第60話:厄神様はかく復帰し
魔○光殺砲ぅーーー!!!!
というわけでお久し振りです。気を溜めておりましたガラスの靴です。
さて、毎日更新を謳っておりながら丸々1週間お休みさせて頂いたわけですが、その間に書き溜めたストックがなんと5話。
ええ、阿呆です。馬鹿です。愚か者です。
ま、どっかのナメック星人も1発目は盛大に避けられてますし。
という訳でなんかもう某週刊少年誌の狩人×狩人な状況に陥っているわけですが、どうしたらいいんでしょうね?
では言い訳もこのくらいにして、第60話をどうぞ!
「あーなんかすげー久し振りにお前と会った気がする」
「それはきっとあらゆる意味で気のせいだろう、うん」
6月も後半戦に入ったある日。謎のお嬢様に関する話もひとまずの落ち着きを見せ、ようやくゆっくりと日常生活を満喫出来るようになったと言えるだろう。
俺が平凡な生活のなんと心休まることかと感動を覚えながら教室で桜乃と他愛もない会話を展開しているとそこへ藤阪も加わりますます愛すべき平穏がすぐ近くまでやってきている実感が湧き、しかしそれは直後の訪問者によってしばしのお預けとなったのであった。
「……静流が呼んでるわよ」
「狭山くん、ちょっと」
「……あい……」
「貴方が無断で休んだことで、ここ数日どれだけ部活の運営に支障が出たか分かってるの?」
「いやまあ」
気付いていなかったわけではなかったが、ここのところの俺は学校が終わるとすぐにネーベルの屋敷へ向かっていたりなんだりで全くと言っていいほど部活に顔を出していなかった。あの松崎がそれを見て黙っていられる筈もなく、とうとう呼び出しをして説教をするに到ったらしい。
「聞いてるの?」
「あ、ああ」
怒る回数と怒った時の怖さは反比例するとよく言われるが、目の前の鬼部長を見ているとそれが必ずしも真理ではないということを認識させられる。この迫力はどこから来るんだ。
「トロンボーンもいなくて指揮者もいない。それを部員に伝えるときの情けなさが貴方に分かるかしら?」
「で、でもほら、辻とか桜乃弟とか」
「……高校2年は今日まで修学旅行でいないの。そんなことも知らなかったの?」
はい自爆。
「呆れた。だいたい後輩の予定も把握していないのに休むなんて、そんなことでこれから社会人になった時やっていけると思っているの? 貴方がそんなだらしない考え方をしているから部活に部外者が来たり後輩にサボリ癖がついたりするのよ。そもそも貴方には最高学年としての自覚が――」
「大変でしたね……」
「死ぬ……」
結局、延々と説教を聞かされ続け、心身ともに疲労困憊の極致にあった俺がようやく解放されたのはそれから20分後のことだ。心なしか廊下を歩く足取りも重い。
「でも、あいつの言っている事だって正しいんだよな。少なくとも今は部活に出れない事情もないし、今日からは真面目に行くか」
「わたしもそれがいいと思います」
――キーンコーンカーンコーン。
今後の方針もまとまったところでタイミングよくチャイムが鳴り響いた。俺も教室に急がねば。
「よっし藤阪! 部活に行くぞ!」
放課後、モチベーション最高潮のまま藤阪を誘う。今日は調子もいいぞ。
「やーよ」
「何を言ってるんだ! 部活は楽しいぞ!」
「1週間近くもサボっておいて?」
「…………」
「冗談よ。ほら、行くなら行くでさっさとしなさい」
「ちわーす」
「あれ? 狭山先輩」
「なんでいるんですか?」
「…………」
「わー!? 狭山先輩が窓から飛び降りようとー!!」
「みんな止めろー!!」
「何をやってるのーー!?」
「あのね狭山くん、いくらなんでも飛び降りようとすることはないんじゃないかしら?」
「『サボっておいて』ってお前……。『なんでいるんですか?』ってお前……」
「そんなに気にすることないじゃない。あたしなんてしょっちゅう『お久し振りです』って言われるわよ」
「……貴女ねぇ……」
「狭山さんが休み始めて最初のころに、神楽さんが来て狭山さんは暫くお休みするだろうと言い残していったんです」
市原が説明してくれる。神楽が?
「はい。あれは超人戦隊の活動があった次の日のことでした」
――神楽さん。どうしたのですか?
――ああ舞君! ちょうどいい! 他の諸君も聞いてくれたまえ! 直樹氏は高2の修学旅行にもう一度行くため裏工作を重ねているのだ! そのため恐らく修学旅行が終わるまでは部活に出られないようだ!
――わかりました。
――ではさらばだ!
