『魂』の欠片。
『俺』は、その儚い輝きに引き寄せられるかのように近づいていく。
『魂』を壊さぬように、光を掻き消さぬようにそっと手を伸ばすと、光はゆらりとほどけるように拡散し透き通ったどこかくたびれた雰囲気の中年の姿に変わる。
(……はぁ、俺もあいつも一体何やってんだぁ?
馬鹿だ馬鹿だとは思っちゃぁいたが、ここまで馬鹿とは、なぁ)
呆れた顔で男はため息をつくが、俺だって全裸中年に呆れられる覚えはない。
(はっ! 随分と小生意気な事で……まぁいいさ。
それだけあいつは、フィオは必死だったって事なんだし、本音を言えば俺も嬉しいからな)
そう言ってニヤリと笑うその姿に、何故か既視感を覚える。
(ま、『かみさま』なんかに関わっちまった時点でこうなる運命だったのかもしれんが。
あいつには、優しくしてやってくれよ。
それと……せいぜい頑張れ、俺♪)
皮肉る様な笑みを浮かべて『魂』の欠片は霞のように闇に溶け消える。
一体何だったのか?
あの男は何者だったのか?
頬を伝う熱い何かは、なんだろうか?
全部全部分からない、一切合切が思い出せない。
知っているはずのに言葉にならないこのもどかしさ!
(さっきの『魂』は……俺?
ならここに居る俺は、誰なんだ?
分からない、分からない、分からな・……)
揺蕩う様な不安定な感情に振り回されるように、意識が暗闇に沈んでいく。
沈んで、沈んで、堕ちていく。
どこまでもどこまでも、心は闇の奥底へと堕ちて……
闇がはじけた。
■
ぐちゃ、という音と共にどこからか転がり出た、そんな感じだった。
感じたのは息苦しさ、そして何とも言えぬ解放感。
「うぅ……あ……」
身体が、自由に動かない。
声にならない呻きをあげて身悶えた。
べちゃ、ぐちゃと液体がはじけるような音。
同時に気付く。
生暖かい液体の様なものに自身が濡れていると。
濃密な、妙に重たい匂いが鼻を衝く。
身体に絡みつく液体は粘性を若干帯びているのかどろりとしていて気持ち悪い。
(匂い…? それに痛み、だって? 一体、何が起きている?)
「あぁ……やっと、やっと還ってきてくれた!
ずっと待っていたんだよ!
『君』が目覚めるのを! おかえりっ!!」
頭上から、声がした。
ぐわんぐわんと『魂』に響く様な強烈な力のこもった『声』だった。
「なん、だ……?」
声のする方に意識を向けるが、何も見えない。
そこで、初めて気づく。
目を閉じていたら何か見えるわけがないじゃないか、と。
自分の馬鹿っぽさに苦笑しながら目を開ければ……滂沱の様、というより滝の様な涙をこぼす幼女の姿が目に飛び込んできた。
渦巻く赤い闇をバックに涙が宙に零れる端から光の粒子に変わって消えていくのがまた凄い。
幼女は全身光輝いていて、とても整った容姿の実に神々しい姿をしていた。
本能が理解する、この女性は『神』である、と。
「あなたは、『かみさま』ですね?」
そう問いかけた瞬間、少女は鈍器で殴られたかのような酷い表情になり、よろよろと後ずさる。
「え、ま、待って、なんで……なんでそんな事言うのさ?
ボクの事、分からない?
ボクだよ?ずっと一緒に居たいって言ってくれたじゃないか!
ボクの事心から愛してるって抱き締めてくれたじゃ」
「そこまで言ってねーよっ!」
「!?」
あ、あれ? なんか妙にイラッとしてついきつい言葉が……。
相手は『かみさま』だ、失礼じゃなかったか?
不安に襲われて様子を窺えば……
「えへ……えへへ……やっぱり『君』だ……よかった……よかったよぉ!!」
『かみさま』は、そう言ってへたり込んだまま泣いていた。
さっきの動揺した様子とはうって変わって嬉しそうではあるのだが、状況が分からない俺はおろおろとしている事しかできない。
(一体何なんだ、俺は、彼女は誰なんだ?
『君』って俺の事なのか?
この『かみさま』と俺はどういう関係……うっ!!)
