8話「ホスピタルデッド②」
[18:42]
「ここはどこだ?」
目を覚ますと俺は、右手の激痛に気づく・・。
「アァァァァ~、いてぇ~・・右手が・・無い?」
「ちょっと待ってね、今からみこと先輩が麻酔打ってくれるから」
そこいたのは、おっぱいちゃん「高田ゆずり」だった。
そして、学校での戦いを思い出す。
俺は確かあの後死んだはずだが・・。
右手は治療後で、包帯でぐるぐる巻きになってやがる。
「ス~ガチャン・・」
一般病室のドアが開いた。
「みこと先輩!!八柳先輩が苦しそうです!!麻酔お願いします」
みことは注射器を、俺の肩にさした。
「部分麻酔よ・・、しばらくしたら何も感じなくなるから・・」
「そんなことはどうでもいい!!どうしてこうなった?何でおれは生きている?一から教えてくれ・・!!」
俺は気になって仕方がなっかった・・。
「いいわ・・、少し長くなるけど教えてあげる」
みことはそういうと口を開いて話し始めた。
* * * * *
[15:40]
手術室から汗だくで出てきたみことに一言「お疲れ様」と言って結果を聞いてみた。
「助かるかは分らないわ・・、八柳後世君が何型かも分らないのに、体内に血入れちゃったから・・」
いきなり入れたのかよ!!レベル高いな・・なんて、わけのわからんことを考えながら次にどうするかを話し合った。
「八柳君は、しばらく目が覚めないわ・・下手したら永遠にね・・、だから八柳君をつれて、外の庭から隣の一般病室に向かうわよ」
そう言って、来た道の反対方向に進んで階段を下りた・・。
「それにしても不思議じゃないか?」
俺はここに来る間・・そこまで時間がたっていないのにこんなに生きている人が少ないのに疑問を抱いていた。
そのことをみことに話すと。
「あなたが言っていた白い球体があちこちで存在していたんじゃないかしら」
俺は驚きが隠せなかった・・。
当たり前だ・・、学校の化け物ゾンビが何体もうじゃうじゃしてる可能性があるから・・。
「だとしたら・・」
「そうよ・・」
みことは何も言っていない俺に返事を返した。
「ここにもいる可能性が高いわ・・、じゃなかったらこんなにボロボロのはずがないわ・・。」
確かにそうだ・・。
電気はついてないし、地面も爪跡だらけ・・。
周りの死体は移動したように、血痕だけがそこらへんにたれている。
もしかしたら非常にまずい状態かもしれない・・。
もしも襲われたら俺は、おぶっている八柳を置いて逃げるだろう。
そして、休憩なんかをとる病院内の広場のようなところに出た。
「まずいわ・・」
みことは焦ったように俺に言ってきた。
「何がだよ・・」
そう言って、みことの視線の先をみると・・
「マジかよ・・・」
化け物ゾンビだ・・。
だが少し違う。
巨大だ・・、人間8人分ぐらいだろうか・・
舌が長い・・、10メートルはあるだろうか・・
広場は四角く、グランドほどの広さ、そしてその真中にたくさんのバラと大きな木が生えている。
その木の頂上で空を見上げていた。
「おとなしいな・・。」
見るからに俺らに気づいていない。
そのまま音を立てずにゆっくりと、一般病室に向かった。
そこの壊れた自動ドアをこじ開けると・・
<助けてくれ・・・>
<ウァアアアア~、怖いよママ~・・>
<大丈夫よ警察が助けに来るわ>
<110につながらないわ・・>
いろんな人たちが固まって混乱していた・・。
残りの生存者だった。
知らないデブのおちゃんが、声をかけてきた。
「お前らが持ってるのって武器か?助けにきた、何かか?」
そうすると、武器を持った俺らをみんなが見てくる・・
<助けに来てくれたわ・・>
<救世主が来たぞ・・>
<早くここから出して安全なところへ>
中学生のブレザーも見えてなかった。
みんなパニックでおかしくなってる。
「まずいわね・・」
みことが言うのも当たり前だ・・。
これで奴らが倒せるとを知ったら、こいつらは武器を奪う可能性もある・・
一般人にこれは通用しない・・。
確かにまずい・・。
そんな時、高田ゆずりしゃべりだした・・「私たちは、学校から抜け出した生徒です!!ここに負傷者がいるのでベッドを貸して下さい!!」
そういうと周りの人たちは道を開けてくれて、2階のベッドを貸してくれた。
周りの、〈期待させんな〉って目が俺らに突き刺さるのを、肌で感じた。
* * * * *
[19:06]
みことは学校からここに来るまでの話をすべて話した。
「なるほど・・、それじゃあ話に出てきた坂町って奴はどこだ?」
八柳後世が聞くと、ゆずりは隣のベッドに指をさした。
「寝てやがんのか・・、俺をここまで運んでくれてありがとな・・坂町」
俺はベッドで寝た振りをして、八柳の声を聞いて・・寝た。