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吸血鬼みーる  作者: nonone
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待ちに待った日

「ルナ起きて!! 今日は十歳の誕生日だよ!! お母さんが魔術教えてくれる日だよ!! やっと街に行けるんだよ!!」


「うぅ~ もう少し寝かせて~」


 明日が楽しみすぎて全然寝れなかったから~?

 聞こえてきた音に適当に言葉を返しながら、いつの間にかなくなっていた毛布を手探りで見つけて、かけ直そうとしてもなかなか動いてくれない。

 なんで~? 凍えちゃうから早く毛布欲しいのに…… もしかして毛布が凍っちゃったのかな……

 寒さに耐えかねてドラゴンくらい重い瞼を少し上げ毛布のほうを見てみると。

 金色が揺れてる……? それが宙を舞って…… ってベル!!?


「早く起きて!!」


「お゛ふ゛っ゛!!」


 今さっきの衝撃と今もなお続いている腹痛で、完璧に覚めてしまった目を不届き者である妹のベルに向けると。

 う゛っ゛はきそう……


「なんでずっと寝てるの!! さっきから起きてって言ってるよね?」


「なんでって、昨日寝るの遅くなっちゃったし、冬だし当然でしょ!! ドラゴンだって冬はほぼ寝てるんだよ?」


 少しずつ回り始めた頭で必死に言い訳しているとお腹の上から。


「昨日楽しみにしてたじゃん!! 今日からやっと魔術教えてくれるんだって。 だからおこしに来てあげたのに……」


 あっそうだ!! 昨日色々準備した後、楽しみすぎて全然寝付けなかったんだ!!

 じゃあ日があたってる今はもう…… 急がないと!! 昨日準備しておいたお洋服に着替えて、髪もとかして、後は顔も洗わないと!!

 でもその前にこのお腹の上の不届き者をどうにかしないと……


「起こしに来てくれたのは嬉しいけど、起こし方はもうちょっと考えてっ」


 と恨みも込めながらベッドの上から床に落とすと、 ゴンッ っという鈍い音が……

 だ、大丈夫かな……? 私が落としといて言うのもあれかもしれないけど、今の音絶対痛いやつじゃん…… いや、でも自業自得だから!! いっつも外で遊んでケガして帰ってくるし大丈夫だよね? 多分すぐ治るし……

 っていうかなんで何にもしゃべらないの!! 怖いんだけど……


「ベル? 大丈夫?」


 恐る恐るベルが落ちたところに目をやると。 私のベッドの下をのぞいてる? ってなんでこんなに服が汚れてるの? 絶対にいつもみたいに周りの森で遊んでたじゃん…… 今日体力持つのかな?


「ルナ!! 銅貨あった!! しかもこれ大銅貨化も!! やった!!」


「えっ なにそれ!! 私のベッドの下にあったんだったら私のじゃない?」


「先に見つけた方の物だも~ん」


 あっ すっごいムカつく。 もう一回頭から落としてやろうかな?

 そんなことしてる暇ないんだった!! 早く着替えてお庭に出ないと!!


「私はもう着替えるけど、ベルも着替えたら? 服泥だらけだよ?」


 とベッドの下に手を伸ばしてもがいているベルに、準備していた服に着替えながら声をかけると。


「わかった~」


 と返ってきた。 はぁなんでこんなに落ち着きがないんだろう?

