表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/23

15話「菊岡の憂鬱&ショッピングデッド③」

俺は菊岡壮介・・

中学校の時に俺は好きな女がいた。

 その子に告白するためにメールをして、適当な日常話を語っていたな。

そういったメールを続けて、「好きな人とかいないの?」っと聞いて、さりげなく好きな人を聞こうとする。

 「特にいないよ~」ってきたら、「可愛いのにもったいないな(笑)」みたいにほめていくと、だいたい落とせる。

 でも、告白すれば落とせると思っていても告白はしなかった。

 理解できるか分らないと思うけど、付き合えるとしても付き合わない・・・

俺は好きな人と付き合って、自分が本当は好きじゃなかったんだなってきずくのが怖かったからだ。

 そして好きじゃない人と、長い間付き合うのもいやだからだ。

 そんな俺にはアニメだけが、興奮こうふんさせてくれた。

 自分の世界と違う、他のふざけた恋愛と違う、求めていた世界が広がっているからだ。

 そんな俺は暇で暇で、こんな灰色の日常を変えたかった。

 学校でもキャラを変えて、みんなの中心のようにふざけたりした・・・

それは、少しでもこのつまんない日常を変えたいという、願望がんぼうあらわれだろう。

 そしてやっぱり目立つと、女の子との会話も増えて、メールで呼んで遊んだりしての繰り返し。

 そんな俺は、神様の手のひらで頑張っているみじめな人だ・・

 高校に入っても俺は、憂鬱ゆううつだった・・。

何も変わらない日常・・何も変わらない周り・・。

 そんなときにネットで軽く話題になっているゲームを始めた。

 その世界は、自由があった・・

 求めていた世界があった・・

ゾンビという、存在するか分らない興奮。

 誰もクリアーしたことがないという、達成した後のことを考える願望。

 ワクワクが止まらなかった。

 ゾンビには一体一体、動きの悪い場所があって、そこがクリティカルヒットゾーンだった。

 連続で撃てば撃つほど、ダメージがでかくなっていくのに築いた。

 一撃でも、クリティカルから外すとダメージの減りが元に戻る。

 そしてレア武器をなぜか一体目で手に入れた・・

 俺はこのゲームに試されているから、レア武器を1発で手に入れたのではないかと考えた。

 そしてボス・・、中ボスは戦わなかった。

 ボスに動きの悪い場所は無かったけど、なんとなく右肩だと思った。

 そこに何発も、外さずにあて続けた。

 なんてことはない、5時間ほどで倒し終わってしまった。

 最後にバリアのようなものをボスがっていたらしいが、右肩にふつうに、攻撃できた。

 「まただ・・」

 このゲームも、クリアーした瞬間に灰色になっていく。

 「つまんない・・」

 だが・・

 クリアー後のメールで興奮こうふんした。

 もしもこの世界が、本当にこうなったらと・・・

 この時、俺のほかに2人クリアーしていた奴がいた。

 だがそのあと、一人また一人と増えて行った。

 そしてその日[4月6日]、絶望の日が来たと軽くドキドキしながら学校に行った。

 学校に行く前にパソコンを見るとまた一人増えていたが、気にしなかった。

 そして、[1:40]白い球体を教室の窓から見かけた。

 そして次々に、人が殺されていく・・

 おれは中学校の頃好きだった山内さんを連れて逃げた・・。

 ポケットの中に銃は入っていたが、使えるほどの勇気はなかった。


 「大丈夫だよ、ここなら安全だ」

 そういって、山内さんを保健室にはこんだ。

 そして偶然にも窓から化け物が飛んできて、ガラスが首元に刺さって死んだ。

 そこからの記憶はよく覚えていない・・

 気が付いたら化け物はぐちゃぐちゃに倒れていて、周りは赤色の血に染まっていた・・・

 笑いが止まらなかった・・

 頭がおかしくなったのか、そっからくるゾンビの顔面を銃で撃ち殺して学校を抜けた。

 

 * * * * *

 近くのコンビニの前に行くと、女の子がチンピラに犯されているのを見かけた。

 こんな世界になったから気持ちは、分らなくもない。

 女の子は、高校のブレザーをきていた。

あれは俺らの高校の近くの、女子高のブレザーだった。

 俺はチンピラを後ろから金属バッドで殴って、殺した。

初めての人殺しだ・・

 頭が完全におかしくなったのに自覚もできなかった。

 チンピラに犯されていた女の子を、後ろから優しく制服のブレザーを肩にかけてあげて、「大丈夫・・安心して・・僕が助けてあげるから」


 それが奴隷作りの、始まりだったかもしれない。

 俺はたくさんの女の子を助けた。

 人数が多いので、近くのデパートやショッピングモールをてんてんと回っていた。

 だが・・

 「菊岡・・もう我慢できない・・よこんなの・・」

 「警察のところに行って、助けてもらおうよ・・」

 「私たちだけじゃ危険だから、安全な場所でひきこもりましょう・・」

 みんな時間がたつたびにイライラし始めて、言うことを聞かなくなっていく。

 こんな状況にイライラした俺は、「お前ら・・もう一人で自由にやっていってもいいぞ・・、好きなところに隠れて好きなところに行ってこいよ・・」

 俺はそういって、みんなを見捨てようとすると、「ごめん・・喧嘩とかしないから、一緒にいて・・」

「お願い・・、見捨てないで・・」

 みんなそんな色気を出して俺に助けを求めてくるから・・・、奴隷にした。

 奴隷はいい。

 俺も自由に動けるし、恋愛みたいに同党どうとうの存在じゃないから楽だった・・。

いつしかおれは、周りが明るく見えていた。

 「最高だ~この世界・・・」

 この瞬間、奴隷100人を目標にした・・。


* * * * *


[ショッピングモール3階{ある服屋の裏}]

「まぁ~こんなところだな・・」

 菊岡の話を聞いて、心底しんそこかわいそうな奴に見えた・・

でも話から聞くと、そこまで悪い奴にも見えなかった。

 周りの批判を消すためにみんなを奴隷にして、奴隷にした後も大切に思っている。

死んだ山内さんの話も、菊岡は悲しそうな表情でかたっていた。

 「それであなたはこれからどうしていくの?菊岡先輩・・」

 みことの直球な質問を、ホームランで返してきた。

 「これからも奴隷を増やして、帝国作るわ・・」

 あきれた返答だ・・。

 でもこういう夢を持っている奴を、俺は好きだ。


 俺らは菊岡の話を聞いた後、八柳の指をホータイで巻いて、服と武器を旅行用のバッグに入れ、菊岡とその奴隷に挨拶を済ませてショッピングモールを抜けるはずだったが・・

 一階から、何人かの叫び声が聞こえた・・

「ぎゃァァァァぁァァ~」

「うわぁ・・来るな~」

 その叫び声はいきなり聞こえなくなって、化け物の叫び声がショッピングモールに響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