第67話:厄神様はかく雪遊び
どうもこんにちは。
今日、東京ではなんか雪降ってました。
色々あってどうしても雪を出したかったので神様に手伝ってもらいました。
そんな第67話、どうぞ。
朝。
目覚めると、雪だった。
「……は?」
……雪だった。
――バタン!!
「おはよう」
「おい! なんだこれは!?」
「なんだ。雪も知らないのか。水蒸気の飽和した0℃以下の空気中において氷晶核に水蒸気が昇華して発生する氷の結晶で――」
「そんなこと訊いとらん! 俺が訊きたいのはなんで6月末に積もるほど雪が降ってるかってことだ!」
「知らん」
この死神は……。
「……で、玉藻と厄病神は」
「外に出てみろ」
「?」
玄関を開ける。一気に冷たい空気が家の中に入り込んできた。
「わあーーー!! すごいですねーーー!!」
「ふん。これしきのもの、わらわの手にかかればたやすいわ!」
……厄病神と玉藻は、家の前に2mくらいのバカでかい雪だるま製作していた。
「……何やってんの、お前ら」
「ぬおぉ!? お、お主、いいいつからそこに!?」
いや、ついさっき。
「こ、これは違うぞ! 小夜がどうしても作って欲しいと言うからしかたなくじゃの……!」
「あ、玉藻さん! バケツありましたよ! 絶対に必要だって意気込んでましたよね!?」
「ぬおぉーーー!! 余計なことを言うなーーー!!」
「……雪、好きなんだ」
「ち、違うぞ! 妖狐たるわらわはそんな低俗な嗜好など……!」
「はいはい。はしゃぎすぎて風邪ひくなよ」
「だから違うと言っておるではないかーーー!!」
ま、所詮キツネも犬の仲間ってことか。
「あ! 直樹さん! おはようございます! 雪ですよ雪!」
「お前はお前で分かりやすくテンション上げてるし……」
厄病神はきゃーきゃー言いながら雪の上を飛び回ったり飛びはねたりと忙しい。こいつは今まで雪を見たことがないのだろうか。
「とは言っても、これほどの量はなぁ……」
積もった雪の量は半端ではなく、ふくらはぎまで埋まりそうな勢いだ。
「狭山直樹。学校から連絡だ」
扉を開けて死神が顔を出した。どうせ休校だというのだろう。極めて常識的な判断だ。
「それじゃ今日はのんびりしてるか。どうせ放っておいてもあいつらは遊んでそうだし」
「『授業は通常通り行うものとする。遅刻厳禁』」
滑った。
「さて、と」
教室は季節外れの大雪に関する話題でもちきりになっている。ちなみにここに来るまでに7回滑って転んだのは厄病神のせいだと信じたい。
「死神、厄病神、行くぞ」
「どこへですか?」
重要参考人のところへ。
「おお! 直樹氏! どうしたのかね!?」
「お久しぶりです」
「ああ、久し振り……か?」
神楽と市原は珍しく中庭へ来ていた。市原が雪を集めて小さな雪だるまを作っている。
「この雪、お前の仕業だろ」
「はっはっは! バレてしまっては仕方がないか! 雪遊びをしたいと舞君が言ってきたのでね!」
過保護にも程がある。
「舞さん! 雪、楽しいですか!?」
「……はい、けっこう」
「ですよね!」
一方的にテンションのインフレが続く奴は放っておいて主犯に尋問をかける。
「まったく、少しは時期を考えろ」
「何を言う! 突然学年行事でオーストラリアへ旅立つことになるよりいいのではないかね!?」
こいつにはもう何を話しても無駄な気がする。
「それにしても大変な量だな。中庭一面が雪に埋もれている」
「少し張り切り過ぎてしまったようだね! 学校が休みになりそうになっては元も子もない! 焦ったよ!」
阿呆だ。
「まあいいじゃないか! では直樹氏、黄泉君! 昼休みになったら皆を引き連れて中庭に集合だ!」
「何をするつもりだ」
「まさかとは思うが……」
「雪合戦をしよう!!」
「……何言ってんの?」
「あいつもついに壊れたか」
「……雪合戦……」
「…………」
「すみません神楽センパイ、とりあえず頭を交換すればいいと思います」
「み、満月ちゃんっ」
「発想がいちいち野蛮……なんでもないです……」
昼休み。
とりあえず藤阪、桜乃、碧海、松崎、辻に声をかけ、それに藤阪妹と桜乃弟がくっついてきた7人は思い思いに神楽の発言についていけていない旨を告白した。
ちなみに今言った順にパーティーが増えていったのだが、その人数に反比例して藤阪の機嫌が悪化していったのは何故だろうか。
「帰るわ。無駄な時間を費やしている暇はないの」
はい、部長リタイア。
「貴方たちも、こんなことをしているならいっそ勉強でもしたら――きゃあ!?」
振り向いた松崎の顔面に雪玉がヒットした。
「……っ! 誰!?」
「さぁー? 木から落ちてきたんじゃないの?」
「……ふ……藤阪さん……。貴女、な、なかなかやってくれるわね……!」
松崎を連れてきたのは失敗だったかもしれんな。
「いいでしょう! そこまで雪まみれになりたいというならこの私の手で葬ってさしあげましすわ!」
「あー松崎、口調が変だ」
「神楽くん! ルールはどうなっているのかしら!?」
聞いちゃいねえ。
「はいはーい! チーム戦がいいと思いまーす!」
「ナイスアイデアだ満月君! では早速チーム分けをしよう!」
どうやって。
「心配ない。こんなこともあろうかと、予め全員分のくじを作っておいた」
……そうか。
で、くじ引きの結果、俺、桜乃、碧海、市原、松崎がAチーム。
藤阪姉妹、辻、死神、神楽、桜乃弟がBチームとなった。
どう考えてもあちらの戦力がおかしい気がするが、こちらは厄病神が喜んで我がチームの無敵偵察兵となってくれたし、碧海という切札もいる。戦力は五分五分だろう。
「……さ、狭山。その、雪合戦とは……どうやるのだ?」
訂正。駄目だこりゃ。
「ルールはどのようになるのでしょうか」
「ルールなどない!」
えー。
「では、始め!」
厄「今日は節分ですね!」
神「恵方巻きを食べようではないか!」
直「そっちなんだ」
碧「今年の恵方は南南東だったか」
辻「豆まきの方が有名じゃないですかー?」
舞「はい。まきおわった後は数え年の数だけ食べます」
藤「誕生日前なら今の年齢に2を、過ぎていたら1を足すんだったわよね」
ネ「62…63…64…」
死「113…114…115…」
続くの!?
という第67話でした。
無理矢理の季節ネタ。しかもそれが一話完結でない。
アウトですね。
久し振りに部長さんを皆に絡ませたら口調が分からなくなってしまいました。うーむ。
ではでは、(多分)明日をお楽しみに〜!