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6話「スクールデッド③」

【13:48】

「はぁ・・・はぁ・・はぁ・」

 激しく呼吸をしながら俺、坂町康介は教室に向かっていた。

「あそこを曲がれば教室だ・・」

 階段を下りて左に曲がった瞬間・・

女の子が首をぐらんぐらん揺らしながら、足を引きずってこっちに向かってくる。

「大丈夫か?おい・・?」

近づいてみると、「う・・」飛んで後ろに倒れこんだ。

よく見たら腰あたりの肉がすべて消えてるのだ・・。

「ア・・アアアアァァァ~・・・」

 声が枯れきってる。

 そして大きく口を開けて口の横の皮がビリビリに裂けた。

そのあと、決して遅くないスピードで追いかけてきた・・

 俺は腰がぬけて動けなくなった。

やばい・・、死ぬ・・。

「バン・・」

「ブシャン!!!ぽと・・ぽと・・ぽと・・」

銃声のようなものがしたと思ったら、女の顔面は吹っ飛んで消えていた・・。

 顔にたれてくる血は、甘かった・・。 


 その瞬間激痛がはしって倒れこんだ・・。

【14:05】

「パチン・・!!」

「痛った・・、何しやがる!!」

 俺の体の上で、馬乗りになっていたのは黒いロングのなかなか可愛い女の子だった。

「せっかく助けてあげたのに、その言い方はないわね・・坂町君」

 俺の名前を知っていた・・、誰だこいつは?

 俺は驚きを隠せないうに、その女に質問した。

「なんで俺のこと知ってんだよ!!教室に残ってんのは一年だけだろ・・、お前なんで俺のことわかるわけ!!?」

「わかるも何も同じクラスじゃない、生徒集会サボっただけよ。それとお前じゃなくて浅田みことよ。」

「意味わからんお前・・じゃなくて、浅田なんて奴いなかったぞ・・」

「あなたずっと寝てたものね・・、これがあのゲームクリアした人なんて考えたくないわね」

「え・・」

 俺は意表いひょうを突かれた。

 そして頭の中で整理した・・。

こいつは俺をふくめて7人のクリアー者の一人だ。

フルネームで確かそんなやつがいた。

「お前も7人の中の一人ってことか・・」

彼女はニコッと笑うと、「なかなか理解が早いじゃない・・、あなたはあいつらの倒し方は分かってるわね・・?」

 俺はバッグの中から銃『コルトガバメント』を出した。

 そうすると彼女は俺にいろいろと説明してくれた。

①まずゾンビは、エアーガンで本当に倒せる・・。

②後者には普通のゾンビとは比べ物にならない強さのゾンビがいるらしい。

そいつは多分掃除のおちゃんだな。

③どうやらゾンビはBB弾の弾で倒しているのではないかと予想したらしい。

「だから私、特注でBB弾の弾を素材とした切れ味抜群の刀を作ったわ・・」

「まじかよ・・」

 さすが坊ちゃん暮らしは違いますね・・。


 「それよりためすわ」

 教室のドアの前にたくさんの机が並んでいた。

「何をためすんだよ・・」

「いいから見てなさい」

 机の上に登って、ドアの上の窓を開けた・・・。

「おぉ・・」

 俺は下から見える、浅田みことの水色のフリルの下着に見とれていた。

そのあと、何かを投げ込んでいる。

「やっぱり・・・、早くあなたものぼりなさい・・」

 俺は、願望がんぼうを押し殺して机の上に登った。

「あそこのに歩いてるゾンビにBB弾投げるから見てなさい」

そういてBB弾を右手で投げてゾンビの頭に当てた。

「え・・」

俺がそう口にするのも仕方がない・・

 すり抜けて地面の落ちたのだから。

「よく見なさい、半径10cmほどの穴が頭にあいてるわ。」

「まじか・・」

 だが、ゾンビはそれなのに平然と歩いていた。

だが要するに弱点はBB弾・・。


その時。


「ド・・・・ンバリバリバリ」

教室のドアの反対側がすべて吹っ飛んで、空中を飛んでいる化け物と背景がなかなかに神秘的しんぴてきだった・・

「まじかよ・・」

目の前にはあのデカい化け物がいた。

「まずいわ!!!!」

 机を降りて一気にどかして、武器の入ったバッグを持って、廊下を走った。

 ものすごいスピードで追ってきたので、曲がって階段を上った。

すると化け物はまっすぐ壁に激突した・・。

 俺らは理由もなく屋上に向かった。

* * * * *

【14:15】〔屋上前〕

「はぁ・・はぁ・・」

荒れた呼吸音が絶望を感じさせる。

「ここで仕留めるわよ」

 みことがそう言うと俺はOKサインを出して、考えていた。

 中学校に入った時の新鮮さ、そのあとに起こった絶望感ぜつぼうかん屈辱感くつじょくかん

 あの時、逃げずに立ち向かっていたらどうなってたんだろうな。

俺はまたあの時みたいに逃げ出さない。

・・そして・・

絶対に仲間は死なせない・・。

       「来たわよ・・」

 化け物は学校を破壊しながら四足歩行で入り口から出てきた。

 俺は、バッグから銃『コルトガバメント』を出してかまえた。

そして俺は遠くから銃『コルトガバメント』を連射している。

「ドンドンドン・ドンドンドン」

 右腕を狙い続けていると腕が吹っ飛んだ。

「よし」

 その瞬間、みことが突撃してもう一方の左手を切った。

「OK・・よ」

 俺は接近して頭を狙いに行った、その瞬間・・

「バリバリバリ・・」

 屋上の地面が化け物の足で割れ始めた。

「まずい・・」

 

 すごい大ジャンプを俺らの方向ほうこうに飛んできた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~」

俺とみことと化け物は屋上の外に飛んだ。

 その衝撃でみことの刀はっ飛んでしまった。

 俺はみことを左手でいて銃『コルトガバメント』を右手に両足で化け物の首にいた。

「俺らの勝ちだな・・じゃあな、掃除もおっちゃん・・」

 俺は頭に銃口をけてそういった。

「ドン・・」


* * * * *

【14:30】

「いって~・・」

「折れてるかもしれないわね、それに服も血だらけよ・・」

 俺らは、化け物がクッションになってくれて最悪の事態は避けた。

するとみことは笑顔でこっちを向いて、そのあと空を見上げて「やったわね・・」と、言ってくれた。

「可愛い・・」俺は相手に聞こえない声で、そう言った。

  そしてそこから見える太陽は、絶望の、そして最高のスタートだと思った。

 俺、坂町康介は化け物一体を殺した。


「あ・・、バッグ屋上じゃん・・」

「何やってんのよ・・」

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