 お腹まだちょっと気持ち悪いな……



 お母さんとおそろいの白い髪をとかし終わると、ようやく大銅貨を取り終えたのかベルが起き上がってきた。


「髪とかし終わったし、私先に行くからね!! ベルは洋服着替えてくるんだよ?」


 と一応くぎを刺しておいて部屋を後にした。



 階段を降り終わるとちょうど家に入ってきたお母さんと鉢合わせた。


「あっお母さん!! どうしたの? 今から魔術教えてくれるんでしょ?」


「そうね~ でもベルが戻ってくるのが少し遅かったから、見に行こうと思ったんだけど、心配ないみたいね?」


「床と仲良さそうにしてたよ? 今は着替えてると思う」


 お母さんは「あらそうなのね?」と微笑みながら、玄関のほうに歩いて行った。 それに続くように少し小走りで隣に並んで玄関をくぐった。 顔は洗えてないけどまぁいっか。




 庭に出て念のため魔術が家に当たらないように少し歩いていると。 庭っていうか森の中の家の空き地だけど。 お母さんが


「ルナは魔術師になりたいの?」


「なりたい!! お母さんみたいなすごい魔術師になりたい!!」


 かぶせて答えちゃった…… でもずっと憧れだったし……

 だってお母さんが見せてくれる魔術はどれも、キラキラしててすっごくきれいだったし、かっこよかったし。 それを使ってるお母さんはもっとキレイでかっこよかったから。


「そうね…… それじゃあ、いっぱい練習しないとね? …………」


「うん!!」


 早く魔術使いたいな~ お母さんみたいな魔術。 あと街に入るのにも魔術必要だし色々覚えないと!!

 それにしてもベル遅いな~ もう来てもいいんじゃないかな?

 と少し離れた家のほうを向いてみると、さっきとは違う服のベルが走ってきているのが見えた。 あっちゃんと着替えたんだ。 でもベルだしすぐ汚れそうな予感もする…… などと考えていたらいつの間にか後ろにいたお母さんが


「じゃあベルも来たことだし属性を見るところから始めましょうか?」


 私はすっごい勢いで振り向いた。

 やっと私の適正がわかるんだ!! 何の属性かな? お母さんの属性が火と風だから同じ火と風かな? お父さんは火と土属性だったって言ってたしそれかもしれない!! すっごくたのしみ!!


「って言っても私が見えるのは、見た人の一番相性がいい属性と、その次に相性がいい属性くらいなのよね~ でも魔力の量と、魔力の硬さはちゃんと見れるから安心して? 属性のちゃんとした適性はギルドに登録してもらうまではお預けね? まぁ私の娘たちだし心配してないけどね?」


 ちゃんと測れるのは五年後か~ すっごく長く感じる…… それまでにいっぱい勉強して街に入れるようになっておかないと!! そして冒険者になったら、お母さんとベルといろんなところ行ってみたいな~ ちょっと怖いけどダンジョンとか行ってみたいかも!! 海とかも見てみたいな~ それから~


「それじゃあ最後に、魔術は簡単に人を傷つけることができる。 だから使うときはよく考えて自分の意志で使いなさい。 ぜったいに人に向けるなとは言わないけど、人に向けるときはその人の人生を終わらせてしまうってことを覚えておいて」


 お母さんは少し悲しそうな顔をして、でもしっかりと私たちの目を見て伝えてくれた。

 今までこんな顔をしたお母さん見たことない…… それだけの何かがあったってことなのかな? 私たちに しなさい っていうことも今までなかったのに……

 多分それだけ魔術が危ないってことが分かってるからだよね…… 私も浮かれてないで気を引き締めないと……


「真面目な話はこれくらいにして じゃあ始めましょうか? 魔術は楽しんだほうがいいからね?」


 声が聞こえたほうを向くと、そこには見慣れたお母さんがいた。 

 よかった…… と一息ついていると、お母さんの目の色が変わっていって……


「えっお母さん大丈夫!!?」


「えっお母さん!! 白目が!! 大丈夫なの!!?」


 何かの魔術の効果? それとも魔術を使った代償かも…… 治るかな? 大丈夫かな?

 私たち二人が慌てていると、お母さんが


「大丈夫よ? これが私の魔眼だから?」


 魔眼!! ちょっと前に読んだ人間の勇者の本で聞いたやつ!! あの頃は文字もちゃんとスムーズに読めなかったからあまり気にしてなかったけど、それに出てきてたやつだ!! 確か魔術より強い効果があるとかだっけ? あの本もう一回読んでみようかな? あの時より文字読めるようになってると思うし!! でもあの本魔族側を敵対視しすぎててちょっと怖かったんだよね……

 それより魔眼の事思い出さないと。 何だっけ? 魔術より強くて、瞳の中の色が変わるっていうのは覚えてるけど、お母さんのは瞳の中っていうより白目が黒くなってるし、瞳の色は変わってないし、お母さんの魔眼は特別なのかな?


