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裏切りと勝利がもたらすもの

前回までのあらすじ:

サトリがPDF化にむけて原稿清書デスマーチ

黄身エロ

コイバナで作家先生が株を落とす

「原稿清書できたわよこのやろー! ふぁっきゅふぁっきゅー!」

「教育的指導!

 ネットで覚えたスラングを安易に使うととんでもないことになるぞ。

 可愛く言っても、元はチンピラが女性に向かって【てめえレ●プするぞ】

 という意味なんだからな、国によっては侮辱罪になる」

「ぴえん」

 

 まあサトリが学校終わっても、ろくに遊ばずPCを起動して作業していたのはメッセンジャーアプリでわかる。

 ともあれようやっと次のステップに行くことが出来る。

 本文のPDF化の次は、表紙、裏表紙、背表紙のPDF化だ。

 画像をそのままPDF化するだけなので簡単である。


 ネクパブ(NextPublishing)で新規作品登録を押し、情報を入れ

 本文登録、表紙登録、裏表紙登録、背表紙登録を行う。

 サイズは四六判を選択し788×1091が基本でアスペクト比も788:1091となる。

 背表紙は適当な画像を用意して文字加工すれば良い。

 画像はどれも4mmずつの余白が必要となる。

 ページ数によって背表紙の幅は可変なので要注意だ。


 このあたりの情報は海河童さんのブログが画像つきでわかりやすい。

 http://umikappa1960.blog.fc2.com/blog-entry-2300.html

 

 

「ねえ、本文は登録完了になったんだけど画像はどれもエラーになっちゃう」

「あれ、ほんとだ。 おかしいな」

 

 自分でやった時にここで躓いたことはない。

 ネクパブユーザーズガイドをダウンロードし確認する。

[特色は使用しないこと][画像の解像度は300DPI以上]とある。

 特色ってなんだ?

 まあプロのフォトグラファーじゃあるまいし関係ないだろう。

 

 解像度……GIMPをダウンロードし確認する。

 300DPIになってるな……なるほどわからん。

 

 

「何が原因かさっぱりだな、ちょっと調べてみるから今日はお開きだ」

「ゆうはん……」

「しょうがないな、こんなこともあろうかと冷蔵庫にカツサンドがある」

 

 店屋てんやものだがしょうがない。

 女子高生に食わせるもんじゃないが、うまそうだったのだ……。

 

 モクモク モクモク あむあむコクン

 

 

「一人前全部食ったのか!?」

「だって今日体育でマラソンだったんだもん。

 男子とおんなじ距離走らせるとか鬼じゃない?」

 

 それは確かにお疲れさまである。

 筋肉の付き方やホルモンバランスもあるのだ、性差を考えず男女平等を確信犯で行う教育はどうかと思う。

 それはそれとしてカツサンド3ヶ入りは大の大人や食べざかりの男子でさえたじろぐカロリーである。

 

 サトリが帰った後、改めて表紙設定を見直す。

 ピクセル値、ミリサイズ、解像度、アスペクト比。

 絵師やグラフィック専門ならなにか分かるのかも知れないが断片的にしか知識はない。

 そんな自分でも何となくわかること。

 そもそも[788×1091]で[300dpi]は結構巨大な画像である。

 実際に印刷される四六判の小説書籍というのは片手で持てる大きさだ。

 【大きすぎる】のだ。

 

 まず画像サイズをアスペクト比を変えずに圧縮する。

 エラー。

 もっと圧縮……しようとするが当然縮小しすぎると画像劣化を起こす。

 

 画像の[PDF変換]に問題があったかと思い別のPDF化変換サイトを探す

 エラー。

 さらに別の変換サイトを~。

 エラー。

 さらにさらに別の変換サイトを~。

 エラー。

 ......

 ......

 ......

 数日が経過した。

 

 あかん。

 何をやってもダメである

 

 仕様を確認しても、おかしなことはなにもない。

 もう打つ手が無い……見えてる罠である[表紙データセルフ作成支援]

 を使おうか本気で悩む。(1000円)

 

 サトリになんていおう……。

 何の気なしにメールをチェックする。

 

 [NextPublishing POD出版サービス]からのメールが大量に届いていた。

 PDFアップロード時のチェック結果をレポートしてきているメールである。

 なんなん? そんなシステム聞いてない!

 

 今までのパターンチェックを思い出しながら原因を探る。

 

――――――

■○○○PDFファイルの正しいサイズ

縦サイズ:~

■今回アップロードしたPDFファイル

縦サイズ:~

――――――

 

 この形式でどれも「今回」の方のファイルサイズがオーバーしている。

 オーバーの度合が明らかにおかしい。

 色々なパターンを試したが一つだけ試していない事がある。

 

 ……300dpiだ。

 ガイドブックに記されていたこれだけは変えていない。

 DPIはdots per inchの略で、ドット密度の単位。

 専門畑ではないが300dpiといえば高密度である。

 四六判の原本はでかいが、実際に使われるのは分割される。

 四六判というのは比率として使われているのであって今回の印刷は小さい。

 小さいのに高密度なのがそもそもおかしいのだ。

 

 試しに禁断のdpiを下げてみる。

 エラーになるがあきらかにサイズが小さくなっている(縮小はしていない)

 もっと下げてみる

 

――――――

表表紙アップロードファイル:1.pdf

エラーはありませんでした。


裏表紙アップロードファイル:2.pdf

エラーはありませんでした。

――――――

 

 ああ無情。

 

 

「でGIMPでDPIを最低にしたら通ったと」

「納得いかん!!」

「通ればいいのよ通れば」

「そういう問題ではない!

 ユーザーガイドブックの少ない情報の中、唯一の情報が嘘だったんだぞ!」

 

 [表紙データセルフ作成支援]を使うところだった。

 使えばノーリスク出版という利点が消し飛ぶ。

 使えば負けである、あと一歩の所で勝利したのだ。

 

 勝利はした、だが作家先生の心には虚しさが広がるのであった。

ネクパブには出版のアンケートで指摘しておきました。

いつか治るかも知れません。

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