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詩の箱

忘却

作者: 眞木 雅

煮立ったようなあぶくが

しかし触れると冷たく

溢れ出しそうな水面が

靄をたたえうごめいて


燃え尽くしたような荒廃が

酷く優雅で哀しく

割れ落ちた文明の証が

無知の慟哭で風になり


紡ぎだした糸の苦しみが

あぶくを静かに燃やして

ついに溢れた水面の

魚をひとつ殺した


なんと愚かな夢だろう

眼の奥で育つ街のよう


朽ちた果てた影の残骸は

優雅さを確かに除かれ

破片に宿った文明は

哀しみを知で満たすという


なんと無邪気な夢だろう

手のひらに見る映画のよう


たとえ私が魚でも

こうして地べたで生きたであろう

心と一緒にここでこうして


たとえ私が鳥でも

こうして地べたで死んだであろう

心と一緒にここでこうして


無論私は人だから

こうして地べたで泣くよりほかない

心はいつかの場所に残して

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― 新着の感想 ―
[良い点] もの言わず、大地は斎(いつき)を致しあり。 鳥の骸(むくろ)、獣の骸、人が骸もまた同じ。 骸を抜け出し魂(たま)、何れへまいるや。 解き放たれし魂、何処(いずく)へか飛び去り、宿り木を生す…
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