「……ということです」
「信じるなよ」
それとも俺はそんな人間に見られていたのか?
「とにかく、嫌味だとか嫌がらせだとかではないのだから、しっかりと練習に励んで頂戴。いいわね?」
「ああ……」
「まったく、あんたもずいぶんと打たれ弱い性格してんのねー」
「ほっとけ」
気を取り直して練習開始。松崎の言う通り後輩達もすぐに俺がいるこの状況に慣れ、いつもどおりの練習風景になっていった。
「やあやあ直樹氏! ようやく君にも普通に部活へ参加する余裕が出たようだね!」
「よっ。遊びに来たぜー」
「邪魔するぞ」
3バカトリオがやってきた。本当に邪魔だ。
「なーに言ってるんだ、オレたちがバカならお前も入れてバカルテットだ」
「誰がうまいこと言えといった。俺はいま心の底から部活動を満喫しているんだ。部外者はとっとと帰れ」
「今日は満月君たちもいないではないか! 部活は少しでも賑やかな方がいい!!」
「そうだな。見学をして困る事はないだろう」
相変わらず自分勝手に生きている奴らだ。部長に怒鳴られても知らんぞ。
「問題はない。いざという時は逃げる」
……なんだかな。
「玉藻さんはお一人で大丈夫でしょうか?」
「心配は無用だろう。最近では人間生活にも適応し始めているようだ」
「君達の共同生活も大分板についてきたのではないかね!?」
「狭山さん。家族を守るのはお父さんの役目ですよ。間男から奥さんを守ってください」
まだその設定生きてたのか。
「直樹ー! あんたもこっちきて吹きなさいよー!」
「おらおら伴奏係、さっさと吹けや!」
「伴奏係言うな! トロンボーン舐めるなよ!」
辻たちはいないが、これはこれで楽しいかもしれないな。
「よし、合奏を始めるぞ」
「ヒューヒュー!」
「諸君、頑張ってくれたまえ!!」
「期待している」
「直樹さん、ファイトです」
「お前らもう帰れーーー!!」
……時と場合によりけりだが。
「狭山くん、あの人たちはどうにかならないのかしら」
「どうにか出来るならとっくにどうにかしてる」
はあ。
部長と2人で溜息をつきつつ久し振りの部活も終了となった。
「お、碧海。お前もちょうど終わったところか」
「ああ。そちらもか」
部活が終わって帰ろうとすると、剣道着姿の碧海と出くわした。
「練習、大変そうですね」
「……この前は自分の無力さを痛感したからな。まだまだやらねばならないことはたくさんある」
そんな気合入れなくても。ネーベルだったら平和解決しただろ。
「結果の問題ではない。あの実力の者に対して手も足も出なかったのは確かだ」
「退魔士といえども人間だ。そこまで気負う必要はないと思うが」
「そうも言っていられないだろう。出来る限りのことはしなければならない」
「あんまり無理はするなよ」
碧海も中途半端ってのを嫌う性格だからな。他に何かやることがあればいいんだろうが。
「ただいまー」
「ただいまです」
「帰ったぞ」
「うむ。おかえり」
玉藻はリビングのソファに寝っ転がってテレビを見ていた。お前な。
「玉藻さん。ソファにはきちんと座らないとダメです」
「座ると疲れるのじゃ」
「いけません!」
「……うむ」
本当に頼むぞ母さん。
「それじゃあ夜ごはんの支度をしましょう。玉藻さん、手伝ってください」
「わかった」
女2人が台所へ向かい、テレビの前には男2人が残った。
「……着がえてくるか」
「そうだな」
2人並んで階段を上り、それぞれの自室へ。
とある日の、とある日常はこうして過ぎていった。
辻「出てないですー」
ネ(昼)「出てないの」
ネ(夜)「出てないね」
直「仕方ないだろ。そういう運命だ」
藤「そうよ。次回の出番を願ってなさい……って、なによ満月、その得意気な顔は」
辻「ふっふっふー。まあ藤阪センパイはせいぜい今の状況に甘んじていて下さいー。私にはもうセンパイとのラブラブカップリングを支援する票が入ってますからー」
藤「なっ……! なによそれ! そんなんで簡単に成功するわけないじゃない!」
辻「まーそう思うなら勝手にどうぞー」
藤「……いい度胸じゃない。やるなら相手になるわよ! 覚悟しなさい!」
直「……で、なんで俺はさっきから耳をふさがれているのだ?」
桜「仕方ないだろ。そういう運命だ」
というわけで部活はやっぱり毎日行かなきゃね、という第60話でした。
次回からはここんとこ出てなかった人達の話をちょっとだけ。
これからも本当にどうかよろしくお願いします。
ではでは〜。