「じゃあ普通はそんなに見えないの? 魔力量とか硬さ?とか」


「そうよ~ 普通は魔力の流れくらいしか見れないわね」


「ねぇまだ~?」


 っていうかさっきはいろいろ想像して気にしてなかったけど魔力の硬さって何なんだろう? 魔力量と属性はいろんな本で出てきたけど、硬さっていうのは出てきてなかった気がする……


「待たせちゃってごめんね? じゃあベルからやりましょうか?」


「やった~!!」


 えっずるい!! 私も先がよかった!!


 そしてお母さんがベルのほうに向きなおると少し考える素振りをして、顔を上げた。


「そうね。 ベルは火属性と土属性に適正があるっぽいわね。 他の属性は話かr他なかった。 後、魔力量は結構あるわね。 魔力の硬さは硬いほうね?」


 えっ今のでもう終わり!!? 一瞬しかたってないよ? 色々見えるって言ってたしもっと時間がかかると思ってたのに…… 魔眼すごいな~ 私も魔眼ないかな?

 それとまた魔力の硬さが出てきた。 魔術師だと普通の事なのかな?


「魔力の硬さってな~に」


「それ私も気になってた!!」


「そうね~ 説明するのが少し難しいんだけど、魔力の滑らかさって言ったほうがわかりやすいかしら? 例えるなら水はサラサラだけど一昨日くらいに食べたシチューはトロってしてたでしょ? そんな感じね」


 なるほど!! でも魔力の硬さの違いで何が変わってくるの? 魔術の強さとか? それじゃあ硬いほうが絶対いいじゃん!!


「硬さが違うと何が違うの? 魔術の強さ?」


「すごいわねルナ。 ほぼ正解よ? 硬いほど魔力の強度は上がるしそれに伴って威力も上がるわね」


「えっじゃあ硬いほうが良いの?」


「それがそうでもないのよ? 実は魔力が硬いと発動が遅くなるのよね。 だから一概にどっちがいいかは言えないのよね」


 発動が早い代わりに強度がない、発動は遅いけど強度がある。 確かに使い方と使い手次第ですごく変わってきそう…… 私はどっち行かな? 発動が早いほうが私は使いやすいなって思ったけど……


「じゃあ次はルナ」


 やった!! やっと私だ!! 楽しみだな~ どんな属性なん……


「って言いたいところだけど、もう少し待ってて?」


「えっ? どういうこと?」


「ベルには魔眼があるわね。 でもどんな効果があるは全く分からないのよね~ 左目だけ魔力の色が透明だから魔眼があるっていうことは確かんんだけど…… まぁ発動したときのお楽しみね?」


「やった!! どんな魔眼かな~」


 えっベルに魔眼があるの!!? しかもお母さんでも分からないってことは結構すごい魔眼なんじゃ…… 良いな~ ずるいな~ 私も魔眼ないかな? それにしてもベルがすごい嬉しそう。 すっごくニコニコしてるし、目さすってるし、ムカつく~

 っていうかさっきお母さんが悩んでたのはこれの事かな・?


「じゃあルナの魔力見ましょうか?」


「やった!!」


「…… ルナの魔力もすごいわよ?」


「えっ!! ほんとに!!」


 何がすごいんだろう? 魔力量がすっごく多いとか? それとも私にも魔眼があったとかかな?


「じゃあまず適性の属性だけど、ルナの適正は全属性ね」


 全属性!! これがすごいって言ってたことかな!! 私たちの種族は適性属性以外全く使えない特化してるって言われてるらしいけど、全属性だったら全部強いってこと!!?

