表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

キャラクタ作成 (初日)

幼い頃から文武両道。

ひたすら勉強と鍛錬に明け暮れる日々。

当然彼にはコンピュータゲームなどで時間をつぶそうなどという発想はなかった。


はっきり言って興味もない。


しかしやるとなったらとことんやる!完璧にやる!彼はそういう男だ。

8時からという事なので、その日は朝から予習に励む。


まずはRPGというものの概要から始まって、ネットゲームというもの、有名どころを検索してみて、おおよそどういう感じで進めて行くものかを研究する。


キャラ作成からパーティーの組み方、各ジョブの役割などを丹念に調べ上げ、今手元にあるゲームのマニュアルと照らし合わせた。


その上でまず自分がやるべき事の検討に移る。

まずはキャラ作成。

1ジョブ2名までという事は早い者勝ちになるはずだ。

ということは…あらかじめジョブは決めてインすると共に連打するしかない。


選択するジョブはベルセルク。

いざという時自分をターゲットにするには、魔王を倒せるジョブでなくては意味が無い。

そしてある程度ソロで進められるという観点で選ぶなら攻撃防御双方そこそこある近接ジョブ。


という事で一番最適なのはウォーリアなわけだが、おそらく自分がそう考えるという事は他もそう考える可能性が高い。

そこでタッチの差で出遅れてウォーリアが取れないと、次に取ろうと思った時にはおそらく次に人気のあるジョブであるベルセルクも埋まってしまっている可能性が高い。

それなら最初から次点を狙った方がいい。


石橋を叩いて渡る慎重派。常に失敗が許されない環境で生きてきた彼はそういう性格に育っていた。


そして8時。スタートをクリックすると現れるキャラ選択画面。

まずはジョブ選択。

即ベルセルクをクリック。

ジョブ確定で、ひとまず安堵のため息。


次に性別。

当然男。

ネットゲームでは必ずしも現実の性別を選ぶ必要はないというのはわかっているが、彼には女キャラをやるという発想はない。

次に容姿。

RPGと言いつつロールプレイをするという発想も彼にはない。

自分は自分だ。

結果…自分に近い容姿のキャラを作る。


美醜の問題ではない。

単に自分とかけ離れたキャラクタを使うのが気恥ずかしい。

そんな彼でも名前はさすがに迷う。

実名はまずい。


ネット上でリアル情報を明かすのは危機感のない愚か者という認識は、さすがに警察関係者の息子だけあってわかっていた。


かといって……浸った架空の名前をつけるのも……。

そこでふと思いつく。

自分の名前、頼光の漢字を説明する時よく”みなもとのらいこう”の”らいこう”と言うとわかってもらえるので、よくそう説明する。

ライコウ…でも漢字で書いたらそのまんまだ。

ライ…なんとなく響きがどこぞの浸ったヒーローのようだ。

コウ…の方がまだいいか。

そしてキャラ名決定。”コウ”。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