16話「ショッピングデッド〈ラスト〉」
「まずいぞ」
ショッピングモールから、化け物『たち』の叫び声が聞こえた。
たち、というのは一匹ではないということだ・・・
声からするに、三匹はいるだろうか・・
ここ三階に来るのも時間の問題だ・・
俺らは新しく(親父の)部屋から持ってきた、「AK-47」「H&K P46」「H&K P46」
マシンガンにアサルトライフルにスナイパーライフルだ・・。
八柳には、刀
坂町は、アサルトライフル「AK-47」・ハンドガン「コルトガバメント」
みこと、マシンガン「H&K P46」・ハンドガン「デザートイーグ」
ゆずり、スナイパーライフル「H&K P46」
このように武器を持て移動していく。
敵陣に攻めていく八柳。
それをサポートして攻めていくみこと。
二人のカバーをしつつ陣形をとっていく坂町。
雑魚処理&化け物への攻撃を試みるゆずり。
多分これが一番いい陣形と言えるだろう。
俺らは少しずつ歩いて下の階に下り、2階の非常口からの脱出を試みた。
菊岡は、奴隷「18名」を俺らの後ろに置いて脱出を試みるらしい。
どうも、逃げるために俺らを皆殺しにする気満々らしい。
「お前ら、こいつら{奴隷達}を守りながら安全に頼むぞ」
俺らは、イラッとしながら菊岡の言葉を無視して2階に降りた。
そっから急いで、非常口から出る瞬間・・・
「シュン・・シュン・・グサ・・グサ」
嫌な、えげつない音が後ろからした・・
後ろを振り向くと・・
「うわぁぁ・・・!!!!」
「きゃぁぁぁっぁぁぁ~!!!!」
俺が叫ぶのも当たり前だ、奴隷の首が吹っ飛んだのだ・・
急いで一階を見ると、一見細いく皮がない人間に見えるが、右手がぶっとくてまるで銃のようになっている。
そのほか下に化け物がいるが、学校であった奴によく似ている。
「早く逃げるぞ!!!!」
八柳の声につられてみんな大慌てで非常口を目指すが、一人だけその場から動かないやつがいた・・。
菊岡だ。
菊岡は、目を大きく広げて「刀貸してくれ・・、それでもあいつらに攻撃できんだろ・・・?」っといって、八柳の投げた刀の切先を思いっきりキャッチした。
菊岡の握っている手から血が出ているが、そんな痛みすら忘れるぐらい、怒っていた。
「お前らにいいことを教えといてやる・・・、ゲームのクリアー者は、大切なものを失うだけ強くなれると俺は考えている・・・人間を超える集中力が発揮される」
そう俺とみことに言うと、菊岡は1階に飛び降りた。
「シュン・・シュン・・」
何かが菊岡に飛んでいくが、それを空中で切り落とした。
「まじかよ・・」
そのあと地面に落ちる威力で、化け物の右手の銃のようなものを切り落とした。
そして地面に落ちた衝撃で、膝を思いっきりまげて化け物の方向に飛んだ。
「うおぉぉぉぉ~!!!!!!グサ・・・」
体を回転させながら、化け物の首を切り落として素早くポケットの中の銃を取り出した。
「ドンドン・・」
もう一体の化け物を移動しながら正確に両手に当てて動きを止めた後、そのまた もう一体の化け物の右手のひっかきを、右足を後ろにしてそのまましゃがむように回転して両腕を切断。
それだけではなかった。
最後に回った瞬間、何発か片手で銃を撃って、すでに両腕のない化け物の目を正確に当てていた。
そして刀で両手を切断した化け物は、足のサイズがデカくなり、菊岡のほうに飛んできた。
菊岡は銃を地面に置いた後、刀を正面に向けて地面に倒れこんだ。
菊岡の舞う上を飛んだ化け物は刀で真っ二つになり、地面から起き上がって、刀をもう一体の化け物に投げた。
飛んだ刀は、回転しながら化け物の首をバッサリと切って、その先の自動販売機にぶっ刺さった。
「まじかよ・・、ありえね~ぞこんなの・・」
「人間の動きじゃない」
俺と八柳はその光景を見た後、みことに腕を掴まれて非常口から逃げた。
非常口の先に行くと、駐車場に出た・・。
俺らの目的の場所に来れたのはラッキーだが、そのあと奴隷「16名」は、ショッピングモールの中に戻って行ってしまった。
「待てよ!!!なんで戻る!!!」
一人の奴隷の腕をつかんだ。
その子は、無言で泣きながら俺の掴んだ手を引き離していってしまった。
俺は、罪悪感いや後悔いや悲しい・・・
そんなわけのわからない表情を浮かべて、走っていく奴隷たちを見ることしかできなかった・・・
* * * * *
「はぁ・・はぁ・・だめだな・・、足が折れてて動かね~」
俺は化け物どもを殺して、ちゃんと奴隷どもが逃げられたかの心配をしていた。
入り口で化け物に殺された人間が、ゾンビになってこっちに来る。
足は動かず銃の弾もない・・、刀は自動販売機に刺さったまま・・。
「終わったな・・奴隷ハーレム、無理だったか・・悔しいな・・」
自然に俺のほほから、涙がこぼれてくる。
そんな時・・・
「菊岡様~!!!」
「菊岡様・・!!」
「菊岡様!!」
泣きながら、奴隷がはしってきた。
「馬鹿野郎!!!!早く逃げろ!!!なんで来た・・」
俺に近づいて、みんなが抱き着いてきた。
「主人を置いて逃げるなんてできません・・・、だから・・・生きて」
そういってみんなは泣きながら俺に抱き付いた。
「自販に刺さった、刀をとってくれ・・・、逃げるぞ・・」
俺、菊岡 壮介は、奴隷100人つくるまで、死ねない・・
心からそう思い、みんなで逃げた・・。