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絵師とクレーマーの協奏曲 Ⅱ

前回までのあらすじ:

絵師への依頼を決断したサトリ、挿絵の場所を決める。

期待マックスで待ち絵師からのラフ画が届いた。

だが成果物には作家先生すら擁護出来ない謎生物が描かれていたのであった。

 <送信>

 

==========

ラフ絵をチェックしました。

ちょっと長くなりますがご容赦ください。


個々の修正は下記に入れて行きますがまず根本的な問題として猫の造形がありそうです。

猫特有のというよりは、動物の骨格を意識されていないのではと思われる点を修正頂く必要があります。


勿論ラフ絵の段階、というのはあると思うのですが骨格を前提とした造形・デッサンという物は仕上げまで影響すると思うのでよろしくおねがします。

細かい注意点としては、毛並み表現(仕上げ時に添加するという事かもしれませんが)がラフ絵としても不充分と感じました。

アウトラインを線で表現するのはありなのですが当然全身に体毛がありますのでモフモフ・フワフワ感を出すために短くとも毛質表現は必要です。

所々に毛立ちアウトラインを入れていただけますでしょうか。


表紙:order.se.1.jpg

 [猫について]

 問題点として、①頭が大きすぎる ②頬ヒゲが寄りすぎている ③胸腹背骨があいまい ④動きが無さ過ぎる などがあります。

 提出イメージ画を忠実に書き起こした物と思われますが、そこは描き手としての補完を期待します。

 ①については頭身の問題です、コミカライズデフォルメよりも猫らしいフォルムを重視してください、④にも繋がりますが下半身を小さくする事で比率の修正がある程度可能かと思います。

 ②については鼻の両脇にある上唇の膨らみ左右にある点々から体毛に即したヒゲが生えるので毛根が中央過ぎて違和感があります。頬から生える感じが良いでしょう。

 ③は一番の問題点で、腕も短過ぎるように見えます。私が思う改善方法としては「上半身を猫背にする」でしょうか?大の字に飛び上がって見える所を、こちらに飛び込んできているように修正するという感じです。

 ④はほぼ③と重なりますが下半身を遠近法で遠くに見せる為に小さくすることはできるでしょうか?後ろ足のももから先の造形はGoodなので頭手前、下半身遠くに見せられば動きのある画になりそうです。

 

 [女斧戦士について]

 頭の造形が変です。フェイスラインから後頭部を考えると髪型をもっと豊かにしていただきたいです。

 髪量に合わせ髪を画面中央方面へ流すようにし、足を開き動きを出すと良い感じになると思います。

 持っている武器についてですが、(仕上げの表現範疇にはなると思いますが)柄を細い棒ではなく太い柄でお願いします。

 具体的には現在の太さの約2倍、さらにハンドグリップ(柄の持ち手あたりをもうちと太めに)。


裏表紙:order.se.2.jpg

 可愛い感じで大体問題ありませんが、猫の造形からくる骨格の違和感があります、左耳の先あたりから背中が始まるようにすれば問題ないと思います。

 細かい部分では唇部分はもうちょっと(ーωー)っぽい丸みを、足先の肉球が手前向き過ぎるので若干下向きにお願いします。


挿絵1:order.se.3.jpg

 イメージとの齟齬そごですが、主人公たま の位置を中央ドアの前(手すりの下)に。

 ヒロイン猫は主人公たまを見下ろしています、そのためこの構図ではヒロイン猫は後ろ姿となります。

 また現段階ではラフ絵提出の段階ですが、依頼内容として「挿絵はほぼラフ絵でいい」とお願いしています。

 それで言うと、全体的に雑さが気になります、手すりの線仕上げ等は必要です。(挿絵としての仕上げがあるということなら問題ありません)

 

挿絵2:order.se.4.jpg

 ほぼイメージ通りです。

 気になる点としては主人公たまの口部分、下顎をもっと薄くお願いします。

 物悲しいシーンとなるので焚き火の炎はもっと小さく、昇っていく魂は三つなので白い点が三つ尾を引くように昇り、サイズは小でお願いします。

 夜の表現は線では無くトーンか色ブラシ等でお願いします。


挿絵3:order.se.5.jpg

 イメージの伝え方が悪かったのですが、このシーンでは主人公たまは半分寝ています。

 寝たまま尻尾だけで構うという構図です。

 じゃれつく仔猫タンビには尻尾がありません(根本だけちょっとある短尾種)

