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第50話:厄神様はかく断ち切り

どうもこんにちは。ガラスの靴です。

記念すべき第50話です。

でもプロローグもあるので実際は前回が50話目でした。

まあ細かいことは気にせずいきましょう。


今日はミャンマーが1948年1月4日にイギリスから独立した独立記念日です。

今はけっこう大変な状況になっていますね。


ともあれ、とりあえずどうぞー!

 季節は梅雨に入ろうかという6月上旬。

 しばしの別れを惜しむかのような夕暮れの中、とある車が道を走る。

 ………俺を乗せて。

 

 

「狭山直樹様、でよろしいですか?」

 どうやら目隠しをされているらしく視界は真っ暗だ。運転手と思しき奴が話しかけてきた。

「人違いだといったら下ろしてくれるのか」

「これはこれは。大変な失礼を致しました」

 声からして初老の男性といったところか。そんなものが分かったところで何の得にもなりはしないが。

「ご無礼をお許しください。我々にも事情があるもので」

「その事情ってやつのせいでこんな目隠しまでされてるのか」

「申し訳ございません。目的地に着くまでの辛抱でございます」

 ルートを割り出させないように、というアレか。自分がやられるとは思ってなかった。

「ちなみに手は自由に動くんだが、今ここで目隠しを自分で取ったらどうなる?」

「すぐさま引き返し、狭山様のご自宅へお送りさせていただきます」

 さて、普通に考えたら今すぐ取るべきなんだろうな。

「実は、あるお方が貴方様に会いたいとおっしゃっておられるのです」

 これ以上厄介事に巻き込まれてたまるか、そう思って目隠しを外そうとしたとき、運転手が話し始めた。

「そのお方は狭山様に危ないところを助けてもらった、と、大変感謝しております。ぜひそのお礼をしたいということで、屋敷へお招きすることになったのです」

「屋敷?」

「はい。我々が仕える貴族の館です」

 ……貴族?

「貴族なんて助けた覚えはないぞ。というか人助けなんてしたか?」

「会っていただければわかります」

 それっきり運転手は黙り、俺も一人べらべらと喋る気にはならなかったので車は沈黙の中ひた走った。

 

 

