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半生死神  作者: right
8/10

8話 友情

なぜ僕は2話に一度くらい主人公が起きるところから始めているのだろうか?

「舞武。起きろ。」


 悪魔に声をかけられ舞武は固く閉ざされた瞳を薄く開け、隣りにいる先駆に視線を移した。


「先駆・・・、そうだ!大丈夫か!」


「ムニャ ムニャ。」


「こいつは少々眠っているだけだ。安心しろ。半生死神にはなってしまったがな。」


「まぁ、良かったのか?」


 舞武は少しホッとする。彼が起き上がり伸びをすると先駆はその気配を察したようだった。


「ガバッ」


 先駆が勢いよく起き上がる。そしてキョロキョロと周囲を見渡した。彼の視線はそこにいたもう一人の少年、舞武の方へと向けられた。


「舞武!本当にすまねぇ!!俺のせいで、俺が体を制御できなかったせいで舞武が傷ついて・・・。俺はとんでもないことをしちまった。・・・謝りきれねぇよ。」


「先駆が俺以外を傷つける前に止められて良かったよ。ただ・・・。」


「話はなんとなく聞いてたよ。俺を殺したことに対しては気にすんなって。みんなで肝試しに行ったあの日から舞武が少し変わったような気がしてたんだ。あの日に舞武も死んじゃったんだろ?一人きりでそんな事を背負うなよ。だって俺らがいるじゃねぇか。相談してくれればいつだって・・・。」


「本当は二人にこれを背負わせたくは無かったんだよ。二人だって俺の守りたい大切な人の一人だったんだ。大切な人に自分が命をかけてるなんて・・・。」


「だからだよ。俺らにとっても舞武は大切な人間なんだよ。一人で背負わないでほしかった。いつだって辛いことはみんなで分かち合ってきただろ。いつ死んでしまうかもわからない世界に足を踏み入れてほしくなかった。俺が肝試しに行きたいなんて言わなければ・・・。」


「それはいいんだ、先駆。死んでしまったときも俺にはみんなを守れる力が自分にあったほうがいいんじゃないかって思ってしまったから。それに肝試しに行くことを決意したのは紛れもなく俺自身に他ならないんだ。ただもう一人ですべてを背負うのはもう止めにするよ。だってもう背中を任せられる仲間がいるから。先駆。半生死神として俺と共に戦ってくれないか?」


「言われなくったってそうするぜ。もう舞武一人にすべてを背負わせたりしないから。いつだって俺がいるから。」


 先駆は固く決意をしたようだった。


「とりあえず霧には黙っておこう。心配はされたくないからさ。」


「・・・あれだけ大口叩いておきながら舞武が一人で抱え込んだ理由がようやく分かったわ。いつかはあいつにも伝えよう。俺らは親友なんだから。」


「ああ。」


 舞武は先駆の言葉に強く頷く。


「話は聞いていたということは舞武を蘇らせた張本人・・・ならぬ悪魔である俺の存在も認知しているな?」


「会話は聞いてたからなんとなくは。そういえば俺の操っていたやつの心の声が内側から聞こえたんだがお前のことを知ってたみたいだぜ。」


「そこそこ有名な悪魔だからな。知られていなくては困る。」


(これが必然であったとしたら?あいつらの目的は目的は何なのか。次に狙われるのは―――最後の少年なのか。)


 悪魔が熟慮しているのとは裏腹に舞武達はあまりにも純粋無垢で人を疑ったり裏を読んだりなどを知らない人の良い少年たちだった。

 唐突に扉は開かれた。霧が部屋へと入ってくる。


「時間がかかって申し訳ない。サウナに入っていたら時間が思いの外早く時が過ぎ去ってしまってな。」


「よし、霧が帰ってきたならさっさと出かけるぞ。俺行きたい場所を見つけたんだ。」


「自由時間を全力で満喫する!」


「すまないんだが準備したいから少し待ってくれないか?」


舞武と先駆は自分達がせっかちすぎたことに気が付き笑い転げた。


 ◇◇◇◇◇


 先駆が行きたいと言っていたアスレチックや霧が興味を持ったと言っていた神社を訪れたりした。舞武は特に行きたい場所が思いつかなかったが二人の行きたい場所を満喫し、お土産も母や弟の分を含めて満足の行くまで購入することが出来た。昼ご飯にこの地域の名物を食べ彼らは宿へと戻った。


「2日間だったがもう名残惜しいな。」


 パシャパシャとカメラで写真を撮る霧。名残惜しいのは舞武も同様だった。戦闘が多く気の休まる瞬間が多くはなかったものの、先駆と更に仲を深めさらなる関係を築くことが出来たように彼には思えた。名残惜しいと思う気持ちは先駆もまた同様だった。


「ズルッ ズルッ」


「帰りたくねぇよ。後一日。後一日だけなんとかなんねぇのかよ〜先生。」


 先駆が出発しないようにとバスを引きずる。余韻に浸っていたクラスメイトは舞武や霧を含め流石に苦笑いをしていた。


「ゴツンッ」


 霧からのげんこつを喰らった先駆は渋々バスを掴む手を離す。


「流石に危険だからそこまではやめようね・・・?」


 舞武も注意をする。


「そんなにここにいたいのならまた来ればいいじゃないか。」


 バスの中に放り込まれた先駆に霧は話しかける。


「今度は3人だけで。大人になってからでもいい。満足して飽きるまでここに泊まろう。お前がゴリラ過ぎて物を壊して出禁にならない限りな。」


「楽しそうだな。」


 舞武も霧の意見に賛成する。


「出禁になんてならねぇよ!!ただその時は絶対に3人で。約束だからな。」


「もちろんだ。」


「当たり前だろう。」


 彼らは心に固く誓ったのだった。

「浄土宗は南無阿弥陀仏、浄土真宗悪人成仏」って言う小さな恋のうたの替え歌、鎌倉仏教の歌を口ずさみながら執筆してます。・・・ただのやばいやつじゃねぇか!普通に7話書き終わってないのに8話の前書きと後書きを書き始めるやばいやつです。

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