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神の場合

今日の海は穏やかな凪の状態で、まるでアクアマリンが溶けたような美しさであった。

一匹のイルカがのんびりと浅瀬を泳いでいる。

「イルカが可愛らしいね、マリーベル」

そうペルシャが言うとマリーベルは、「イルカって美味しくないのよね。臭みがあるから」と笑う。

そう言うとイルカは「…おい! わしを食べるなよ!!」と怒り始めた。

「! イルカが喋った⁉」

びっくりするペルシャとマリーベル。


イルカが「すぽぽぽーん!」と言うと、おじいちゃんの姿が現れた。

長いひげを蓄え杖を持ち、さながら高貴な老人と言った風貌をしている。

ペルシャは「なんだあ神か」ととても嬉しげだ。

マリーベルは「もう、神はいつも突然現れるんだから」と言って、なんだかなと言った顔をしている。


神はペルシャに「どうじゃ? 旅は順調かな?」と聞く。

するとペルシャは「楽しいよ! みんなの話を聞くのは!」と言った。

「最近神はどうなのー」と神に聞くマリーベル。

そうすると神は「最近チャックの付喪神ちゃんが優しくてのう…子供を作りたいんじゃが…」と言ってもじもじしている。

マリーベルは「また子供作るのー」と言って笑っている。

「神はそうやって星の数ほど増えたんだものね。多神教の神は面白いわ! 簡単に子供が作れるから」

神は「でもわしは勝手に孕ませたりはせんぞ! ジェントルマンじゃからな!」と言った。

ペルシャは「チャックの付喪神さんには名前があるのかな?」と楽しそうに神に聞く。

「覚えてないなあ。だって…わしは名前なんてどうでもいいと思っているからのう」と神。

マリーベルは「だから自分を神って呼ばせてるんだものね」とクスクス笑った。

神は「わしは多神教の神じゃからのう。確か名前があるのだが…。あまり自分に関係の無いものは忘れてしまうものじゃなあ」と不甲斐なさそうに笑い、「でも呼ぶ名が無いと見分けが付かないからな」と言った。


「神はいつも僕たちを見ているんだね」とペルシャが言う。

すると神は「わしは神らしく使命を与えたものを優しく導くのじゃよ。だからまた遊びにくるぞ!」と言うと、「ポーン!」と言って神が空に見を投げた。

すると神はよく晴れた空に浮かぶ太陽の光の輪よりずっとずっと強い光になり、吸い込まれるように消えて行った。


神が去って行った後、ペルシャとマリーベルは「相変わらず光が綺麗ね…」と感慨深げだ。

そして白銀とガラスで出来た方位磁石を見つつ、「次はどの方向へ行こうか」とふたりで思案していた。

強い光の概念になった神はペルシャとマリーベルを空から見ながら、「ペルシャ…何処までも旅をして人間を知って行ってごらん。マリーベルはペルシャを頼むぞ…」と思い、目には涙を浮かべていた。

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