訳が分からないまでも状況を把握したい、そう思ったとたんに脳裏に激痛が走る。
断片的に浮かぶ沢山の記憶の欠片。
その欠片のほとんどに、目の前の幼女の姿があった。
溢れるように浮かび上がるそれらの記憶の欠片は多くがひび割れ、今にも砕け散りそうな曖昧なものだったが……それでもいくつかの欠片ははっきりと形を残していて。
『奈落』の底で出会った幼い姿の神、創世神エル・フィオーレ。
この世界に『俺』を召喚したくせに不要と『魂』を砕いて捨てたクソ神。
崩壊寸前の『俺の魂』を抱きかかえて泣き叫ぶ『フィオ』の姿。
ばらばらだった記憶が一つに繋がっていく。
あぁ、そうか。
俺は……またフィオに助けられたのだ。
それがいかなる方法なのかは分からないが、この動かない『身体』も俺の身に起きた奇跡に関わる何かなんだろう、素直にそう思えた。
正直気になることは多いのだが、それよりも……
「『フィオ』、説明が欲しい。
……俺は一体どうなったんだ?」
混乱する意識を何とか鎮めつつ、喜びにむせび泣く幼女に問う。
「!! よかった、きちんと記憶も回復したみたいだね」
「完全、って言うには語弊があるけど、な。
それよりも、俺はどうなったんだ?
なんで生きてる?
それに、前より妙に周囲が生々しく感じられるのはなんでだ?」
辺りに漂う『異臭』も、目に映る『風景』も、身体を濡らす『感触』も、どれもこれもが本能に『知覚してはいけない』と訴えかけるのだ。
全ては言葉にするのも悍ましい『何か』であり、関わってはいけない、と。
それでも最低限自身の状況は知らねばならない、そう考えてフィオに問えば。
「あぁ、その事?
ふふっ、あのね?
君の魂をボクの子宮に埋め込んで、肉体を与えたんだよ。
扱いとしては処女受胎ってことになるのかな?」
「…………は?
い、今、なんて……」
「だ~か~ら~!
ボクの身体を使って君を産んだ、ってそう言ったの!
君の魂が砕けちゃう前に、ボクが生まれ変わらせたんだよ、ボクと同じ、不朽不滅の存在にね?
ボクもさぁ、君達人間みたいに『産む』っていう方法を思い付かなくて本当に焦ったよ。
君がボクとひとつになりたいって望んでくれたからようやく気付けたんだ。
あとちょっと遅れてたら、取り返しがつかないことになっていただろうねぇ」
「なんで、そんな真似を……それよりも、処女受胎?
フィオが、俺を産んだ?
そんな身体で、か?」
どう見ても幼女でしかないフィオの肉体。
処女受胎?
馬鹿を言うなっ!!
『魂』に『魂』を埋め込んで、無事な訳が……
そこまで考えてようやく気付く。
そう、そうだ。
ここは、どこだといった?
フィオは、殺されてからどうなった、と言った?
なら、ならば……フィオの『死体』は、どこにある?
「嫌だなぁ、『そんな身体』でなんて言わないでおくれよ。
『死体』でも『神』の身体なんだよ?
腐ってもいないし、使おうと思えば使えるよ?
呪いのせいで生き返るのは無理だけどねぇ」
答えは、フィオがあっけらかんと口にした。
「魂に直接手を加えたなら君の人格を破壊してしまうかもしれないだろ?
だから延命の手段も限られちゃってさ、苦労したんだよ~。
でも、神の肉体を苗床に魂と肉体を繋げるなら、魂の本質を歪める事なく変化させられたんだよ。
ほら、子供は親の性質を受け継ぐって言うでしょ?
君がボクの子供になるだなんてちょっと恥ずかしかったけど、君だしね?