「到着いたしました」

 10分ほど走ると車は止まり、ドアが開く気配がした。案外近いな。

「どうぞ、お外しになってください」

 言われるまま目隠しを取る。

「こちらが、お嬢様の住む屋敷です」

 最初の感想は、ぼろい、だった。

「ぼろくないか?」

「何せ400年前からの代物でして。建てられた当時はそれはそれは美しい建造物だったと聞いております」

 運転手の方を見ると、予想通り初老の男性が立っていた。

 そこら辺を歩いているおっさんと違うのは完璧な身のこなしと執事服だろう。

「執事……?」

「その通りでございます。自己紹介が遅れました、私は先ほど述べたお嬢様に仕えております高橋と申します」

 で、高橋さんとやら。そのお嬢様ってのは誰なんだ。

「お嬢様ご自身が自己紹介をしたいとたっての希望です。どうかご理解ください」

「……じゃあ早く行くか」

「どうぞ。こちらです」

 こんな謎まみれの館にさらわれても危機感がいまいち湧かないのは俺が非日常に侵食されきっているからだろうか。

 屋敷は近づいてみると確かに並外れた大きさだった。管理が大変そうだ。いや管理しきれてないから外見がぼろいのか。

「高橋です。狭山直樹様をお連れ致しました」

 中に入ると異次元だった。

 いや、異次元と思わんばかりのきらめきを放っていた。

「……あの、ちょっといいか?」

「なんでございましょう?」

「外と中と、随分違いがあるみたいなんだけど……」

「お嬢様は屋敷の外見にはあまり執着しておりません。我々が管理するのも屋敷の内側のみとなっております」

 充分管理できてるし。

「狭山様。お嬢様がいらっしゃるまでここへお掛けください」

 ソファへ案内される。随分な待遇だがいいのか。

「構いません。お嬢様をお助けしていただいたほんのお礼です」

 高橋さんはどこかへ行ってしまった。

「しかし広いな……」

 応接間と思しき部屋は既に家のリビングの3倍はありそうだ。マルクス主義は死んだのだな。

 そこまで来たところで家に連絡を入れるのを忘れていたことに気付いた。携帯電話を取り出して電波を確認する。

「3本立ってるし」

 テレビなんかだと圏外で連絡も取れないのがセオリーだが、昨今の電波事情には勝てなかったのか。

 とりあえず家へ電話する。

「あーもしもし。俺だ」

『おれなどという人物はここにはおらぬ! いま話題のふりこめさぎじゃな! この玉藻様が引っ掛かると思うか! 残念じゃったな!』

――ブツッ。ツー、ツー、ツー……。

「…………」

 後で殺そうと考えながらもう一度電話する。

「あーもしもし、俺だ。狭山直樹だ」

『…………! な、直樹さん! ごめんなさい! ちょっとやってみたくなっただけなんですー!』

――ブツッ。ツー、ツー、ツー……。

「…………」

 ……本当に帰ってたんだな、厄病神。

 とにかく3度目の正直という非常にうそ臭い諺を信じてもう一度コール。

「あーもしもし。俺だ。狭山直樹だ。別に怒ってるわけじゃなくて伝えたいことがあるんだ」

『……何の話だ』

 死神が出てほっとしてしまうあの家の応対事情はまずいのかもしれない。

「いやなんでもない。それより今どっかの屋敷にいるんだ。なんでもその屋敷のお嬢様が俺に以前助けられたことがあるらしい」

『……屋敷……?』

「ああ。そういうわけで、今日は少し帰りが遅くなるかもしれないから、夕飯は先に食べててくれ」

『待て。その屋敷は非常に古いものか?』

 そうだな。築400年とか言ってたし、実際ぼろかった。

『……お嬢様、といったな。その人物に心当たりはあるか?』

 いやまったく。

『……狭山直樹。急いでそこから離れろ。そこの主は――』

「お待たせいたしました、なの」

 後ろから声がして振り返ると、そこには銀髪の少女が立っていた。

「あ、ああ」

『聞いているのか、さや――』

 慌てて携帯をしまって立ち上がる。応接間のドアの方を見ながら電話していたのだが、どうやら夢中になって気付かなかったらしい。

「びっくりした?」

「そりゃあびっくりした……」

 その時ふと目の前の少女に見覚えがあるような気がしてじっくりと顔を見てみる。銀色の髪、蒼い瞳、お嬢様風の服――。

「ああ! いつか不良連中にからまれてた!」

「大正解なの。覚えてもらっててうれしいの」

 厄病神と出かけた時に不良にからまれていた少女だ。あの時は日傘を差していたな。そういえばあの晩だったっけ、死神に会ったのは。

「お久しぶりなの、私の名前はネーベル。ネーベル=フォン=カルンシュタイン。よろしくね?」

「俺は狭山直樹だ。よろしく」

 ネーベルという名のお嬢様は上品に微笑んでいた。


直「……お前ら、帰ったら殺すからな」

玉「なぜじゃ! わらわはてれびで言われたとおりにしただけじゃぞ!」

厄「ごめんなさいごめんなさい! 本当にごめんなさい!」

直「それよりお前、なんか前に会った時と話し方変わってないか?」

ネ「気のせいなの」

玉「作者が急に全話を更新し始めたようなのじゃが」

ネ「気のせいなの」

厄「ネーベルさ――」

ネ「気のせいなの」



というわけで第50話でした。

相変わらず反省の色がまったく見えない新キャラ投入です。

いやでも過去2回ほど出てるから新キャラじゃないんじゃないかな!?

とか悪あがきしてみたり。


さて、ネーベルさん。

謎まみれですが、一応登場人物の中で唯一まともな元ネタがあるキャラクターなのでピンとくる方はピンとくるかも。

来ない方は楽しみにしててください。おそらく読者様の98%がピンとこないと思います。


ではでは、次回をお楽しみに〜!

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厄神様とガラスの靴
こっそり開設。
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