プロローグ コトバとセカイ
コトバとは、ヒトの紡ぐ、ナニカのイミを伝えるためのドウグであり、同時にそのヒトのココロを映すカガミである。
故に、コトバの穢れたヒトのココロは穢れていると言える。
コトバとは、イノチを持たずとも生きており、様々に変化しながら、ナニカを表すモノである。
故に、コトバはセカイを形づくるうえでの重要なピースであり、二つには切っても切れないツナガリがある。
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コトバには、ヒトを、セカイを良い方向へ導き昇華させるチカラがあるが、一方では悪い方向へと招き陥れるチカラ――キケンセイも孕んでいる。
故に、コトバは良いカタチで使うイシキが大切である。
コトバには、ひとつひとつにイミ――ホンシツがあり、それによってナニカを伝えているが、それを間違ったまま適当に使うケースは、そのヒトたちにソゴが生じたのちモンダイが生まれる。
故に、コトバはあるべきカタチで使うイシキも大切である。
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これらができていないあまり、大きなロンソウであったりエンジョウであったりイジメであったり、といったことが起きる。
『ペンは剣よりも強し』
いつかどこかの誰かが言った。まさにその通りである。
トキとして、コトバというのはカラダを突き刺すことは無くとも、ヒトをヒトたらしめているココロを突き刺し、抉り、蝕む、尋常でなく鋭利なケンよりタチの悪いモノになり得るのである。
ココロは、カラダとは違い、癒えるまでに要すトキが遥かに長い。
それほどに、ヒトのココロは弱く、ヒトのコトバは強いのである。
出典:『ドラゴニア創世記』より一部抜粋
著:不明