 なお猫の造形に難があるため真横の構図では特にそれが顕著です。

 特に頭身が気になりますので今よりも頭を小さく、後ろ足の腿の始まりを尻あたりからはじめ短く膝は今より上に、脚は長くすると良くなると思います。

(猫の描写資料を参考ください)

 以上を踏まえて修正をお願いします。

 

 

挿絵4:order.se.6.jpg

 イメージの伝え方が悪かったのですが、このシーンでは主人公たまをつまみ上げているのは男剣士ロッタンです。(女戦士ベリアはうなされて寝ている)

 人物を男性(キャラ造形は細かく設定していませんが20代革鎧、髪型はショート、軟派で平凡な顔立ち)へ修正お願いします(剣士らしく見せる必要はありません)。


挿絵5:order.se.7.jpg

 ほぼイメージ通りです。

 着衣についてボディラインのでるパンツかミニがいいかなとは思いますが、手間ならこのままでもかまいません。


挿絵6:order.se.8.jpg

 構図はイメージ通りです。

 表情について、憎き敵役となりますので、目については黒ベタか、瞳なしで無表情が良いでしょう。

 また現段階ではラフ絵提出の段階ですが、依頼内容として「挿絵はほぼラフ絵でいい」とお願いしています。

 それで言うと、全体的に雑さが気になります、鎖帷子表現の格子線、ブーツの線等は修正をお願いします。(挿絵としての仕上げがあるということなら問題ありません)


挿絵7:order.se.9.jpg

 大まかなイメージはあっているのですが、かなり雑に見えます。

 ドーベルマンは書き込み低だとキビしそうですね。(鼻から胸にかけての表現が違和感でる)犬は雑種で模様表現はなしにしましょう。

 主人公たまは表情を付けないようご注意をお願いします。

 また、主人公たまは犬に乗っかっているので「またがり」もしくは「のっかり」、爪とぎ攻撃をします。

 下半身を見せずに表現をごまかさず全身(もしくは片側半身)描き込むようお願いします。


挿絵8:order.se.10.jpg

 猫の造形に難があるため真横の構図では特にそれが顕著です。

 左の仔猫については捨てられていた猫を飼い主が拾ってきたというシチュエーションであり

 [order.se.5]のタンビよりも幼い為、今より小さく描き、寝転がっているのが良いでしょう。

 特に頭身が気になりますので今よりも頭を小さく、後ろ足の腿の始まりを尻あたりからはじめ短く膝は今より上に、脚は長くすると良くなると思います。

(猫の描写資料を参考ください)

 以上を踏まえて修正をお願いします。

==========

 

「送っちゃった……」

「多少慇懃無礼な感じはあるけれども、譲れない線を主張しないと伝わらないからね」

 

 どう反応するか不安だが、なるようにしかならない。

 彼は修正無料とは描いているが、明確に何回迄としていない。

 [いちいち回数書かなくても1回のみは常識]

 [修正依頼にこちらが納得できれば複数回受けます]

 どちらとも取れる。

 

 もっと言うと一回のみもしくは複数回でも限定的ならば、工数の関係からラフ修正で齟齬を埋めるためにきっちりやりたいのか、ラフはあくまでラフなのでおかしな部分は仕上げでちゃんとやりますよなのかということだ。

 このあたりは絵師によって考えが違うだろうし後者なら仕上げの後修正不可ならトラブル不可避だ。

 

 絵師の反応にもよるが、当初提示してきた納期は2週間だった。

 まとめて提出とはいえラフが出てくるまで6日かかった。

 手直しに丸々6日はかからなかろうが、仕上げの作業工程を考えるとあまり差し戻しは想定していまい。

 

 無料修正回数もさる事ながら、こちらは納期に制限は無くとも絵師の猶予期間に不安を覚えるのであった。

 

 程なくして返信が送られてきた。

 

==========

ご確認ありがとうございます


修正点について詳細にご指定頂きありがとうございます!

ご指定を踏まえて、修正したラフをもう一度制作しますので、引き続きよろしくお願い致します

==========

 

 本心はどうあれ、きちんと飲み込んではくれたようだ。

サイトバレしないか心配ですが、やり取りの送信・返信はサイト内での専用スレッドで行っています。

絵師様には執筆前に経緯の公開について許可を頂いております。

提出されたデータがあれば指摘部分についてわかりやすいとは思いますが完成成果物以外は、公開の権利は無いためご了承ください。

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