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裸一貫で異世界転移  作者: ちあさ
1/3

幼女の神様はやっぱりないわ

気がついたら目の前で幼女が土下座をしていた。


「えっと…君は誰なの?」


「すまなかったのじゃ、私のミスで君を殺してしまったのじゃ」


「なんだって!」


「ちなみに私は地球を担当する神様アマテラスなのじゃ」


「なんだって!!」


どうやら俺は神様のミスで死んじゃったらしい。


「ちなみに死因はなんなんだ?」


「テンプレ通りのトラックに轢き殺されて即死なのじゃ」


いや、テンプレ過ぎるだろう。


でもその死因だとちょっとおかしな点があるぞ。


「そもそも俺って、中学1年の頃から20年も引きこもりで部屋から一度も出たこと無いし、部屋だってマンションの200階にあるのに、どうやってトラックに轢き殺されたんだ?」


神様が涙目で俺を見上げてきた。


透き通るような綺麗な青い髪、一目見ただけで忘れられなくなりそうな綺麗な金色の目に柔らかそうな曲線を描いた頬、幼い容貌ながら将来は絶対美人になるだろうと確信できる幼女が土下座して涙目で見上げる姿にちょっと嗜虐心が湧いてきそうになる。


ちなみに神様の格好は薄いワンピースなのでその角度だと平たい平原の中の見えてはいけない突起が丸見えなのは秘密だ。


「天界から地球を監視していたら可愛い猫がトラックに轢き殺されそうになってて、私って猫が大好きだから今まで死なないようにずっと助けてきてたのじゃ。それで今回もトラックから助けるために私の念動力でトラックの真下の水道管を破裂させてトラックを吹っ飛ばしたのじゃ。でもちょっと加減を間違えてしもうてな。マンション200階の君の部屋までダイレクトに飛んでいってしまってな、寝ていた君に直撃してしまったのじゃ。まぁ即死だったから痛くなかったが幸運じゃったな」


いやいや幸運じゃねーよ。


それじゃ何か?俺は猫の替わりに死んじゃったってことか。


確かに猫は可愛いけど、命まで賭けて守りたいなんて思ったことねーよ。


「でも安心して欲しいのじゃ。私の念動力を使って裁判ではトラック会社の全面敗訴にして君の両親と妹には賠償として100兆円を手に入れて幸せに暮らせるようにしたのじゃ。おかげで新築のマンションに移れたし引きこもりの世話も無くなって喜んでいるのじゃ」


そりゃ何時倒壊してもおかしくない築30年のボロマンションだったから渡りに船ってところだろう。俺だって死んでなきゃバンザイしてるよ。実際はトラックのバンザイアタックでおっ死んでるけどな。


「今回の件は本当に反省しているのじゃ。太陽の神のサンジェルマン父さんや月の神のカグヤ母さんにもこってり絞られたのじゃ。弟のマーズにまで呆れられてしょんぼりなのじゃ」


「太陽と月が両親で火星が弟って・・・太陽系の神は家族経営なのか」


「私は9人兄弟の上から3人目のお姉さんなのじゃ、えっへん」


お姉さんには見えない幼女っぷりなんだがな。


「ちなみに俺はこれからどうなるんだ?正直天国に行けるほど善行積んだ覚えはないし、かと言って地獄に行くほどの悪行を重ねてるつもりもないんだけど?」


「そこは安心してほしいのじゃ。こういう場合のための対処マニュアルがしっかりあるのじゃ」


幼女はいそいそと電話帳並みの分厚い冊子を胸元から取り出してペラペラめくりだす。


さっき垣間見えたワンピースの中にこんなものは入ってなかったのにどんな四次元ワンピースだよ。


「えっとーたしか1000万年前に同じことをしたときに栞をはさんでおいたのじゃが………あったのじゃ。この場合、3つの選択肢があるのじゃ。まずは一つ目は時間を巻き戻して生き返るって方法じゃ。これだと面倒はかからんしおススメじゃ」


「なに!生き返れるのか!よかったー、じゃあそれで」


「ちなみに巻き戻す時間は死ぬ1秒前じゃ。そこで自力で回避してもらって死んだら自然死ってことになるのじゃ。これだと私も失敗もなかったことになるので超おススメなのじゃ」


「って巻き戻っても俺寝てるし回避不可能じゃねーか!そもそも1秒で飛んでくるトラックを避けれるか!!!無理無理絶対無理ほかのよろしく!」


すると神様は嫌そうな目を向けてくる。


「他の方法は他の神へお願いしなきゃいけないから超面倒なのじゃ。1000万年前の時もさんざん嫌味言われたのじゃ。お前は欲張りなのじゃ。」


いやいや欲張りって…そもそもお前が悪いんだろうが。面倒とか言ってんじゃねーよ。


「2つ目は他の神の世界に転生する方法じゃ。ただし記憶はなくなるがの」


転生は魅力的だけど記憶がなくなるんじゃ意味がない。はい次。


「3つ目は年齢そのままで他の神の世界に転移する方法。これだと記憶は引き継がれるのじゃ」


テンプレ異世界転移来ました。

これで勝つる。


「ところで何とかバビロンとか無限のなんちゃらとかスターライトで破壊な殺人光線とかそういう特典はないのか?」


「あーそれはいろいろと著作権とかがあっての。この世界線では作者がタイーホされる危険があるので無しなのじゃ」


作者ってなんだよそのメタ発言は。


「一応転移する先は現地民のすぐそばにするから、そのまま転移先で迷って餓死ってことはないように配慮するのじゃ。あと死亡時に持っていたものも一緒に持っていけるので、現代機器とかは現地ではアーティファクト扱いされて、それを売るだけで一生遊んで暮らせるぞ」


それはうれしいな。こんなこともあろうかとノートパソコンには広辞苑を入れてあるから現代知識で俺TUEEEできるな。当然太陽光発電のソーラーバッテリーも持ってるぜ。中二病こじらせておいてよかった。


「納得できたなら、この契約書にサインをしてほしいのじゃ。ちなみにごちゃごちゃ書いてあるけど要するに転移していいですよーってことなのじゃ。まぁサラッと書くといいのじゃ」


ほいほいーさらさらさらーっとな。


幼女がまた胸元から取り出した契約書をよく読みもしないでサラッとサインをする。ちなみに中二病なので英語で筆記体。さんざん練習したんだ。


サインを終えると契約書は燃え上って消えてしまった。


「うむ、受理されのたじゃ。これで契約完了。あとはどんな文句も受け付けないのじゃ。ちなみに契約書にあった通りクーリングオフが必要な場合は最後のチェックボックスにチェックを入れなきゃいけないけど、必要なかったようじゃな。クーリングオフは本当に面倒でなぁ。前回の時はクーリングオフされて四方八方に頭下げて回って苦労したのじゃ」


ちょっとまって。クーリングオフなんて聞いてないしそもそも契約書まともに読んでないぞ。


狼狽える俺をニヤニヤと笑いながら神様は手を振ってくる。


「それではよい旅を~」


そして意識が反転して…。



























全裸で俺は立っていた。



そういえば俺って寝るときは全裸主義だった。

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