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第1話 享年14歳


夏休みの宿題を初日で攻略した僕は、ちょっとした覚悟を決め、死ぬほど暑い外に出て自転車を漕いでいた。


蝉が蔓延る外に出るのは本当に嫌だったが、新作のスイーツがコンビニで発売されたらしく、仕方なくわくわくしながら財布を持って自転車にまたがる。


自転車を漕ぐ度に熱風が顔面に当たり、死にかけの蝉がカゴに入っているのを見つけ、スマホを忘れていたことに気付き、過酷な旅だったがなんとかコンビニにたどり着くことが出来た。


はー!涼しい!住みたい!


思いの外汗をかいていたらしく、冷気に当たった途端スっと体温が下がる。


えーっと、新作は……これだ!


『季節外れのいちごタルト』な、なんて尖った商品なんだ……!


レジで購入し、涼しい店内を惜しみながら扉を開けて外に出る。


うわ、熱帯だ…… 温帯だけど。


山道のそばにある田舎のコンビニでも、照り返しと蒸し暑さで息苦しいくらいだ。熱々になったハンドルを握ってまた自転車を漕ぎ出す。今度は汗をかいていたせいでほんのちょっと風が心地いい。






テンポよく漕ぎ続けて、暑いものの、優雅な気さえしていたから最初は何が何だか分からなかった。



何か黒いものが突然僕の脇腹に入り込み、がしゃんと自転車から跳ね飛ばされた。


サドルから大きく浮き上がり、空中から僕の自転車をひしゃげさせる黒い車を見て気が付いた。



もしかして轢かれた?



全ての動作がスロー再生のように見え、鮮やかな青空と太陽を反射する車がとても爽やかだった。



優雅な昼下がり。僕の意識はまだそこにある。



つまりは血の気が引いて体温が下がったのを忘れるほど、痛みも衝撃も何も感じず、まるで映画を見ているような気分だ。ただ確かに異常な状態であるらしく、穏やかに意識を手放した。











目が覚めると、全く知らない場所にいた。



場所と言っていいのだろうか、言葉に言い表しようのない奇妙な空間で、天も地もあやふやだ。あやふや以外ではたったひとつ、見知らぬ女性がこちらを見ている。



もう全く何も考えられなかったのでぼんやりしていると、その女性が口を開いた



「私はこの世界の神様です。お察しの通り、貴方は死んでしまいました」



「うーん……?」



「寝ぼけていらっしゃるようですね。仕方の無いことですが…… えーと、突然車に轢かれて、首の骨が折れて死んでしまったのですよ。14という若さで……」


「夢では……」


「ないです。残念ながら……」



全く実感が湧かない。何より痛みは感じなかったし、事実として轢かれた光景を見ただけという感じだ。今自分でも何を話しているのか分からない程、困惑も恐怖も置いてきぼりにされていた。


まず神ってなんだ?死後の世界はあったんだ。現世を見守ったり出来ないみたいだ。全て可笑しな夢みたい。神様は棘のある喋り方をする。いや、そんなことはどうでもいい筈……



「え、えっと、神様、信じられませんが、僕は、どうすれば…… というか、本当の本当に死んだのですか……?」


「はい。突然のことで、驚くことさえ追いつかないでしょうが、貴方が見て聞いたものそのままです」


「はぁ……? はぁ……」



どんな言葉で形容されようが理解出来ないことを悟ったから、考えるのはやめにしよう。神様はどこか投げやりな様子だから、聞き返しにくい。


「さぁ、旅立ちの時ですよ。貴方はあまりにも若い。何が起こるか分かりませんが、第2の人生に送って差し上げます」


「えぇ、あ、ありがとうございます……?」



また意識が遠のく。安っぽい死に拍子抜けする。

後に適当に返事したのを後悔ことになるのだが、当たり前にまだ知る由もない。


読んでいただきありがとうございます!

不備があったら報告してくれると助かります!

端折っていたらいつの間にか異常な短さになっていましたが、今後は伸ばすので安心して下さい……!

今後ともよろしくお願いします!

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