3話「クリア」
地下室へ向かう間に驚いとく事が1つあった・・・
「な・・なんでこんなに敵いんの!!!!??」
中ボスを倒した途端入り口からぞろぞろと出てくるゾンビども・・
「ふぁ~」とため息をついてコントローラーを握りせめて一人ずつヘットショットを決めていく。
このゲームには玉の数などは特にない、リロードなどの無駄な動きがないのでありがたいといえる。
だがこの手榴弾は別・・
一度きりの切り札。
心の中より大切に使わせてもらおうと思う。
雑魚どもを全員撃退した俺はボスのいる正面入り口に向かった。
* * * * *
〔ボス入り口前〕
このボスは通称『ゴッド』
ネットではそう呼ばれている。
俺は、ボスのいるドアをAボタンで開けた。
「ゴォォォ~、ゴトン・・・」
ドアが開いた・・
「ゴックン・・」
まるでアニメのように息をのんだ。
中に入ると中ボス「デス」のフィールドと大して変わらなかった。
変わっているのは、コンクリート地面が少し青いのと、デカいコンクリートのつるぎがど真ん中の地面からタケノコのように出ている。
そして少しずつ前に進むとドアが閉まった。
すると、デカい化け物の声がどこかで聞こえた。
「どこだ?」
フィールドを探索するが敵が見えない・・
すると上からがれきが落ちてきたので急いで緊急回避をして目線を上にあげた。
「まじかよ・・」
心の中から思った。
確かにこいつによく合った名前だなと思った。
体中や顔中が皮膚のない真っ赤な姿・・
右手は刀のようになっていて、左手は誰かが爆弾で吹っ飛ばしたかのようにぐちゃぐちゃだった。
何より血だらけの骨の翼のようなもので飛んでいる。
「空中とかありかよ・・」
そして俺は銃を構えて宙に浮いてるボスに連射した。
が、空をぐるぐる動いているので当てずらい。
そしてボスが肩からつるぎを7本出した。
そしてそれが自分と全く関係ない方向に飛んでいく。
「なんだ・・?」
そして七つのつるぎは円周のフィールドに円を描くように刺さっていた。
やばいと感じて俺は急いでつるぎの円から出た瞬間・・・
「グサグサグサ・・」
つるぎから細い針のようなものが出て円内に刺さりまくった。
「あぶね・・あの中いたら速攻死んでたわ」
そのあと7本のつるぎは肩の中に戻っていった。
その他にも、地面に降りてきて翼を回転させて攻撃をしてきたり、左手のぐちゃぐちゃから虫のような奴を落としてくる・・。
虫のでいで、余計攻撃がしづらい、そしてほかにもどんな攻撃パターンがあるか未知数だ。
だが諦めることなく、連射をやり続けた・・
* * * * *
【4月5日の23:17~】
ほぼ一日、一度もダメージを受けずに攻撃をし続けていた。
真っ暗なシャッターの閉まった部屋で、集中力を無くさずやり続けていた。
「あと少しだ・・」
そしてあと少しの瞬間・・
真ん中のつるぎの上で停止している。
空を飛んだまま動かないのだ。
そしてその間に俺は銃を連射した・・
「え・・」
「カン・・カンカンカン・・」
いくら打ってもダメージを受けない。
そして空中にフィールド内すべてを埋め尽くす数の刀が出てきた・・
「やばいやばいやばい・・・あれが落ちたら終わりだ・・
どうする?どうしたらいい?」
頭の中で思いつくことは一つだった。
・・・手榴弾・・・
「ここで考えが外れてたら終わりだな。。」
最後に思いっきりボスに対して手榴弾を投げた・・・
「ごぉぉぉぉっぉぉぉぉ・・・・」
画面が揺れるデカい音だった。
画面は一瞬真っ白になったがそのあと元に戻り、ボスが飛んでいた。
・・・・・『倒せない』・・・・・
「負けた・・」
最後の入り札でも駄目だった。
脱力感で体に力が入らずコントローラーが地面に落ちた。
が・・
そのあとボス「ゴッド」は地面に落下して真ん中のデカいつるぎに刺さって、「死んだ」
俺、坂町康介は、自分がクリアしたということも考えられず、そのまま地面に倒れてしまった。