4話「スクールデッド①」
[4月6日(木曜日)06:14]
真っ暗な部屋の中俺は「ぼ~っと」上の天井を見ていた。
「あれ・・、無理ゲー負けたんだっけ?」
それから俺は頭の中で考え直した・・
ボスに手榴弾を投げてボスはまだ飛んでいた。
そしてそのまま俺は倒れて床で寝てしまったんだ・・
「そうだ・・・倒せなかったのか・・」
悔しさで胸が張り裂けそうになった。
起き上がりパソコンの画面を見た。
気分転換にアニメでも見ようと思ったのだろう。
が・・
パソコン画面を開くと、一つのサイトにつながっていた。
『この度はゲームをプレイして頂きまことにありがとうございます。
今回であなたが『7人目』のクリアー者となります。
・坂町 康介様
・浅田 みこと様
・上原 蘭様
・菊岡 壮介様
・中田 美紅様
・神階 零時様
・安田 重森様
クリアーおめでとうございます。
なお、これから説明することは重要なのでしっかりとメモをとってください。
①4月6日は必ず「エアーガン」を持ち歩いて下さい。
②その日、学生さんは必ず学校に行ってください。
③東京にボスがいます・・、倒せばクリアー
④このゲームをクリアーしたあなた方は、本当に現実がたのしいと思った事はありますか?
続きまして、お金の支払いは下のサイトから移動してください。』
俺は頭が追いつかなかった・・。
まず俺はゲームをクリアーしていないはず・・
そして誰もクリアしたことがないはずのゲームで俺を入れて7人いること。
そして最後のわけのわからんルールのようなもの・・
「なめてんのか・・!?というか、本名何でわかるんだよ?
それに全員日本人・・」
お金よりもそっちに目が行ってしまう。
「あぁぁぁぁ・・・、4月6日って今日やんけ!!!」
俺は完璧に頭に来てしまったが、メモ用紙にメモって部屋を出た。
隣の親父の部屋に行ったのだ。
親父は真面目なサラリーマンだが、重症のサバゲー野郎なのだ。
ついでにサバゲーとは、18禁のエアーガンを有料ステージを借りて打ち合うゲームだ。
「ガチャン」
「やっぱりすげーな・・この数の銃・・」
机の上のハンドガンを見つけた。
「コルト・・ガバメント・・・?」
なかなかに重くてシンプルな形をしていた。
「これでいいや、あとマガジンと弾弾~♪」
ふざけてるのは分ってた。
あんな言葉を信じる奴なんて多分俺ぐらいのものだ。
でも・・
もしも何かあるならと俺は考えてしまう・・
それをバックに詰めて一階に下りた。
「あら・・、康介珍しいじゃない~下に降りてくるなんて・・」
これは俺の母さん坂町真知子だ。
基本的には俺のやることには口出しや文句は言わない。
なかなかに天然な母さんだ。
「今日学校行くわ」
俺がポロっと口にした瞬間、固まったように手に持っていた食器を落とした。
「えぇぇぇぇぇぇぇ~、康介がっこういくの!!??大変、お父さんに連絡して病院いかなきゃ~!!!!!!!」
落とした食器に目もくれずにケータイで連絡し始めた。
「ちげ~よ、3年になったから少し顔出すだけだって・・、それより風呂入ってくる」
母さんはボ~としながら立ち尽くしていた。
シャワーを浴びながら俺は思った。
「8ヵ月ぶりの学校か・・」
嫌な思い出しか見つからない。
高校では学年トップで授業はめんどくさくていつも寝てた。
女の子から告白されたがめんどくさくてふった・・
が、それが原因でクラスの奴らからひどい視線をくらっていた。
どうやらクラスでも人気の高い女の子だったらしく男子からのいじめもでかかった。
シャワールームから出て体を拭いて、制服に着替えた。
関係ないが正直、この制服もあまり好きではない。
「やっぱり思うけど、なんでブレザーなんだよ・・普通学ランだろ・・?」
「えぇ~、ブレザーいいじゃな~い!!高校生みたいよww」
母さんの言葉にムカっと来たのか、俺はドアを開けて学校にむかった。
* * * * *
[07:28]
家の近くのコンビニより先に行くのは、8ヵ月ぶりだった・・
そこから学校までまっすぐに歩き続けた。
学校の近くになると俺をちらちら見てくる奴がいる。
嫌な目線をくらいながら俺は学校に入って行った。
「教室は・・、3-2か・・」
教室に入った時のクラスメイトの目線が痛い・・
『あれって・・』
『そうそう、不登校だった人』
『頭良かったんでしょ?』
くすくす聞こえる声がイライラと、少しの恥ずかしさでいずらい・・
しかし中には、『なんであいつ来るんだよ・・』
『マジでありえねー』なんて声もちょこちょこ聞こえた。
しかも席は名前の順で、坂町なのでちょうど真ん中あたり。
知らない奴らの真ん中に座るのはまさに公開処刑だ・・・。
「死にたい・・」
とくに声をかけてくる奴もいず、俺は担任が来た後も寝ていた。
「木島~、『はい』熊田~『ほ~い』坂町は今日も休みっと」
俺は起き上がり『はい』と返事をした。
先生は驚いたように「いたのか~悪かったな」と笑いながら出席を始めた・・
先生のあいそ笑いは腐っていた。「ほんとは何考えてたか・・」いや、考えたくもない。
そこから昼休みまでの授業は覚えていない。
* * * * *
[13:20]
給食という残飯を食べた俺は屋上にいた。
屋上は鍵が掛かっているが、天才にとっては朝飯前だ。
屋上で空を見上げて俺は思った。
あの最後に書いてあった『このゲームをクリアーしたあなた方は、本当に現実がたのしいと思った事はありますか?』
「思う訳ね~だろうが・・」