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闇のマレットゴルフ③

作者: 明地雫


吉五郎『へへっトメちゃんのおかげで

ガゼンやる気が出たぜ』



夏守造『見せてもらおうじゃないか。セミプロとやらの実力を』


夏守造 『それではぼちぼちはじめるかの。

ホール数は18でパーは72じゃ。』



そういうと夏守造は吉五郎にクラブを手渡す。


吉五郎『……!これは…』


夏守造『ん?どうかしたか?』


吉五郎『……いや、なんでもねぇ』


吉五郎が感じた違和感、手渡されたクラブが明らかに重かったのだ。通常マレットゴルフのクラブは0.7キログラム程度だが、おそらくこのクラブの重さはその10倍…7キロはある。


それを見てニヤニヤと笑う年長者一同。


吉五郎『野郎、味なマネを…初参加者への熱い洗礼ってことか』


吉五郎は定年するまで、年功序列の厳しい会社で真面目に働き続けていた。上司の陰湿なパワハラを耐える日々もあった。


吉五郎『退職すればこんな社会からはオサラバできると思っていたが、結局は格差からは逃れられねぇってか?人間の本質を見た気分だぜ…』


夏守造『ゲヘヘッなにをさっきからブツクサいってやがる?』


吉五郎『だがな、定年してまでそんな日々をまた送るのは俺は…』



吉五郎『ちゃんちゃら御免だぜッ‼︎‼︎』



吉五郎は7キロのクラブで1ホールの一打目を振り切るように打つ。



しかし流石にクラブが重すぎたのか、地面を抉り掘るよう形で球の下に入り込んでしまい、球を打ち上げてしてしまう。


吉五郎『チッ‼︎ダフった』


夏守造『はっはっは!セミプロでもトチることはあるんじゃな?これでは普通のゴルフのティーショットじゃ』


虎助『いや待て?このコース…まさかエースじゃ?!』


夏守造『いや、強く打ちすぎだ。オーバーするぞ』



夏守造の言う通り吉五郎の打ったボールはホール大きく越え、カップインを逃した。


と思われた。が、



夏守造『な、何ッ⁈』




ホールを20センチほどオーバーしたボールは強烈なバックスピンによりカップに吸い込まれるように近づいてゆき、そして……



吉五郎『悪いな、こ、れ、が……』



ボール『コロンッ』



一同『……ざわっ』



吉五郎『セミプロの実力ってやつじゃ』


トメにウインクを送る吉五郎。


虎助『…う、嘘だろ』


夏守造『ほ、ホールイン…ワンじゃと…』



トメ『す、すごい…』



続く

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