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第51話:厄神様はかく待ちけり

どうもこんにちは。

ガラスの靴です。


本日1月5日は囲碁の日。

まんまです。


では第51話をどうぞ。


「まだ夕方だから、大丈夫なの」

「大丈夫って、何が」

 夏に向けてますます日が長くなっていくこの季節。夜はまだ先のようだ。

「なんでもないの。それより、この前はどうもありがとう」

 不良達にからまれた時のことを言っているのだろうか。

「気にするな。怪我はしなかったか?」

「先にあなたが助けてくれたから大丈夫なの」

 いや、その先の事を言ってるんだが。鉄骨とか鉄骨とか鉄骨とか。

「まあ大丈夫ならいいさ」

 それっきり、沈黙。

「…………」

「…………♪」

 ……あのさ。

「他に話すことってないのか?」

「うん。ないの」

「…………」

 ニコニコしているところを見ると話題が見つからないとかではなく話題を探す気がないようだ。

「……それじゃ」

「もう帰るの?」

 そっちに用がないのにこれ以上長居したら迷惑だろ。

「そうなの?」

「そうなの! またな」

 立ち上がって鞄を手に取る。

「…………」

「玄関はこっちで良かったか?」

「……うん。送ってくの」

 玄関まで送っていってもらえることになった。

「高橋さんを呼んだの。家まで安全に送ってくれるから」

 あの執事か。お前って本当にお嬢様なのな。

「うん……」

 あまり歯切れが良くないな。やっぱりお嬢様ってのも大変なのだろうか。

 やがて玄関ホールに辿り着く。そこにはさっきのおじさんが待っていた。

「本日は度重なるご無礼、どうかお許し下さい。せめてもの償いといたしましてご自宅までお送りさせて頂きます」

「それはどうも。近いんだったら歩いて帰れますけど」

「いえ。狭山様にはまたアレをやって頂きたいので……」

 あ、またやるのね。目隠し。

――キィ。

 玄関の扉を開けて屋敷の外へ。車は黒塗りのベンツのようだった。

「どうぞこちらへ」

 後部座席へ案内される。言われるままに中へ。

「お嬢様」

「…………」

 ネーベルはさっきからなんとなく元気がない、ような気がする。

「またな、ネーベル」

「……うん。……またね」

 

 

「もうお外しになられて結構です」

「わかった」

 目隠しを外すと、見慣れた景色が流れていく。駅前のようだ。

「なんで目隠しなんてするんだ?」

「……我々の屋敷が、どこにあるのかを知られたくない為です」

 随分と閉鎖的なことをする。そういうことしてるとネーベルにも良くないんじゃないか?

「おっしゃる通りです。しかしお嬢様自身の為、と申しますか、それもまた必要なことなのです」

 よく分からないな。本人がいいならいいが。

「到着致しました」

 家に着いたようだ。

「ありがとうございます。それじゃ俺はこれで」

「……狭山様。僭越(せんえつ)ながら申し上げます。今後暫くの間は夜中の外出を控えて下さい」

 車を降りようとした時、高橋さんが妙なことを言ってきた。

「夜中の外出って、買い物とかもか」

「出来れば」

 よく分からんがそうした方がいいならそうしよう。

「申し訳ございません。では私はこれで」

 俺を降ろした車はそのまま走り去っていった。

 

 

「ただいま」

「直樹さん!」

 家のドアを開けると厄病神が待ち構えていた。なんだ。

「ごめんなさい! わたしがついていれば……」

「はい?」

「おお! 無事じゃったのか!」

 何の話ですか。

「よ、黄泉さんが、直樹さんが危ない目に遭ってるって……」

 危ない目に、ね。

「家にはふりこめさぎの電話がかかってくるし、大変だったのじゃぞ!」

「そうそう、忘れてた。玉藻、こっちこい」

「なんじゃ」

――ゴン!!

「テレビでかじった中途半端な知識をいきなり実践するな。あれは詐欺じゃなくて俺からだ」

「…………!!」

「聞こえてないみたいですけど……」

 お前もお前だ。せめて用件を聞け。

「死神はどうしたんだ?」

「黄泉さんなら、直樹さんからの電話を受けてすぐにどこかへ出掛けていきました」

 そうか。夕飯はどうしたんだ?

「まだです。直樹さんと黄泉さんが帰って来るまで待とうと思いまして」

「それじゃ死神が帰って来るまで待つか。ほら玉藻、起きろ」

「……お主、いつか復讐してやるからの」

 

 

――カチ、カチ。

「黄泉さん、遅いですね……」

 時計の短針は既に9時を指している。どこで何をやっているんだあの馬鹿は。

「……眠い……」

「玉藻さん、お休みになったらどうですか?」

「…………」

 先に夕飯を食べさせた玉藻はもう寝る直前だ。厄病神が寝かしつけに行く。

――プルルルルル。

 その時、リビングに電話の呼び出し音が鳴り響いた。

「はいもしもし、狭山です」

『やあやあ直樹氏! 夜分遅くすまない!』

 電話は神楽からだった。

「なんだこんな夜中に」

『実は今、黄泉君が泊まりに来ていてね!』

 なんですと。

『連絡を忘れていたようだから電話したのさ!』

「待て。そこに死神がいるのか?」

『ああ! 代わるかね!?』

「いや、いい」

 何をしてるんだあいつは。神楽の家までわざわざ出掛けたのか?

「直樹さん、今の電話、なんだったんですか?」

 厄病神がリビングに入って来た。神楽からだ。死神は泊まるんだと。

「そうなんですか? どうしてでしょう……?」

「知らん。とりあえず死神も帰って来ないと分かったし、夕飯を食べたい」

「あ、そうですね! すぐに準備します!」

 厄病神はラップをかけてあったおかずを電子レンジで温め始めた。

「玉藻さんも寝ちゃいましたし、久し振りに2人きりですね」

「そういえばそうだな」

 思えば元々この家には俺しかいなかった。それが1人増え2人増え、気付けば4人家族みたいだ。

「それじゃ、たまにはのんびり食うか。いただきます」

「はい。めしあがれ!」


う〜ん………。

微妙な感じになってしまいました………。


こんなレベルの話を続けていいものか、皆様のご意見を聞きたいです………。


次回ですが、とりあえずお嬢様の話は一段落して、生徒会の活動でもやる予定です。


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厄神様とガラスの靴
こっそり開設。
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