出産なんて初めての経験だし、苗床の身体は死体だからどうなるか不安だったけど。
上手くいってよかったよ、ほんと。
それにしてもあんな方法があるだなんて思いつきもしなかったな~」
嬉しそうに、楽しそうにフィオは笑いながら自らの悍ましい行為を誇る。
ようやく理解した。
俺は、フィオの『子』として転生させられたのだ、と。
周囲から何やら視線を感じる。
動かない身体を無理やり震わせもがくように視線の方へ目を向ければ……
眼前に広がるのは血と汚泥に塗れた赤黒く穢れたうねる大地。
そこかしこにわだかまる『何か』は一様にこちらから距離を置きつつも注意深く、探る様な視線を常に向けてきている。
名状しがたい形状の『それ等』は距離があるせいではっきり俺からは見えないのだが明らかに正気を削りそうな外観なので近寄ってもらいたくないな。
周囲からの視線の主達が遠巻きにしているだけなのを確認してホッと気を抜いたその瞬間、俺は自分の傍に転がっていた『モノ』を目にしてしまった。
血だまりの中でバラバラに切り刻まれ生々しい傷跡を晒す胴が、へし折られ、いびつにねじ曲がった手足が、血と汚物とはみ出た臓物が、そして……驚きで目を見開いたままの表情で転がる物言わぬ美しい生首が。
こんなに近くに転がっていたのに何故気付かなかったと責めんばかりに存在を主張していて。
その、死して昏く濁った瞳が映すのは肉の塊のような『胎児』の姿、すなわち今の俺であり。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ………あ、なん、だフィオの死体か、びっくりした」
ばらばらになってもなお美しいその遺体に、周囲のあまりの異常な環境に、驚きつい悲鳴を上げてしまったが、ここは『奈落』なのだ。
あれだけフィオが人間の俺には見るに堪えないと言っていた場所なのだからこの程度の凄惨さは予想してしかるべきだったな。
「この身体、胎児なのか。
ちゃんと成長するんだ……よ、って……」
思考が、止まる。
まるで何事もなかったかのように目の前に広がる凄惨な風景を受け入れている自分がいた。
そのことに疑問すら抱かない自分がいた。
おかしいとすら思えなかった。
何で驚いたのか、と驚いた事実にこそ疑問を感じてしまった。
異常である事を異常と思えない、その時点で俺という存在は……
「おい、フィオ」
「ん?どうしたんだい?」
「最高だよフィオ、本当に笑えない冗談だ。
この環境、この状況、普通に考えれば頭がおかしくなっても仕方がないってのに驚きも一瞬。
身体は胎児なのにこうして会話できるしモノを見たり感じたりもしてる」
「うん、なんてったってもう君も『神様』だからね。
それも創世神のボクから直接産まれた存在だからボクと同等の力を兼ね備えていることになる。
もう死んだり消滅する心配なんてしなくていいんだ!
今はそんな身体だけど、時間がたてばちゃんと成長するだろうしね。
今は不便かもしれないけれど、ちょっとだけ我慢して……」
「っ!
違うだろっ!
そうじゃないだろっ!?」
俺を断りもなく勝手に人外の存在へと変えて、それを身勝手とも思わず誇らしげに語るフィオの態度に激しい怒りを覚えられることに安堵しながら一喝する。
「な、なんだい!?
何を怒っているんだい!?
そんな身体なのに産んじゃったって事なら謝るよっ!
でもすっごくすっごく寂しくて待ち遠しくて」
「違うっ!
分からないのかよっ!
今の俺には、この場所が、見えるんだぞっ!」
「え、え?
あっ…………!!」
「周囲の悍ましいバケモン共も、今の自分のとんでもない姿も、でろでろの大地やぐずぐずの空も、そこに転がっっているお前の凄惨な遺体もっ!!全部、全部だっ!」
「う、ああああ、いや、視ないでっ!
見ちゃいやだ……君に、嫌われっ」
「それなのに、何も心が動かないんだよっ!」
「!?」
「驚きはした、ビビりもした。
でも、それをすんなりと受け入れちまった。
吐き気がするような凄惨なお前の遺体を見て、愛しさすら感じちまう。
この状況を、環境を、『大した事はない』って受け入れてる俺が居る」
「それ、は……」
ここまで伝えてようやく理解したのだろう。
以前はだだ洩れだった思考が読めなくなっていたこと。
視えているのに俺が正気を保てていた事実。
すなわち、俺が俺でなくなっていく可能性。
「いや、でも、君はボクを覚えて」
「最初は誰だか分からなかっただろう?」
「っ!」
「一緒に居てやりたいと願ったのは事実だよ、けどさぁ……。
俺を人外に変えて、俺が俺じゃなくなった場合の事を考えなかったのかよ?」
そう、もしも俺が俺としての自我を取り戻さなかったなら。
それこそフィオの精神に致命的な傷を負わせることになったはずで。
「全然、考えてなかった……」
「はぁ、やっぱり。
ま、あれだな……。
俺は、きっと最初から終わっていたんだろうな。
この世界に引きずり込まれたあの瞬間から、俺の人生はもうフィオのモノになってたんだろうさ」
「怒って、ないのかい?」
恐る恐るといった様子で、血だまりの中で身を震わせる俺を覗き込む幼女神。
本音を言えば怒りたい。
むっちゃくちゃ怒って詰ってどつきまわしたい。
幼児虐待?知らんがな、相手は神様だ数千数万歳の年齢詐欺幼女だ、問題ない。
だが……
「助けてもらったことは事実だしなぁ。
やり方があまりに頭おかしくてコメント出来ねぇ」
「うぐっ!」
まるで梅干しでも喰わされたような渋い顔を見せる彼女には分からないかもしれないが、これでも笑ってるんだぜぃ?
