10話 禁忌
「飛ばねぇ豚はただの豚だ」ってやつあるけどクソ広告ゲーだったらそこから「飛べる豚は有料の豚だ」って繋がる気がしてならないのを誰かに共感してほしかった。(過去形)実はこの話7話に書こうとしたものが他に書きたいものあってズルズル来てココにいます。と9話のときに書いたものが10話まで来ました
「アスモデウスくんも馬鹿だよねー。きれいな筋肉を手に入れたからってすぐに暴れ出しちゃうなんて。僕みたいにきちんと潜伏しながら少しずつ意識を蝕んでいけばいいのに。もちろんベルゼブブくんも馬鹿なのは同じだよ?自力で肉体を手に入れるところまで言ったのにニンゲンに身を委ねて戦わせるなんて。とんだ悪趣味だな。君自身が戦えばいいのに。」
「貴様と違い俺は悪魔としての責務を全うし続けてきたからな。戦闘経験がほとんど無い。それにこれは取引だ。生き返らせる代わりに死神として働いてもらってる。ただそれだけの関係。そもそもこいつらを殺した貴様にそのようなことを言われる筋合いはない。」
「俺は先生の敵を討って人類の皆殺しを目的としてるんだ。ベルゼブブくんには先生を思う気持ちがないのかい?」
「それは違う。そんなものは貴様のエゴ、自分勝手なだけだ。先生が本当に望んでいるのは・・・。」
(風音を誘拐したルシファーは悪だ。それなら・・・ベルゼブブが俺や先駆を助けようと思ったことに裏はないのか?少なくともこいつだけは許してはいけない。)
「ボワッ」
舞武の手のひらに炎が灯る。
「ビシャ ビシャッ」
先駆が解凍され溶けた氷から出てくる。
(憎悪、恨み、怒り。これらが無意識に魔法を発動されるトリガーとなった?いや、なんでもいい。)
「この力で!」
舞武はルシファーに殴りかかる。先駆もそれに続く。
「無駄なことは止めてもらってもいいかい?」
「バシュンッ」
ルシファーから放たれたであろうエネルギー弾が舞武の左腕、先駆の右腕と鎌を抉り、跳ね飛ばす。
「クッ」
「バタッ」
二人は倒れて地面に這いつくばう。
「これはただ魔力をそのまま放っただけに過ぎない。この程度で圧倒される者が僕に勝てるとでも思ってるのかい?そろそろワープのための魔力が溜まったみたいだね。本当はあらかじめチャージして札とかに封印しておくべきだったんだけど時間もなかったし仕方ないよね。」
「待て!俺は・・・俺達は!君を絶対に許さない。」
残っていた右手をルシファーの方へと向けるがもう舞武には地面を手繰り寄せようとする気力すら残っていなかった。
「また会おう、可解 舞武、義死見 先駆。そして旧友ベルゼブブ!」
ルシファーの姿がフッと消える。風音と共に。
◇◇◇◇◇
あれから一年の月日がたった。季節が巡り少しずつ時間の流れを感じさせる。楽しみにしていた修学旅行はそこまで楽しくなかった。一つのピースが欠けてしまったから。鍛錬を積む毎日。これ以上の犠牲を出したくなかったから。誰かが傷つくのが怖かったから。舞武と先駆は本気で、互いを殺してしまうのではないかと思うほどの勢いで猛攻をを仕掛ける。全てを忘れ去りたかった。だが、現実は常に突きつけられる。彼らは今年受験生だった。しかし、勉強をしている余裕などあるはずがなかった。
「炎龍!!」
舞武は炎のドラゴンを作り出す。それは一直線に先駆の方へと向かっていく。
「危ねえな!」
先駆はそれの軌道を鎌でずらす。
「カマイタチ。」
先駆は鎌に風の力を込めて斬撃を放つ。
「シュパパパパ」
鎌でそれらを捌き切る―――が鎌が中に吹き飛ぶ。
「もらった!」
先駆が距離を詰める。
「青炎拳!」
舞武は自身の拳を燃やし内側に潜り込みアッパーを決めた。
「クソ。行けたと思ったのに。」
「少し詰めが甘いよ。」
舞武は倒れ込んだ先駆の隣に寝る。ここはベルゼブブのバトルフィールドの中だった。バトルフィールドが解除される。
「・・・あの日からぴったり一年か。」
「・・・。」
それは意図して避けていた話題だった。そのことを頭に浮かべないためにここまで激しい鍛錬をしていた。先駆は舞武の禁忌に、踏み込んでしまっていた。
「・・・そうだな。」
風音は未だに見つかっていない。霧と共に姿を消してから彼らの姿を目にするものはいなかった。
「もう一度行こう。あの場所へ。」
彼らは舞武の家の外に出る彼らの心とは裏腹に涼しげに風が吹いていて心地よい。彼らの中学は舞武の家から徒歩20分のところにあった。決して短い時間ではなかった。しかし彼らには一瞬のように感じられた。1年の月日と比べれば。
「ガラッ」
舞武は体育館の扉を開け放つ。自身の気持ちの整理をするために来ただけなのに―――ルシファーは・・・そして風音もそこにいた。
「君たちなら今日ここに来るんじゃないかと思ってたけど・・・可解 舞武君は僕の想像以上にやつれているね。」
思わぬところに転がり込んできた復讐のチャンス。
「ボッ」
舞武の炎はより一層強まった。
「彼を手懐けるのに手こずっちゃって1年かかったんだ。アスモデウスくんがミスしちゃったからね。今回は念には念を入れてじっくりと1年間かけさせてもらったんだよ。長かった。この一年間が。」
「テメエ、遺言はそれでいいか?」
「あーコワイコワイ。」
普段は怒ってもあまり感情的にならない先駆でさえ怒りではち切れそうだった。
(風音だけじゃない。霧のこともまとめて救うんだ。)
舞武はそう決心し拳を強く握りしめた。
・・・この作品を読んでいて気づいた方もいらっしゃると思います。僕は裁判系ゲームが好きです。いつか裁判系の短編書けたらなって思ってます。