 やった!! 口が緩んじゃう……


「魔力量はちょっと少ないわね、後硬さなんだけど…… すっごい柔らかい…… さっきは水で例えたけどルナの魔力は空気ね。 こんな魔力の人初めて見たわよ?」


「えっ凄いって言ったのって、全属性じゃなくて硬さの話なの!!」


「もちろん全属性もびっくりよ? でもほとんどの生き物の魔力硬さは振れ幅はあっても、ある一定のところでとどまるんだけど、ルナの魔力はそれを逸脱してるのよね?」


 全属性でもびっくりなのに、硬さはそれよりもっと凄いんだ!!

 良かったベルには魔眼もあったし置いて行かれちゃうかもって思ったけど…… でも魔力が少ないのは残念だな…… 色んな魔術でいっぱい遊びたかったのに……


「じゃあ早速、魔術使ってみましょうか? まずは魔力を感じないといけないんだけど、私たちの場合は自分の血に魔力が混じって流れてるから、血に意識を向けるだけでいいわね。 他の種族ではこうは行かないらしいわよ?」


 血を意識するのか……

 目を瞑って自分の内側に集中して……

 心臓がとくとくしてるのが伝わってくる……

 そしてそこから押し出される流れ……

 これが魔力なのかな……


「感じれたらそれを手に集めてみて? 手の密度が上がったように感じてたら成功よ?」


 手に集める……


 あっできたかも?

 指先が少し詰まったような気がする……


「ルナは出来てそうね?」


 やった!!


「ベルはもう少しって感じね…… ルナ掌を前に向けて魔力を手から出してみましょうか?」


「わかった……」


 掌から出す……

 あぁすごい…… 掌から何か抜けていく気がする。 あぁこれが魔力なんだ。

 今まで左手でやってきたけど、右手でも出来るのかな?




「よし、ベルもできたわね? 待たせちゃってごめんね、ルナ?」


「大丈夫、気にしてないよ?」


 その間も練習できたし。 指だけから魔力出せるようにもなったし、もう目を瞑らなくても魔力感じられるようになったし。


「じゃあ魔術使いましょうか? 外に出した魔力を感じ取って、そこに自分が使いたい魔術をイメージすると魔術になるわ? 念のためベルは土魔術、ルナは火以外を使ってみて?」


「「わかった!!」」


 火以外ってことはここら辺を燃やさないためだよね? 私しか水魔術使えないし……

 それよりどの属性にしようかな? 一番最初に使う魔術出し一生の思い出になりそう。

 それだったらやっぱり!!


「風魔術!!」


 お母さんと一緒の属性!!

 お母さんの魔術を強くイメージした途端、そよ風が吹いてきて……

 そしてどんどん強くなってきて……!!

 えっこれどうすればいいの!!? お母さんの魔術みたいに前に飛んでいかないし!! 収まる気配ないし!! これどうやって止めるの!! どうしよう、どうしよう…… せっかく髪セットしたのに……

 そうじゃなくて!!これどうやって止めるの!! さっきから魔力は送ってないのに泊まる気配ないし!! ほんとにどうすればいいの!!


「筋がいいわねルナ? ベルも大きい石ができてるわね? いい感じよ?」


「そうでしょ!! 私の身長くらい大きいの作りたいなって思って!!」


「お母さん止め方教えて!!」


 私が半泣きになりながらお母さんに助けを乞うと


 パンッ と乾いた音が鳴ったと思った瞬間。私の目の前にあった風がきれいさっぱりなくなっていた。

 これも魔術……? いやそれよりも先に


「なんで止め方教えてくれなかったの……」


「ごめんね? 初めてだったし大丈夫かなって思ってたんだけど…… 二人がすごくって、私驚いちゃった」


「それは、お母さんの娘だし 吸血鬼 だから……」

絶対に今日投稿したくて一話だけ投稿です!!

続きは少し書き溜めるので少し遅くなってしまうと思いますが待っていてくれると嬉しいです。


そしてお誕生日おめでう!! ルナちゃん!! ベルちゃん!!

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