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絵師とクレーマーの協奏曲 Ⅴ

前回までのあらすじ:

ついに仕上げ提出された成果物をチェックすると、仕上げて分かる問題点が見つかった。

無料修正依頼はどこまで赦されるのか?

許容できる品質の成果物を手に入れられるのか?

荒ぶるサトリをなだめ長文修正依頼を送ったのであった。

 翌日、早速返信が届く

==========

かしこまりました!

資料も載せて頂きありがとうございます


該当の点を修正し2日以内に再提出させて頂きます

引き続きよろしくお願い致します!

==========


 絵師さんの提示してきていた当初の納期から計算すると、仕上げで2日オーバーしている。

 そこにさらに修正で2日なので期間だけでいうなら絵師さんの負担がどんどん増える。

 

 翌日

==========

お世話になっております

該当の個所を修正したイラストを制作しましたのでお送り致します!

これでお間違いはないでしょうか?

ご確認よろしくお願いします


[添付]

==========

 

 翌日……まあ「2日以内には」なので間違っちゃいないが作業時間を短縮しましたは依頼者の立場からすると微妙な気持ちになる。

 それは良いとして――お仕事スレッドがクローズした。

 何を言っているかというと、依頼が終わった扱いになっているのだ。

 届いた完成稿に問題が見つかった場合、DMで文句を言わなければならない。

 

 絵師のメッセージを見る限りでは「これが修正の限界だぜ、あばよ」

 というようなニュアンスはない。

 とりあえずサトリに連絡をし来てからチェックすることにする。

 

 

「どう思う? 私はこれで良いと思うが」

「order.se.9……腹から前足」

「それは諦めろ。

 言わなきゃわからないが言っても治らない物はこだわってもしょうがない。

 9はたまの臀部も直しは入っているがまだまだでかい。

 実際の猫に触れていないとこれ以上は無理かもな」

 

 そもそも、無理なら削ろうって話だったしな。

 絵師の彼だって腹から足を生やしたいわけじゃない。

 胴体を先に描いて前足のある位置から足を生やしているだけだ。

 女戦士の鎧の袖口から腕を生やしたように。

 

 直立したイヌならおかしくはならないが足をあげると支点が胴体の下だからおかしくなる。

 描き込むと胴体に重なる足の生え際表現を付け加えなければならない。

 子供の動物らくがきにありがちだ。

 

 絵師の彼は人物はめっちゃうまい。

 成果物を見ると背景もうまい。

 宿屋の空間や、部屋の片隅などはさすがと言えよう。

 人間は骨格から描けてるのに何故動物だとダメなのか。

 

 

「うん、これで完成でいいかな~」

「order.se.2が気に入ったみたいだな」

「裏表紙でしょ? これはめちゃくちゃ可愛い」

「私が描いた最初のイメージ画がいいからな」

「……えぇ~」

 

 <着信>

==========

時間経過によりトークルームは自動的にクローズしてしまいましたが、引き続き修正希望点がございます場合はダイレクトメッセージにて無料で承りますので、ご安心くださいませ


この度はありがとうございました

修正希望点がございます場合は、引き続きよろしくお願い致します

 

========== 

 

「なんだこいつ……納期オーバーからの修正依頼受けて、再修正依頼も無料で受け付けるつもりなのか」

「あはは、いい人だねー」

「修行中&信頼ってことなのかもしれないな」

 

 ともあれ、長かったがキチンとした表紙ほかを調達できた。

 やっと電子書籍を作る次のステップに進むことができる。

 

 

「じゃあ、表紙を作るぞ」

「え? 表紙は描いてもらったじゃん」

「素材だけはな、表紙にはタイトル他乗せなきゃいけない物があるだろ?」

「うん、じゃお願い」

「何を言ってる。 そこは自分でやらせるぞ」

「え? え? 無理に決まってるじゃん」

 

 画像加工は無理でも何でも無い。

 そりゃあ、プロ並みのクオリティを求めるなら何十万もするDTPソフトと技術を持っている人に依頼して構成から何から全部やって貰うが今回はそうじゃない。

 ど素人が金を可能な限りかけずに、納得の行く[商品]を作るのだ。

 人任せにするという事は、絵師に依頼するトラブルと全く同じ危険性をはらむ。

 

 誰かに相談して簡単なやり方を聞けば今の時代ネットで無料サービスがいくらもある。

 情報に知ってる人にどうせならその人に頼み込む。

 これを絶対にやってはいけない。

 予言しよう、100%間違いなく一回では納得出来ない。

 

【なんかイメージしたのと違うなあ】

 頼む方はお気楽である、コレという物じゃなければこの一言でいい。

 友情は壊れ険悪になり、じゃあ自分でやれとなりふりだしに戻る。

 絵描きという特殊能力を持つ人は請け負うのに金銭を要求すればいい。

 だが誰でも出来る事を請け負うのに金銭は要求しずらい。

 

 なので自分でやらせる。

 

 

「じゃあやり方教えてよ」

「ああ、じゃあまず[画像 文字入力]でググれ」

「えぇ……」

「URL一々打ち込むより早いんだよ。

 [画像文字入れ加工 | 写真に文字を入れる無料編集サイト(フリー]をクリック

 他にいくらでも良いサイトがあるだろうが、これが手っ取り早いからな」

「開いたわよ」

「じゃあ画像選択で表紙画像を選んで、横幅は……1476だな。

 あとは画像加工して、フォントを選んでサイズを……」

「」

「」

「もっとかわいいのにしたいいいい!!」

 

 誘導したサイトは[バナー工房]という画像加工サイトである。

 文字加工以外にも色々と加工が可能なのだが、文字合成としては極端なフォントはない。

 基本的にそれなりにおとなしめのタイトルになってしまう。

 

 めんどうくせえ。

 

画像加工に使うサイトは基本的にブラウザで作業が完了できるオンライン加工サイトです。

あくまでも実際に使ったサイトを中心としています。


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