胎児の表情なんてぱっと見じゃ分からないな、うん。
怒りも困惑も遥か彼方に通り越して、もう俺には笑うしか選択肢が残ってないんだよ。
「ま、これからずっと一緒なんだろう?」
「う、うん!ずっとずっと一緒さ!
後悔なんてさせないっ!
いつか僕に感謝しちゃうくらい満足させて見せるさっ!」
ようやく病んだような笑みではなくいつかの様な無邪気な笑みを見せてくれた彼女に、せっかくだからと最大の爆弾を落としてやる。
「今後ともよろしくね? か・あ・さ・ま♪」
「!?」
俺からかけられたその言葉に、フィオは電撃でも浴びせられたかのように震えて立ちすくんだ。
「か、かぁ、さま?」
「母親になったんだからフィオは俺のお母さんになったんだろう?
神様らしく格調高く『かぁさま』って呼んでみたんだが。
嫌って言っても呼ぶがな?」
はっはっは!幼女なのに子持ちのままになった気分はどうだ!くらいのつもりで俺は言う。
だが、自分が母親、というシチュエーションは殊の外フィオの琴線に触れたようで……
「ボ、ボクがお母さん!
なんだろうこの心の底から溢れてくる止まらない感情はっ!
ああんっ! 魂のままだと君に触れない抱き上げられないほおずりできない撫でられないっ!」
「落ち着け親馬鹿幼女っ!」
どうやらやば目の餌を与えてしまった可能性に、胎児の身体であるにもかかわらず背に冷や汗。
「ったく、どれだけ属性増やせば気が済むんだマセ幼女!」
「ちゃんと『かぁさま』って呼んでよっ!」
「呼んでほしけりゃしゃんとしろっ!!」
言ったとたんにビシッと態度を改める。
さっきまでの病んだ姿はどこへやら。
正に『完・全・復・活★ミ』とエフェクト付きでロゴが表示されそうな元気っぷりである。
これで顔がユルユルでなければ完璧なんだけどな。
「ねぇ、君が生まれてきたら、お願いしようと思っていたことがあったんだ」
少しは落ち着いた様子のフィオが、しおらしい態度でそんな事を口にする。
「ずっと一緒に居るってお願いならお願いされるまでもなくそのつもりだぞ?」
「そうじゃなくって、えっと、その。
……ねぇ、君に名前を付けてもいいかい?」
「なま、え?」
「うん、これからも『君』って呼ぶのもなんか変だし、せっかく生まれ変わったんだ。
これからこの世界でボクと生きてくれる君に、祝福と共に名を贈りたいな、って。
さっきまでは怒ってたから言いづらかったんだよ……いや、かな?」
元の世界に未練とかまだあったりする?と言外に問うてくるが。
答えなんて聞くまでもないだろうさ。
「俺に悔いなんてないさ。
名前、ありがたく受け取るよ。
変な名前だったら1000年くらい無視するからよろしく」
「んなっ!?
プレッシャーかけないでよっ!
えっとね、僕の家族になるから、似てて、でも素敵な名前だとおもう!」
緊張しながら彼女が『俺』に与えた名は……
この日、ル・フィオーレ世界に新たな神が誕生した。
『エル・フラヴィオ』
創世神『エル・フィオーレ』の長子となる『神』である。
フィオ「とうとうボクもお母さんだねっ!」
フラヴィ「俺は胎児から再スタートかよ」
フィオ「これからずっと一緒~♪一緒~♪」
フラヴィ「完全に浮かれてんなぁ。
……う~ん、どうせ元の世界の事なんてもうろくに覚えてないんだから、ここでの暮らしに慣れてかないと、な。
というわけで次回予告だ。
次からは第2章に突入するぞ。
肉体を得て、神の力を得て、俺はそれになれないといけないわけで。
次回『かみぐらしっ!』第11話『記憶にございません』
……なんだこのタイトル、政治家か?」