2ループ目 ― ステータスって残酷だよね ―
とにかく、もう一度ステータスを確認しようか。
【洞観】!
――――――――――――――――――
実名:美神東哉
種族:人間(異次元人)
<基本能力>
生命力:55(C’)
魔力:5 (E)
筋力:35 (D’)
耐物理:32(D)
耐魔術:8 (E)
<特殊能力>
【洞観】:E
【隠蔽】:E
<固有能力>
限界突破【洞観】:【洞観】が自動成功。
対象の<固有能力>も把握可能。
――――――――――――――――――
僕のステータスの情報がふわりと頭の中に浮かび上がった。
思わずため息が出る。
本当にどうしよう。頭痛いや。
いや、こんな時こそ冷静に分析するべきだね。
ステータスについてだけど、この次元では全員につけられるものだったよね、たしか。
誰が決めているんだろう……。それこそ神様とか。
うーん、でもいちいち決めるのも大変だろうしちょっと違うかな。
まあそんな事はあまり重要じゃないね。
<基本能力>にある数値はある生物(忘れた)を100として測っていると予想されてるはずだったな。
アルファベットは能力のランクらしくてS、A、B、C、D、Eの順に評価が高いらしい。
まあ、それは予想通りだったよ。
ぶっちゃけた話、数値見てもピンと来ないのでランクの方に注目したいところ。
人間の種族は「筋力」がD、「生命力」、「耐物理」、「耐魔術」がC、「魔力」がB。
そのぐらいが平均らしい。
僕、何一つ平均にすら追いついてないね。
なんか成績表みたいでやだなあ。留年確定の評価だよ。
<特殊能力>は使える技みたいなもの。種族や職業によって変わるんだっけ。
魔物の一部と人間は【洞観】と【隠蔽】が使えるらしい。
【洞観】は成功すると目に映った相手のステータスを見ることができて、【隠蔽】はそれを阻止する能力。
つまり自分の【洞観】のランクが相手の【隠蔽】のランクより低かった場合、相手のステータスは一部または全部が隠れてしまうそうだよ。
まあ、ステータスなんて見られたら弱点バレバレだからね。普通見られたくないよね。
僕は<固有能力>のおかげで【洞観】は自動成功だって。
やったね、相手の弱点がばっちり分かるよ!分ったところで他の能力弱すぎて相手になりそうにないけど!
相手の正体を見破る程度にしか活躍できないっぽいんだよなあ。
魔術師や魔物は【魔術】、召喚師は【召喚魔術】が<特殊能力>に含まれるらしい。
あ、召喚師は一応【魔術】も使えるっけ。ランクはEぐらいが平均だったかな。申し分程度。
ちなみに僕は表示すら無いから、その申し分程度の魔術すら使えないね。
修行したら能力に目覚めることがあるらしいけど……。きっと「魔力」が少なすぎて一瞬で魔力切れだ。泣くしかないよ。
ちなみに「魔力」についてだけど、魔力が少なくなったら動きにくくなって「耐魔術」の値が下がるんだったかな。
それといきなり大量の魔力を消費しても同じことが起こるそうだね。
戦闘中だと命取りになるらしい。
<固有能力>は一固体ずつそれぞれが持っている特別な能力、だったかな。
優れた能力を一つだけ持っている事が一般的らしいけど、一部規格外がいるらしいね。
残念すぎる能力だったり、2つ持ってたり。
僕は 限界突破【洞観】 だったから結構いい能力なんじゃないかな。
皆がどんなの持ってるか知らないけどさ。
で、この<固有能力>は基本的に【洞観】では見破れないらしい。
僕みたいな<固有能力>を持ってたら話は別だけど。
…………。こんなものかな。
さっきまでこの部屋のお隣さんがすっごく煩かったけど、やっと落ち着いたみたいだね。
なんか眠いな。外も暗いし。
この世界、時間がよく分らないんだよなあ。僕にとっては結構つらいんだけど。
もう寝てもいい時間なのかな?
寝よっかな。
ステータス考えるの楽しい!
そういえば、あらすじに書いてあること全然書けてませんね。すみません。
次話から本筋に入っていく予定です!