第3話 ライスターの街に到着
『ドンッ』
モンスターの体当たりを受ける。
『パーフェクトバリアー』を使っているため、無傷。振動もない。
角の生えたうさぎさんが俺に鋭い角をぶつけてくる。
最初は怖かったけど、慣れた。
シェリー様の魔法とかの方が怖かったし。
シェリー様の魔法、最初の方は、大丈夫とわかっていても、逃げ回ってしまった。
恥ずかしい。
でもね、こわいよ。
巨大な火の玉が飛んでくるとか、家一個分の土の塊が頭上から落ちてきたりとかね。
普通、逃げるよね??
『ガルルルル』
角の生えたうさぎさんはあきらめたみたいで、帰っていった。
角だけ、ぽろっと、とれたみたいなので拾う。
肩掛けショルダーバッグに入れる。先ほど必要だなと思い作った『ショルダーバッグアルケミー』
黒色のショルダーバック。
右下の方に、さりげなく雪だるまのマークと月のマークをあしらってみた。
俺の名前、七月 小雪だから。
そして、角の生えたうさぎさんの代わりに現れた、こちらも角の生えたオオカミ?
俺のことを食べようと思ったのだろう、噛みついてくる。
しかし、逆に牙が折れてしまったようだ。かわいそうに。
もちろん、拾ってバッグに収納した。
モンスターを脅威と感じず、街に向かって普通に歩いていく。
途中で錬金魔法でだしたあんぱんを片手に持ち、もう片方の手にコーヒーを持つ。
コーヒーの容器は、木である。木のコップに入った状態で出る。
スーパーとかに売っているコーヒー缶にしようかと思ったけどやめた。
理由は、ね。あれだ。
すべての魔法には、文字の書かれた魔法陣がある。
魔法を作った者は、新しい魔法技として、その魔法陣を売ってお金にすることができるのだ。
素質のある者なら、第3者は、その魔法陣の羅列された文字を魔法陣紙に記入することで今度は、わざわざ教会に届けなくても、覚えることができる。
それで、この世界に存在しないものほど、魔力の消費が激しい。
そのためコーヒー缶は、木の容器にした。
今後、誰かに教えるとき、魔力の消費が激しいと困っちゃうだろうからね。
「平和だなー」
俺の結界魔法の技だと、風や香り、日光などを遮ったり、温度を結界内で調整できたりする。
ファンタジックで、絶対的な防御力が俺の幼き頃に考えたバリアーだ。
バリアーの色は、薄い紫色にしようと思ったけど、魔法陣の関係でうすピンクになった。
シェリー女神様の羽衣の色も、うすピンク色だったからなんか、親近感がわく。
魔法陣とは、魔法を放つ際に足元に出る円形の陣。
ファイヤーボールという火の玉が飛んでいく、火魔法の技を放つとする。
火魔法用の赤色の魔法陣を足元に出して、その出した丸い陣が徐々に消えていく。
消えると同時に魔法が発動する。
強い魔法ほど、魔法陣が大きくなるため、発動時間が長くなる。
水魔法は、水色の魔法陣。
土魔法は、茶色の魔法陣。
風魔法は、緑色の魔法陣。
収納魔法は、紫色の魔法陣。
因みに、属性魔法と呼ばれる、火・水・土・風、魔法、その他の結界錬金魔法以外の魔法を俺がもらえなかった理由は、結界錬金魔法を使って欲しいからって言うシェリー様のお願いに基づいている。
少し、残念だけどしょうがないよね。
人の通る道に出て30分は歩いただろう。
出発時間をスマートフォンでで確認していないから、正確な時間は分からないが、それくらい経ったと思う。
スマートフォンは、女神さまとの連絡用。
そして、この異世界で結界錬金魔法の技の申請をした者の、申請内容が送られてくる、それを許可・h許可などの対処用。
その他、インターネット以外の機能がある。アラーム、時間などなど。
少し疲れた。
運動不足だから笑
馬車などが通るのであろう人道の地面はボコボコしているが、バリアーによって、普通の舗装された道路と変わりない平面だ。
ライスターの街に到着した。
入門料、500円必要みたいだ。
大銅貨5枚である。大銅貨1枚100円相当である。
お金は一円も持ち合わせていなかったので、角の生えたうさぎと角の生えたおおかみから頂いた、角と牙を門番に買い取ってもらった。
正直、錬金魔法でお金と宝石出そうと思えば出せるんだよね。
だから、シェリー女神様にわざわざお金を準備してもらわなかった。
身分証明書の提示を言われたけど、そんなもの持っていないので、持っていない旨を伝えると、仮の身分証明書をくれた。
1週間以内に、この街の住民カードか、冒険者ギルドあるいは、商業ギルドの身分証明書を持ってくるようにとのことだった。
身分証明書を作れずに1週間が経過し、騎士に見つかると最悪、捕まるんだって。
とりあえず、商業ギルドに向かうことにした。
商業ギルドまでの道は、街の門をくぐり、きょろきょろとしている俺に話しかけてきた女の子に聞いた。
教えてもらって、チップ?として、大銅貨を1枚(100円)渡した。
商業ギルドに進んで行く中、宿屋の外の地面に置かれている板に記載されている値段を確認して行った。
安い所で1000円高い所で10000円だった。
安いのは、ベッドなしの雑魚寝とかかな?防犯面が心配だな。
あっ、俺、バリアーあるから関係ないんだった。
商業ギルドに近づくにつれて、宿屋の値段が高くなるのを見るに、商業ギルドの周りは治安が良いのだろう。
因みに、冒険者ギルドの場所についても女の子に聞いたけど、門から近い場所にあるみたいだった。
討伐したモンスターを運ぶために近いんだって。
それと、街の中に入ってきたモンスターを速やかに討伐するために近いとも言っていた。
街の中央付近にあるらしい商業ギルドについた、