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絵師とクレーマーの協奏曲

前回のあらすじ:

依頼を確定したサトリ、依頼内容を改めて詰める。

必要な情報を想定し依頼を開始する。

期待と覚悟が渦巻く中、お仕事の進捗を待つのであった。

注:今回より、作品の特性上しょうがないのですが「たま異世界転生」のネタバレを含みます。

 もし読まれるつもりがあるのであれば、ブラウザバックして読み終わった後から続きを読みましょう。

 問題は挿絵である。

 表紙が第一印象なら挿絵は中身である。

 モノクロでよそいきの仕上げは望まない、だが物語を映し出す鏡でなければならない。

 

 幸いな事にここには作者と内容を把握している読者がいる。

 どこに挿絵をつけるか?

 コレを早急に決めなければならない。

 期限は無い―――が、絵師も作業を待っている暇はない。

 

 前回だけの情報で作成開始できる表紙と裏表紙のラフの見通しがつくまで。

 試しに[挿絵を入れたいシーン]をピックアップさせる。

 25あった、思いいれを滔々(とうとう)と語りながらどう描いて欲しいか妄想してる。

 自分の作品だしな、ここから削らすのも可哀想か。

 

 物語の進行を考え、ポイントが集中しているものはバッサリ削る。

 動静を考え派手なシーンに片寄っているものは削る。

 

 

「これでいいな?」

「クライマックスのバトルとか描いてほしかったなあ」

「描く方の身にもなってみろよ、アクション寄りの絵師ならともかく。

 あの人はキャラをしっかり描き込むタイプだ、イメージしやすい場面でないと」

 

 クライマックスは夜にキジトラ猫と熊のバトルである。

 小説では何ら問題ないが、イラスト化するとなると真っ黒になる。

 絵師に言わせれば余裕な可能性もあるが、出来上がるビジョンがみえないので除外する。

 挿絵のシーンが決まりお仕事サイトに情報を送る。

 

==========

挿絵について仮決めしましたので報告させていただきます。

思いつくシーン状況を記述しておきましたがもし参照チェックをされる場合、書籍化に向け手入れしている都合上算用数字を漢数字に変えている事ご了承ください。


挿絵候補1 第一章 第四話

 ヒロイン「エリー」(サバトラ灰毛黒縞、靴下柄なので足先は白)の登場するシーン。

 手前にエリー後ろ姿、奥に主人公、宿屋の二階の木の手すりでのやり取り


挿絵候補2 第一章 第十二話

 戦死した新人の魂3の昇華を見上げるシーン

 開拓村の戦場跡で時刻は夜、場所は焚き火を想定。

 見上げるシーンなので村や戦場跡は無くてもOK


挿絵候補3 第二章 第三話

 主人公のしっぽで遊ぶタンビ(仔猫)のシーン

 場所は廃屋小屋の軒下ですが、土の床、藁などが適当にある空間


挿絵候補4 第二章 第九話 

(うなされ女戦士の上で寝ているところを)首の後ろをつままれ持ち上げられる主人公。

 宿屋のベッドでの出来事、持ち上げられてるので木目の壁か、窓が背景にあるかもしれないがラフ風味なのでごまかしでもよいです


挿絵候補5  第三章 第三話 

(ドワーフ住処の街灯ランタンに)妖精が数匹群がっているシーン

 ドワーフ窟という洞窟で、光や熱を妖精が生み出しているという設定なので妖精のうち一人が、ランタンに手を当てていると良いです


挿絵候補6  第三章 第十話 

 おどろおどろしいエルフ、「アーリーン」登場シーン。

 ロングでごまかしつつ英雄っぽいフォルムをイメージ

 ストーリー的に異世界ラスボスなので悪役っぽく、装備は鎖帷子に板金装具、片手剣という設定(ポーズはすしざんまい?)


挿絵候補7  第四章 第三話 

 洗脳された狂犬の背中にのってバリバリ爪とぎシーン。

 異世界から戻ってきて住宅街での出来事。犬はドーベルマンを想定してるが難しければ雑種でもOK


挿絵候補8 第四章 最終話 

 主人公と子猫が会話してるシーン

 現代(元の世界)の家庭で、拾われて来た捨て猫と仲良く会話する。(実は生まれ変わったエリー)

==========

 

 程なくして、内容を了承したと返信がつく。

 ゲームで言えばこれで第一ターン終了というところか。

 ほっと肩の荷を降ろしたように安心する。

 後は制作が進むのを待つだけだ。

 

 

「ドキドキするなあ、早く出来ないかなあ」

「金を取っている以上プロだが、知名度のある有名絵師じゃないんだから期待しすぎるなよ」

 

 そう、知名度があるなら大量に作品が世に出ているということだ。

 作品が世に出ているということならば品質に定評があると言える。

 そうでないなら品質は成果物で判断しなければならない。

 

――――― 6日後 ―――――

 

 絵師さんからラフが提出の返信があった。

 表紙なら表紙、挿絵なら順次となるかと思って随分遅いとヤキモキしていたが纏めて作業するという方向性のようだ。

 

==========

お世話になっております

ラフネームが完成しましたのでお送り致します!

修正希望点などございます場合はお気軽にお申し付けください

よろしくお願い致します!

==========

 

 サトリにラフ提出があった旨連絡し、提出されたイラストをチェックして行く。

 これは……ヤバイ……いや、うん。

 これは相当荒れそうだ……。

 

 やがてサトリが来て、秘蔵のプリンを出しラフ画イラストを見せる。

 

 

「なにこれ」

「丸いな」

「何でこんなに下『ラフ画だから! 色々指摘して直して貰う前提だから!』

 

 確かにラフ画である。

 だがラフは言ってみれば[当たり]をつける作業と言える。

 [当たり]の付け方でわかるこのヤバイ感。

 サトリにしてみれば料金を支払っているのだ。

 感情的になりかけてるのもわからんでもない。

 

 何とか思考停止せず[いい仕事]に繋げなくてはいけない。

 突っ込みどころが多すぎるが、指摘しなければ伝わらない。

 どこが良くてどこが悪いのか、どう直せば良くなるのか、分析する。

 

 

「どうしても直してほしいところはこんなもんか?」

「うん……コレでいいけど、流石にこれは引くわね。

 いくつか妥協……」

「駄目だ、指摘出来ることは全て指摘する。

 改善出来る所は全て改善して無理な所は妥協する。

 言ったろ? 言語化しないと伝わらないって」

「めちゃめちゃキレられたらどうしよう……」

 

 相当量の突っ込みを送ることになってしまったが、ある程度は仕方ない。

 第一におそらくこの絵師は動物を描いた経験が殆どないか全く無い。

 第二にデッサンの基本が出来ていない。

 第三に最初の挨拶で、購入前サンプルに動物が無かったのでこうならないようPixivの動物得意絵師が公開した超わかりやすいコツまとめ(ド素人に描けるようになるとは言ってない)への誘導リンクを添付している。

 

 動物を描いた経験が無くとも、絵師のコツまとめを見れば骨格さえわかれば体型を描ける。

 少なくとも腹から前足が生えたりはしない。

 ……とはいっても、なかなか送るのに勇気がいるな。

 

 <送信>

今回も片鱗はありますが、次回、やり取りの内容について絵師界隈・その他からお叱りを受けたり、不快に思われる可能性があります。

ただ、進捗のやり取りについては基本ほぼ原文ママで行くと決めてますのでどうしても受け付けない方はブラウザバックをお願いします。

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